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6話
しおりを挟む『居たぞ! あれじゃ、白石ちゃん! 可愛い子じゃのう! なんじゃあの女子力の塊!!』
俺たちは七組の廊下に居る。
白石は教室で呑気に昼食を取っていた。弁当だろうか。
『じゃあ、行ってくるわ!』
『待て待て! 昼食中じゃろ? さすがにデリカシーが無いじゃろて!』
──仕方なく廊下の壁に寄りかかり、待つ事にした。
待つ事10分。
クラスの女子が俺に気付いたらしい。痛々しい言葉が聞こえてくる。
(ねぇ、あれ、三組の二年生デビュー君じゃない? 名前なんだっけ?)
(八ノ瀬かな? いきなりなんなのあいつ。まじきもー)
(えー、私はちょっとありかなぁ)
(ないないー! ダメだよー!)
黙れよ。モブが。ありとかなしとか勝手に言いやがって。だから嫌いなんだよ。あぁ、秋月さんに会いたい……。
『リク、気にする事ないからな。今はとにかく白石ちゃんに集中しろ!』
心配そうな顔で話しかけてくる。妖精さんにはなんでも見透かされてるのかな。
『大丈夫だよ。もう食べ終わってるみたいだね。行ってくる!』
俺は白石が座る席まで一直線に歩いた。他クラの俺が一人で入ってくるもんだから、視線が集中する。
やり直し前提。恥じらいなどはない。こんなのはイージーゲーだ。
「白石姫姫さん、お話がありまーす!」
俺はやや大きめの声で棒読み風に声を掛けた。
「はい?」
首を傾げる白石。まぁ、当然だろう。
「ちょっとちょっとぉ~! あんた三組の八ノ瀬でしょ~? 無理! 無理だから! 帰った帰った!!」
取り巻きの女子が勘付いた様子で、図々しくも俺に話しかけてくる。
「どーせ、ID交換したくて来たんでしょ~? あんたじゃ無理!」
『リク! 手筈通りにやるんじゃ!』
俺は白石の机にドンっと手をついた。机ドンだ!!
そして顔を近付ける。
「お前の事が好きだ。付き合ってくれ」
「はい?」
白石はキョトンとした様子だ。まぁ、無理もない突然の事だ。俺はさらに続けた。
「好きだ」
ようやく理解したのか、ああねと言う顔をした。
「ごめんなさい。今、私……好きな人が居るので……。気持ちには応えられない……かな」
見繕ったような言葉で俺を振る彼女はどこか申し訳無さそうだった。
人目を気にせず告白したのは俺だが、そんな俺を気遣っているのだろうか。悪い子では無さそうだ。
そんな事を考えていると、
周りには聞こえないであろう声量で耳打ちしてきた。
「調子のんなバーカ。顔近過ぎ。キモいんだよ。二年生デビューとかダッサ。同じ空気に居たくない」
はぁ?? 俺は耳を疑った。
白石の顔を見る。ニコッと笑い首を傾げた。こいつ……。
気付いたら白石の胸ぐらを掴んでいた。
拳を強く握りしめて。
「振られた腹いせに……暴力ですか?」
怯えたような素ぶりをみせる。けど、俺は見逃さなかった。白石の口元が僅かに微笑んでたことに。
あぁ、これがお望みかよ。そういうことか。
俺がこうすると思ったんだな?
だったらやってやるよ!
何が四天王だ。見下しやがって!!
『ダメじゃリク!!』
〝パチンッ〟
──昨晩の俺の部屋に戻っていた。
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