28 / 106
28話
しおりを挟むじゅるるるるるるるる。
『り、リク。。まさか、まさか?!』
妖精さんは驚きを隠せない様子。当然だ。この音には俺も驚いている。まさか、こんなにも早いとはな。
オレンジュースLサイズ。飲み干しってしまった。
『じゅるるるるるるるる』
もはや言葉は要らないだろう。俺はストローでじゅるじゅると音を立てながら妖精さんを見つめた。
『嘘じゃ嘘じゃ嘘じゃ嘘じゃぁぁぁぁ……』
『じゅるるるるるるるる』
『あほーー! ドあほーー!!』
妖精さんは勢いよくポテトの箱の中から出て来て地団駄を踏んだ。そして、指パッチンのモーションに入る……。
『ちょっ!!』
パチンッ!
──俺たちは食べ始める直前に戻った。
まじかよ……。お腹も空いている。喉も乾いている。しかし、また同じものを食べて飲むのか……。
『どけっ! 一口よこせ!!』
勢いよくストローに口を運ぶ妖精さん。
今日は色々あり過ぎたからか、タイムリープが身近にある生活を忘れていた。飲み干したのならすぐに新しいジュースを買ってくれば良かったんだ……。はぁ。失敗した。
『ぷはぁ!!』
お腹をポンポンとして、まるでお腹いっぱいと言わんばかりだ。
待て、ハンバーガーは袋に入ったまま。食べる前にタイムリープした事を忘れてる……?
『いや、一口も食べてないだろ?』
『さっき食べてたじゃろ? パイナップルといちご美味しかったのう!』
それはタイムリープする前でしょ~。それだって、果物しか食べてない。
しかし、妖精さんは大満足の様子だ。何を言っても無駄だろう。
俺は二度目の食事をした。──もぐもぐ。はぁ。
タイムリープが身近にある生活。なんだか懐かしい。
最後にタイムリープしてから一日しか経っていないのに。不思議な感覚だ。
店を出る際、最側 彩乃が笑顔で手を振ってきたが、なんとなく小馬鹿にしてるような雰囲気だったのでシカトした。
俺を下に見ている。そして上から目線。
二見先輩の彼氏があれ? うけるんですけど~っと今にも言い出しそうだった。
◆◇◆◇◆◇
駅前のロータリーに到着した。ちほとの待ち合わせ場所。帰宅時間と重なってるせいか、人通りが多い。
『パッパには気を付けるのじゃぞ。御砂糖ヶ丘学園の生徒のことを良くは思ってないだろうから。失礼の無いようにな……』
『え?』
また唐突に。なんだよ!
『娘にあんな事があったんじゃ。パッパの心中は察してやれ。表向きはお守りのようなご利益があるからという事になっておるが、あれは裏ファンクラブ、そして教師も一枚噛んでるって噂だからのう』
ご利益? 裏ファンクラブ? よぉーし!!
『妖精さん!! その話もっと詳し──』
俺が例のごとく、話の続きを聞こうとした時、詳しくの最後の〝く〟を言おうとしたまさにその時、
──ピコン。ちぃちゃん♡からメッセージ。
《もぉつくよぉぉ!! 交番近くのバス停の後ろの後ろの後ろの方に居て!!》
……クマが手を振ってる。
──もう、スマホ解約しようかな……。
0
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる