優しさだけでは付き合う事が叶わなかったので、別の方法で口説く事にしました♪

おひるね

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78話

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 トントン。

「入ってもいいか?」

 いや、だからなぜ、
 俺はノックをしてしまう……。

「はぁーい、どぞどぞー!」

 ガチャン。

 くそっ。相変わらずくつろいでやがる。
 俺の部屋なのに人ん家に来た気分だ。
 最側が居るだけで、部屋の中が甘ったるい匂いに包まれてやがりやがる!

 やがりやがる? だめだ。今日の俺はほんとどうかしてる。疲れてるんだ。


「あー、せんぱぁーい、半分残しておきましたっ!」

 どうぞと当たり前のように差し出されるお皿。食べかけのモンブランがのっている。

「早く食っちゃえよ。髪乾かしたらハンカチ買いに行くからな」

「えー、だってこれ駅前の限定100個のやつですよね? お一人さま一つ限りのっ!」
「まぁ、そうだけど」

 よく分かったな。さすが女子。って感心してる場合じゃない。

「急に来ちゃったわけですし、わたしの為に用意してくれたものじゃないことくらいわかりますよー。欲望を抑えられなくて半分食べちゃいましたけどっ!」

 ペロッと唇を舐めご満悦な様子。

 いや、だからな、御礼なら妖精さんに言ってくれ!
 とは言えるわけもなく。あー、ムズ痒い!!!!


「それはおまえに出したものだし、俺はいいんだよ」

「先輩ってたまに強情な時ありますよね……してくれるのは嬉しいんですけど、バイト仲間ですしぃ」

 バイト仲間……ねぇ。でもこれはさすがに。

「それに、これおまえの食べかけじゃん」

 カタッ。
「ええぇーー! わたしの食べかけは汚いとでも?!」

 驚いた表情とともに少し怒りだした。
 そこ、驚くところ? だって、これ普通に考えて間接キス。綺麗とか汚いとかそういう問題じゃない。

「いやいや、そうじゃなくてさ──」
「もー、それは先輩の分なんで!! 美味しかったです♪ ごちそーさまでした!」

 俺の言葉を遮るように言うと最側はふたたびベッドにダイブした。

 自由だ。こいつはほんとに……自由だ。俺の気もしらないで。


『あぁ~、リク……。わかっちゃったかもしれん。これは……』

 少し暗めのトーンでガッカリした様子をみせる妖精さん。

『なんだよ突然? もったいぶらずに教えてくれよ』
『ふむ……。たぶん、最側ちゃんはリクのことを女友達のように思ってるのかもしれん』

 女……? 友達……?

 あぁ、そうか。
 不思議と繋がった。今までの意味不明な行動、言動。なんだよ、そういうことかよ。

 友達なんだろうな。とは薄々勘付いていたけど、女友達か。男友達じゃなくて、女友達……。

『はははっ。合点がいく。さすがは妖精さんだよ』

 なんだろうこの気持ち。俺にはちほが居るのに、彼女が居るのに……どうしてこんなにも胸が苦しくなるんだ。ふざけんな。


 ──ふざけんなよ俺!!
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