どうしてあなただけ幸せなんですか?

ゆん2022

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二通目③

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10時近くに帰宅して、遅い夕食を食べる秀夫に、義母の電話の内容を伝えた。
「明日?うん、わかった。定時であがるよ」
今週はずっと遅くなると言っていたが、大丈夫なようでほっとする。
一人で義実家の夕食にお邪魔するのは、やはり気が重い。
「待ち合わせて、会社からまっすぐ行く?」
「いや、一度帰ってきて、ここから一緒に行こう。ユリも、着替えたいだろう?」
「うん、わかった。それじゃ、着くのは6時半ころかな?明日の朝、お義母さんに連絡しておくね」
「頼むよ」
ユリは特に着替えの必要を感じないが、秀夫はスーツだ。楽な服に着替えたいのだろう。

木曜日。それぞれ定時にあがった二人は、ほとんど同時に帰宅した。
すぐに着替えた秀夫の運転で、車で5分ほどの義実家に向かう。
「でもどうして、突然ちらし寿司なんだろう?卓也君の好物とか?」
ユリは秀夫の弟の名を口にした。
「あぁ、今日、母さんの誕生日だから」
「は?」
驚きで、大きな声が出た。
「あれ、知らなかった?だから、ちらし寿司なんだろ」
「ちょ、ちょっと待って!そんな大事なこと、聞いてないよ!」
「大事なことって…大げさだな」
ちっとも大げさなんかではない。つまり今日の夕食は、義母の誕生会に招待されたということではないか。
「ちょっと待ってよ!そうだ、ケーキ!ケーキ屋さんに寄って!」
「そんな気なんか使わなくっていいって。何か言われたわけじゃないだろ?」
この人は、本気で言ってるんだろうか。結婚して最初の姑の誕生会に招待されて、しかも当人の手料理をふるまわれるというのに、嫁が手ぶらで行けるとでも?
「いいから!どこでもいいから、ケーキ屋さんに寄って!寄ってくれなきゃ私、今日は行かない!」
無理やりケーキ屋に寄り、カットケーキを10ヶ程見繕った。ついでに少し遠回りして、大手チェーン店のフライドチキンも購入する。予定時間に10分ほど遅れて到着すると、食卓には予想通り、一人分ずつ盛られたちらし寿司と茶碗蒸し、すまし汁が、5人分セットされていた。
「遅くなってすみません」
「いいのよ、気にしないで。お仕事お疲れ様」
にこやかに義母が出迎えてくれる。
「母さん、これ」
「あらまぁ、ケーキ!チキンも!嬉しいわ、卓也の大好物よ。あなたたちのおかげで、食卓が一気に豪華になったわね」
「つまらないものですみません。あの…お誕生日、おめでとうございます…」
どう見ても間に合わせの手土産に小さくなりながら、ユリはお祝いの言葉を口にした。
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