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第二章
幸せと痛み
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恐る恐る電話に出た。
震えた声で一言
「もしもし?松下さん、だっけ」
僕、マジで最低だ。
松下さんから電話がかかってきてるのはわかってるのに、なんでだっけなんか言うんだ。
嫌われた。
だけどそんな僕耳に入ってきたのは明るい声だった
「覚えててくれたんだね!朝早くだけど既読ついてたから、電話かけちゃった!」
裏表のない、はっきりした口調で話しかけられる。
いや、話し方より僕がなんて答えるかだ。
どうしよう。
なんと答えよう。
だめだ。何も思いつかない。
「あ、うん。そうなんだ。ごめん僕忙しいから。」
精一杯喉に力を入れて出した言葉だった。
忙しくなんかない。
もっと話したい
素っ気なく話して気を引きたい訳では無かった
慌てて訂正する言葉を考えた。
「ごめん。やっぱり忙しくない。」
側から見ておかしいだろ。
明らかに矛盾してる。
でもそれ以外何か言うことがあるか?
「そっか。ごめんね!次たくさん話そ!」
電話越しでも分かる相手の困惑感。
やってしまった。
切ってしまった。
ずっと望んでいたチャンスを自ら捨てた。
なんで僕はこんなん何だろうか。
今までうるさい陽キャたちにたくさん不満を抱いていたが、僕にそんな資格なかったようだ。
変われない。
人間失格だと自覚していたはずなのに、少しでも両思いであれと願ってしまっていた。
情けないな。僕。
どれだけ願っても、どれだけ変わっても、ないものねだりでしかない。
だけど僕は今まで努力しただろうか。
そもそも松下さんのことなんて全く知らないじゃないか。
今までの知り合いもそうだった。
いじめられてきた理由は、僕の根本的な問題だった。
「知らないのに知ってるような口調で話すなよ。気持ち悪い。」
胸が痛んだ。
失恋した兄を慰めようと
全く彼女のことを知らないのに
「お兄ちゃんの魅力が分からないなんてかわいそうだね。」
と彼女を貶してしまった。
受験勉強で忙しく別れたのに、何も悪くない彼女を何も知らない弟に貶されたのだ。
ボコボコにしたくなって当然だ。
他の知り合いもそんな理由で僕をいじめてきた。
それを隠せばいいのでは?
というよりか、僕の性格自体隠して仕舞えば好かれるのでは?
ストーリーには女性を女呼ばわりで、いかにもチャラそうなプロフィールにしてみた。
そしたらどうだろう。
一晩でフォロワーが100人以上増えた。
大半学校のDQNだった。
外見も何もかも変えた。
でも大事なのはDQN達の反応やフォロワーの数じゃない。
松下さんからの反応だ。予想通りメッセージが二件。
だけど、内容だけは違った。
「そんな感じだったっけ、 高橋くんって。」
「前の控えめな高橋くんの事、好きだったんだけどな。」
好き?
僕のことが?
変わったら好きになったくれるんじゃなくて、前が好きだった?
急いで全てのアカウントを消して、コンビニに足を走らせ黒に染め、ストーリに出す予定だった他の女子の写真も削除し、ピアスも外した。
鏡をみた。
こんな地味な奴が、松下さんは好きだったのか?
いや、揶揄われているだけなのか。
性格も何もかも、ダメ人間な僕が好きだったのか。
松下さんは本当の僕が好きだったのか。
僕は
僕は結局、好かれたいが為に自分を偽っていた。
でもそんな必要なかった。
辛さと幸せに溺れながらその日は眠りに落ちた。
震えた声で一言
「もしもし?松下さん、だっけ」
僕、マジで最低だ。
松下さんから電話がかかってきてるのはわかってるのに、なんでだっけなんか言うんだ。
嫌われた。
だけどそんな僕耳に入ってきたのは明るい声だった
「覚えててくれたんだね!朝早くだけど既読ついてたから、電話かけちゃった!」
裏表のない、はっきりした口調で話しかけられる。
いや、話し方より僕がなんて答えるかだ。
どうしよう。
なんと答えよう。
だめだ。何も思いつかない。
「あ、うん。そうなんだ。ごめん僕忙しいから。」
精一杯喉に力を入れて出した言葉だった。
忙しくなんかない。
もっと話したい
素っ気なく話して気を引きたい訳では無かった
慌てて訂正する言葉を考えた。
「ごめん。やっぱり忙しくない。」
側から見ておかしいだろ。
明らかに矛盾してる。
でもそれ以外何か言うことがあるか?
「そっか。ごめんね!次たくさん話そ!」
電話越しでも分かる相手の困惑感。
やってしまった。
切ってしまった。
ずっと望んでいたチャンスを自ら捨てた。
なんで僕はこんなん何だろうか。
今までうるさい陽キャたちにたくさん不満を抱いていたが、僕にそんな資格なかったようだ。
変われない。
人間失格だと自覚していたはずなのに、少しでも両思いであれと願ってしまっていた。
情けないな。僕。
どれだけ願っても、どれだけ変わっても、ないものねだりでしかない。
だけど僕は今まで努力しただろうか。
そもそも松下さんのことなんて全く知らないじゃないか。
今までの知り合いもそうだった。
いじめられてきた理由は、僕の根本的な問題だった。
「知らないのに知ってるような口調で話すなよ。気持ち悪い。」
胸が痛んだ。
失恋した兄を慰めようと
全く彼女のことを知らないのに
「お兄ちゃんの魅力が分からないなんてかわいそうだね。」
と彼女を貶してしまった。
受験勉強で忙しく別れたのに、何も悪くない彼女を何も知らない弟に貶されたのだ。
ボコボコにしたくなって当然だ。
他の知り合いもそんな理由で僕をいじめてきた。
それを隠せばいいのでは?
というよりか、僕の性格自体隠して仕舞えば好かれるのでは?
ストーリーには女性を女呼ばわりで、いかにもチャラそうなプロフィールにしてみた。
そしたらどうだろう。
一晩でフォロワーが100人以上増えた。
大半学校のDQNだった。
外見も何もかも変えた。
でも大事なのはDQN達の反応やフォロワーの数じゃない。
松下さんからの反応だ。予想通りメッセージが二件。
だけど、内容だけは違った。
「そんな感じだったっけ、 高橋くんって。」
「前の控えめな高橋くんの事、好きだったんだけどな。」
好き?
僕のことが?
変わったら好きになったくれるんじゃなくて、前が好きだった?
急いで全てのアカウントを消して、コンビニに足を走らせ黒に染め、ストーリに出す予定だった他の女子の写真も削除し、ピアスも外した。
鏡をみた。
こんな地味な奴が、松下さんは好きだったのか?
いや、揶揄われているだけなのか。
性格も何もかも、ダメ人間な僕が好きだったのか。
松下さんは本当の僕が好きだったのか。
僕は
僕は結局、好かれたいが為に自分を偽っていた。
でもそんな必要なかった。
辛さと幸せに溺れながらその日は眠りに落ちた。
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