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15.最後の最後に…
しおりを挟むあれから話がついたのか
「おほほほほほ!なんだそう言う事でしたのね!それならそうと初めから仰ってくれればよかったのに!無駄な体力を使ってしまいましたわ」
「……君が話を聞かなかったのだろう」
そう言いながら戻って来たお2人ですが、お姉様は先程と同じで元気ですが、ヨルト様はなんだかとても疲れたお顔をして所々焦げてしまわれています。
「それは仕方がありませんわ。まさかと思って解除の魔道具に付けておいた通知機能が作動したんですもの」
「…通知?まさか魔道具に細工をしていたのか!」
「ええそうですわよ?だってユユからの手紙に閉じ込められるかもしれないと書いてあったんですもの。姉として心配しても仕方がないでしょう?まぁそのおかげでこうやって駆けつける事ができたのだからよかったではありませんか」
「…確かにそうだが」
なるほど…。それでお姉様は私を心配して来てくださったのですね。…でもそんなに心配を掛けてしまうような書き方だったでしょうか?
「まぁ、私そろそろ帰りますわ。後のことはあなた達でできますわよね?」
「ああ。さっさと帰ってくれ。君がいるとどんどん疲労が溜まっていく」
「あら?もっと溜めてあげましょうか?」
「いらん」
「そんな連れないこと仰るものではありませんわよ?」
「いいからさっさと帰れ。……今日のお礼はまた後日させてもらう。助かった」
「はいはい。ーーじゃあユユ。私は帰るわね」
「…はいお姉様。今日は本当にありがとうございました。送って下さった物もとても助かりました。今度何か私からもお礼をさせて下さい」
久しぶりに会ったお姉様がもう帰ってしまわれるということに少し寂しさを感じてしまいます。ですが、もとはといえば私が心配を掛けてしまったがために、お姉様は駆けつけて下さったのです。これ以上呼び止めてしまっては申し訳がありません。それにもう夜も遅いので早く帰らなければお姉様の旦那様やお子さん達も心配なさってしまわれます。
「そんなの別によろしくてよ。可愛い妹のためですもの。どうしてもと言うのなら今度うちに遊びに来て頂戴。あの人も子ども達もあなたに会いたがっているわ」
「はい。わかりました!必ずお伺いさせて頂きます!」
「ええ。あ、そういえば近いうちにお兄様がここに来ると言っていたわ」
「え゛」
「え?お兄様が?」
「ええ、お兄様も久しぶりにユユに会いたいと言っていたから。後ついでにヨルトに用があるそうよ。だからそのつもりでいてあげて」
「…………」
「はい!わかりました」
「ふふそれじゃあねユユ。また何かあったら連絡を頂戴。いつでも駆けつけてあげる」
「はい!ありがとうございます」
お姉様はそういうと窓から飛び降りて帰って行ってしまわれました。…お兄様の用とは何でしょうか?気にはなりますがお兄様と会うのも結婚して以来なのでとても楽しみです!
「………」
「?ヨルト様どうされたんですか?大丈夫ですか?」
お姉様が去った後、ヨルト様を見るとなんだかさっきよりも疲れた顔をしているように見えました。
「……いや、最後の最後に厄介な爆弾を落とされた気分になっただけだよ」
「?」
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