優しさだけでは付き合う事が叶わなかったので、別の方法で口説く事にしました♪

おひるね

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27話

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 せっかく家に帰ったというのに着替えることなく、俺たちはバーガー屋さんへ向かった。


『さっきの話の続きを……』
 やはり聞かずにはいられない。気になる。

『新作バーガーのLLセットじゃからな!!』
 目をキラッキラさせながら言うこの言葉は、何度目かわからない。その小さな体で食べ切れる訳がないのに……。
 動画に感化されたのか、今日の妖精さんの食い意地はレベチだ。


『ふむ。学園四天王として数えられるくらいだから、モテまくりのモテモテなのはわかるな』
『うん』
 本当はわからない。存在自体、昨日知ったのだから。

『ふむ! 二見ちゃん〝私物強奪事件〟じゃな』
 いや、ほんと。パワーワード先行型かよ。わざとやってるだろ。妖精さん。……しかし、乗る!!

『な、な、なにそれ?! 教えて妖精さん!!』
『フッフッフッ、しょうがないのう! しょうがな──』

 妖精さんがノリノリで二度目のしょうがないのうを言いかけた時、またしても……スマホが鳴った。



 ──ピコン。ちぃちゃん♡からメッセージ。

《りっきゅぅぅーん! パパが車で送ってくれるって!!》
 ……クマが車に乗ってGOGOしてる。


 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーー!!
 タイミングぅぅぅ!!


『パパじゃと?』
 急に真顔になる妖精さん。額に指を当て、何やら思い出そうとしている様子。

『二見ちゃんパパは警察官じゃ!! 戻ろう。会うべきではない!!』
 何故か急に焦りだす。……不純異性交友を懸念しているのだろうか? 大丈夫。そんなやましい関係ではない。胸を張れる。


 でも付き合った初日だし、親と会うには早過ぎる。しかし戻ったところで、この未来は変えられない。会う以上、ちほパパの登場は避けようがないはずだ。

『続行だ。妖精さん! やましい事など何もない!』


 ──ピコン。ちぃちゃん♡からメッセージ。

《パパね、ノリノリだよぉ! 早くりっくんに会いたいよぉぉぉ》
 ……クマがちゅっちゅしてる。


『パパがノリノリだと? ……ノリノリ?』
 妖精さんはにわかに信じられない。と言った様子だ。
 ノリノリだなんて可愛いパパじゃないか。ちほに似て小さくて可愛いパパさんなんだろうな。

 ◆◇◆◇

 ──そうこうしてる間にバーガー屋さんに到着した。

『Lサイズ! LLサイズ! LLLサイズ!』
『はいはい。新作バーガーのセットでいいんだよね?』
『もちのろんじゃ!! じゅるり』
 食い意地だけはすごい。その小さな体では殆ど食べられないのに……。


「次のお客様こちらへどうぞー! ご注文はお決まりでしょうか! ニコッ!」
「えっと、コレのLサイズ。セットで。飲み物はオレンジジュースでお願いします。」
「あーっ、二見先輩の彼氏さんだ!!」
「は?」
 なんだこいつ。仕事だけしてろよ。

「……。パイナップル&いちごバーガーのLセットでございますねー!」
「脇へずれて少々お待ち下さいませー」


『じゅるりじゅるり! はよー!!』

「二見先輩の彼氏さーん出来ましたよー!」
 俺の名前は〝彼氏〟じゃないんだが。一応客だぞ。自由な店員さんだな。


 テクテクテクテク。


「感じ悪いんでー、減点です! ニコッ♪」
 減点? なんだこいつ。黙ってトレイを渡す事も出来ないのかよ。ムカつく奴だな!


『ふむ。この子は最側 彩乃さいかわ あやのちゃんじゃな。夏休み明けに四天王として数えられる一年生ガールじゃ』

 また四天王かよ。もうお腹いっぱいだよ。
 でも、今は四天王じゃないって事かな。そもそも四天王ってなんだよ。白石にしろこいつにしろロクなもんじゃねぇな。ちほだけは良い子だけど。


『とりあえず食うのじゃ! はよはよー!』
『ポテト出すから、箱の中で食べてくれよ』
『もちのろんじゃ!! はよー!』


 もぐもぐ頬張る妖精さん。良い食べっぷりだ!

 しかし、パイナップルとイチゴばかりを食べている。いや、パイナップルとイチゴしか食べていない……。


 バーガーの意味……。




 ──ちほとの待ち合わせまでは30分。

 俺はポテトを片手にリラックスタイムと洒落込んだ。
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