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18.成功?
しおりを挟む「おい!いつまで固まってんだよ!」
「………」
また固まってしまった旦那様をローレンさんは今度は容赦なく前後に揺さぶって起きるように声をかけています。そんなお2人の仲が良さそうな様子に微笑ましさと少しの羨ましさがあります。
…でもこれでは旦那様から許可を頂くのは難しいです。そんなに私からのお願い事は固まってしまうようななにか衝撃がある言葉なのでしょうか?
「「奥様」」
そんな時、ランさんとラミさんに声をかけられました。
「どうしたんですか?」
「「ゴニョゴニョ」」
「えぇ?そうすればいいのですか?」
「はい。そうすれば旦那様は」
「必ず許可を出しますので」
「……わかりました」
ランさん達が教えてくれた言葉は丁度どうすればいいのか悩んでいた私にとってありがたいものでした。
…でもたったそれだけで旦那様は頷いてくれるのでしょうか?…いえ、今はお2人のお言葉を信じるのです。
「…おいお前本当いい加減に……ん?奥様?」
私は決心して旦那様に近づきます。そして旦那様の服の裾を少し掴み、下から旦那様のお顔を覗き込むようにします。そしてーー
「あ、あの旦那様…わ、私と一緒にお食事して下さいますか?///」
「っ!?」
そ、そう言えばこんなに私から旦那様のお側に近寄ったのは私が過去に戻った日以来です…。あの時は旦那様が生きていることへの嬉しさでいっぱいで気にしていませんでしたが、今日はとても恥ずかしいです。絶対に私の顔は真っ赤になっています…。恥ずかしくて涙が出そうです。…でもダメです。ここで目を逸らせば負けです!ちゃんと旦那様から許可をもらわなくては!!
「あ、あ」
「…いいですか?旦那様…」
「う、あ、あぁ///コクコク」
「!本当ですか?」
「っコクコクコク///」
「ありがとうございます!」
「っ///」
やりました!ランさん達のいう通りにすると本当に旦那様からすぐに許可を頂くことができました!嬉しくて笑顔になってしまいます。
「旦那様、明日の食事楽しみにして……っ旦那様?どうかなされたのですか!?」
旦那様のお顔が見る見る真っ赤に染まっていき驚いてしまいます。もしかして熱でもあるんでしょうか?
「あ、いや///」
「もしかして具合が悪いのですか?熱は?」
私はそんな旦那様の様子にお顔や首にペタペタと手を当てました。
「っユ、ユユッッ」
どうしましょう鼓動がとても早いです。お医者様を呼んだ方がいいかもしれない。そう考えていた時…
「~~~っっ///…フッ……バタンッ!!」
「旦那様!!」
真っ赤なお顔をしたまま旦那様がそのまま後ろに倒れてしまわれました。その様子に私はパニックに陥ってしまいます。
「ど、どうされたんでしょうか!?急に倒れてしまうなんてっ。こういう時はどうすれば…っそうです!や、やっぱりお医者様をお呼びしなくてはっ!!ロ、ローレンさん!ランさん!ラミさん!急いでお医者様をーー」
そして、急いで3人にお医者様を呼んでもらおうとすると
「うわ~だっせぇ…。普通気絶するかよ…。ぶっあははははは!!」
「ふっく…ろ、ローレン様、さ、流石に笑うのは旦那様に悪いかと…ふふ」
「ふ…そ、そういうあなたこそ笑いを隠せていませんよ、ふっくっ!」
3人ともとても面白そうに笑っています。な、何故そんなに楽しそうなのでしょう?
「ふっお、奥様。別にお医者様は呼ばなくて大丈夫ですよ」
「で、ですが…」
「そうですよ奥様。逆にここでお医者様を呼んでしまわれますと、ふふ」
「旦那様が笑い者にされてしまわれますので…ふふ」
「わ、笑い者ですか?」
「「ええ」」
「ま、そういうことなんで後のことは私が引き受けますよ。旦那様もこんな感じですので奥様はもうお休み下さい」
「で、ですが…」
「奥様大丈夫ですよ。明日、旦那様と朝食をとるのでしょう?
「そのためにも早く休まなければなりません」
「そういうことです」
「……わかりました。おやすみさない」
…倒れてしまった旦那様のことは心配ですが、皆さんが大丈夫だと言うのなら大丈夫なのでしょう。
「はい」
「「では、奥様こちらに」」
そうして、私は旦那様の様子が気になりつつもランさん達に促されるまま部屋に戻り休んだのでした。
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