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77話
しおりを挟むトントン。
「入ってもいいか?」
いや、これは何かがおかしい。
ここは俺の部屋。なぜ、ノックをした?
「はーい、いいですよー! 遠慮なくー!」
ガチャン。
って、最側おまえ……なんで我がもの面でくつろいでるんだよ。
「わぁ、美味しそー!!」
勢いよくベッドから飛び上がり、俺が持つ〝妖精さんおもてなしセット〟のトレイを覗き込んできた。
アップルティーとモンブラン。
「ありがとうございますっ。先輩ってこういうところズルイですよねー」
「別に普通だろ。来客なわけだし」
「えー、そうですかぁ? 気が利くって言うか嗜んでると言うかぁー」
御礼なら妖精さんに言ってくれ。とは言えないから、なんだかムズ痒い。
今日は色々疲れたな。……はぁ。
「あれ……先輩の分は……? あー、ていうか先輩! 早くお風呂入らないと風邪引いちゃいますよっ。わたしの事なんか後回しでいいのに」
おまえも大概、そういうところだよ。ズルイ。
考えても仕方ない。風呂入るか。
──ガチャン。
◆
『なぁ、リク。遠慮しなくてもいいんじゃぞ?』
『遠慮……?』
なにやら申し訳なさそうにする妖精さん。なんだろう。どうしたっていうんだよ。
『家には二人きり。風呂に入るなら、最側ちゃんに背中くらい流してもらったらどうじゃ?』
バ、バカヤロウ!!
この誤解は早急に解かなければならないっ!
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