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第1章
10ちび
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《ごっちぃ~ん!》
寝静まった深夜の住宅街に鈍い異音が響いた。
「きゃう~~~!」
いずみは狭い路地の曲がり角を曲がった途端に激突し、路上に仰向けに転がった。
験力*を使った全力疾走なので、ぶつかった相手はただでは済まない。
下手をしたら死に至らしめる危険性がある。
いずみは2秒程意識が飛んだが、すぐに立ち上がり恐る恐る状況を確認した。
「あれ? 水無月じゃん。こんな深夜にどうした?」
そこには如月湧が立ち上がりながら、不思議そうな顔で問いかけてきた。
「へ? 如月君? 今ぶつかったのは如月君?」
「ああ。でも他の人だったら大怪我してたぞ? 曲がり角では気をつけろよ」
「う、うん。…」
思わず“素”で応えてしまった。
「ところでコスプレか? それ? なんかカッコいいな」
と言って、湧はいずみを指差した。
「?」
いずみは何を言われてるか解らず、自分の身体を見下ろした。
いつもの巫女服風仕事着を着ていたのだ。しかも今の激突で胸元が開けていた。
「ぎゃあああ!」
両手で胸元を隠しつつ、しゃがみこんでしまう。
「コスプレじゃないわよぉ~! お仕事着なの! あなたと一緒にしないでっ!」
目尻に涙を溜めて睨みつける。
「へぇ~、こんな時間までお仕事って、巫女さんって大変なんだなぁ。まあ頑張って。それじゃまた学校で」
湧は、そう言って立ち去る。
「へ?」
いずみの怒りも驚きもサラっと受け流し、一人混乱したいずみだけがその場に置き去りにされてしまった。
「な、な、何なの? あれ??」
激突したのはいずみが悪いし、お務めじゃないのに仕事着着ていたのはいずみの勝手だし、それをコスプレと言われてもやむを得ない。非は全ていずみの方にあった。
それなのに…、いずみは理不尽な怒りを抑えきれなかった。
「(仕方ないじゃない、この方が動き易いし今の時間じゃないと人目があるし…って誰に言い訳してんのよ私ってば…)」
自分の行動は確かに口外できないけど、ああも見事にスルーされると返って苛立たしくなる。
「(…でも、如月君も何してたんだろ?…考えてみたら、慌てて立ち去った様にも思えるわね…)」
いずみと同じ、もしくはそれ以上の耐久力を備えるクラスメート。普通に考えたらそれだけでも充分に異常だ。何しろいずみやさくらは、道教の流れを汲む特殊な技や力を取得して、今の身体能力を得ている。
もし湧が同じ様に何らかの特殊な力を持っていなかったら…、そう考えると4階から飛んでも怪我一つしてないのは、実に怪しいことだ。
「(あ~、なんで今まで気付かなかったんだろ…。おかしすぎるじゃない…しかもこんな夜更けに出歩いてるし…)」
自分の事は棚の奥の方に投げ込んで、湧に対する疑惑に捕われていた。
「今度調べてみる必要がありそう…(ぶぎゃ!)」
「くっ! ち、ちびぃ~、いきなり人にのしかかるなぁ~」
考えに没頭していたため、いつの間にか日比谷稲荷神社の前まで来ていた。
“ちび”という、いずみが苦手な大型犬の霊にのしかかられるまで気付けなかった。
《べろん!》
「うきゃぁ! な、な、なめたぁ~~(涙)」
本物の犬に舐められたのと同じ様なくすぐったさを頬に感じた。
いずみは恐怖心を感じて、身体を硬くすると何故かちびは悲しそうに鳴いた。
「はへ? ち、ちび? あんた、もしかして…」
気付けばちびの重さを感じなくなり、見上げたちびの顔はバツの悪そうな顔をしている。
いずみがどうしてそんな風に感じたのかは判らない。でもちびは明らかに、いずみに拒絶されたことを悲しんでいたことが理解できた。
「そうか…ちび…寂しかったのね。そうとは気付かずに嫌がってごめんね」
いずみはそっとちびを抱きしめた。
ちびはうれしそうに一吠えして、再びいずみにのしかかった。
「ぐっ! こ、こらぁ~それやめ! く、くるしい~」
「ばう~!」
ハッと気付いて、ちびは立ち上がる。
意志が通じるのは便利だなぁと、心底思った。
「お前は生きてる時に寂しい思いをしてたんだね」
いずみはそっとちびの首を撫でてあげた。ちびは気持ち良さそうに目を細めた。
『霊は除霊するもの』『人の営みを阻害するもの』
幼い頃からそういう風に教わってきたいずみだ。
が、この数日色々な霊に出会って、霊に対する認識が揺らいでいた。
きっとこれだけの大型犬だ、散歩はともかく、大きな庭でも無ければこの辺りで飼うのは大変だったのかも知れない。
だから飼い主から疎まれていた可能性が高い。
いずみは勝手にストーリーを展開して、ちびを哀れんだ。
何度も除霊したにも関わらず、復活してきたちびだったが、今はいずみの手の温かさに満足して、徐々に光の泡になっていった。
〈すとん!〉
ちびに抱きついていたいずみは、ちびが消えた反動で地面に手をついた。
「ち…び……、そか…満足したんだね…、これでゆっくり休めるね…」
いずみの頬を止めどなく涙が流れた。
今晩はもうこれ以上何もできなかった。
翌日、いずみは登校前に日比谷稲荷神社にお参りに出かけた。
お賽銭を入れて手を合わせる。
何気なく祠を見ると、中にどこかの飼い犬らしい『チワワ』の写真が祀られていた。
(稲荷神社なのに犬絡みが多いわね…)といずみは思ったが、きつねもイヌ科なので間違っていないと気付き、一人で吹き出した。
そして、写真の中に“CHIBI”という文字を見つけた。
「…ち…び…? 同じ名前? まさかね…」
何かが引っかかって登校する間、色々考えてみたがモヤモヤするばかり。
仕方ないのでさくらに相談してみたら…
「ああ~あの犬ね。同じ町内だから知ってるわよ。で、早い話、あんたが苦手な“ちび”がそのワンちゃんだよ」
「え? ええっー!! だって大型犬じゃないの? ちびって」
嫌な予感は的中した。
「あんたがなんで怖がっているのか判らなかったから、詳しくは話さなかったけど…大型犬なんて誰が言ったの?」
さくらは不思議そうな顔をしてる。思い起こしてみれば、誰もちびが大型犬だと言ったことはなかった。
いずみのイメージが勝手に“ちび”を大型犬として、認識していただけだった。
「あのワンちゃんは、最初家の中で飼われてたけど、小型犬特有のキャンキャンって鳴き声で一日中鳴き通してうるさいから、飼い主が疲れちゃったのよ。そのうちベランダにガラスのケージを作って、そこに入れられたの」
「可哀想だけど、まあこの辺じゃやむを得ないのかな?」
「でもねぇ、散歩もろくに連れて行ってもらえなくなって、すぐに衰弱して死んじゃったみたい」
「…大型犬に絡むお話しは?」
「ないよ」
「ええっー? じゃあなんでちびは大型犬の霊になってたの?」
「…しらない…」
さくらはあっさり答える。もうあまり話したくないことが手に取る様に判った。
「私…昨夜ちびが甘えてきてたのは寂しかったからだと気付いて…やさしくしてあげたら…ちびがすっごくよろこんで…うれしそうに成仏したのよ…」
「……」
「だから、大型犬で散歩もろくに連れてってもらえず、かまってももらえなかったことが無念で浮遊霊になったんだと思ってた」
「…それ、ちびが言ったの? 違うよね? 思い込みが強いのは問題だよ」
「でも…でも、ちびはうれしそうにペロペロって……うう…私の純情がぁ! 私の涙がぁ!」
「だから…それはいずみの勝手な思い込みでしょ。って涙? 泣いたの?」
さくらはニンマリと悪そうな笑顔でいずみを覗き込む。
「泣いてないわよぉ! う~~~~ちびぃ! 私の感動を返せぇ!」
いずみは教室の窓から叫び声を上げた。
クラスメートたちは、5m以上離れたところから生暖かい目でいずみを見守っていた。
<つづく>
*験力 密教や修験道において厳しい修行の末、得られる力。魔法でいえばマナのような特別な力の源。本作では「魔(負)」に対する「方(正)」として、魔術ではなく方術の力として使用しています。
寝静まった深夜の住宅街に鈍い異音が響いた。
「きゃう~~~!」
いずみは狭い路地の曲がり角を曲がった途端に激突し、路上に仰向けに転がった。
験力*を使った全力疾走なので、ぶつかった相手はただでは済まない。
下手をしたら死に至らしめる危険性がある。
いずみは2秒程意識が飛んだが、すぐに立ち上がり恐る恐る状況を確認した。
「あれ? 水無月じゃん。こんな深夜にどうした?」
そこには如月湧が立ち上がりながら、不思議そうな顔で問いかけてきた。
「へ? 如月君? 今ぶつかったのは如月君?」
「ああ。でも他の人だったら大怪我してたぞ? 曲がり角では気をつけろよ」
「う、うん。…」
思わず“素”で応えてしまった。
「ところでコスプレか? それ? なんかカッコいいな」
と言って、湧はいずみを指差した。
「?」
いずみは何を言われてるか解らず、自分の身体を見下ろした。
いつもの巫女服風仕事着を着ていたのだ。しかも今の激突で胸元が開けていた。
「ぎゃあああ!」
両手で胸元を隠しつつ、しゃがみこんでしまう。
「コスプレじゃないわよぉ~! お仕事着なの! あなたと一緒にしないでっ!」
目尻に涙を溜めて睨みつける。
「へぇ~、こんな時間までお仕事って、巫女さんって大変なんだなぁ。まあ頑張って。それじゃまた学校で」
湧は、そう言って立ち去る。
「へ?」
いずみの怒りも驚きもサラっと受け流し、一人混乱したいずみだけがその場に置き去りにされてしまった。
「な、な、何なの? あれ??」
激突したのはいずみが悪いし、お務めじゃないのに仕事着着ていたのはいずみの勝手だし、それをコスプレと言われてもやむを得ない。非は全ていずみの方にあった。
それなのに…、いずみは理不尽な怒りを抑えきれなかった。
「(仕方ないじゃない、この方が動き易いし今の時間じゃないと人目があるし…って誰に言い訳してんのよ私ってば…)」
自分の行動は確かに口外できないけど、ああも見事にスルーされると返って苛立たしくなる。
「(…でも、如月君も何してたんだろ?…考えてみたら、慌てて立ち去った様にも思えるわね…)」
いずみと同じ、もしくはそれ以上の耐久力を備えるクラスメート。普通に考えたらそれだけでも充分に異常だ。何しろいずみやさくらは、道教の流れを汲む特殊な技や力を取得して、今の身体能力を得ている。
もし湧が同じ様に何らかの特殊な力を持っていなかったら…、そう考えると4階から飛んでも怪我一つしてないのは、実に怪しいことだ。
「(あ~、なんで今まで気付かなかったんだろ…。おかしすぎるじゃない…しかもこんな夜更けに出歩いてるし…)」
自分の事は棚の奥の方に投げ込んで、湧に対する疑惑に捕われていた。
「今度調べてみる必要がありそう…(ぶぎゃ!)」
「くっ! ち、ちびぃ~、いきなり人にのしかかるなぁ~」
考えに没頭していたため、いつの間にか日比谷稲荷神社の前まで来ていた。
“ちび”という、いずみが苦手な大型犬の霊にのしかかられるまで気付けなかった。
《べろん!》
「うきゃぁ! な、な、なめたぁ~~(涙)」
本物の犬に舐められたのと同じ様なくすぐったさを頬に感じた。
いずみは恐怖心を感じて、身体を硬くすると何故かちびは悲しそうに鳴いた。
「はへ? ち、ちび? あんた、もしかして…」
気付けばちびの重さを感じなくなり、見上げたちびの顔はバツの悪そうな顔をしている。
いずみがどうしてそんな風に感じたのかは判らない。でもちびは明らかに、いずみに拒絶されたことを悲しんでいたことが理解できた。
「そうか…ちび…寂しかったのね。そうとは気付かずに嫌がってごめんね」
いずみはそっとちびを抱きしめた。
ちびはうれしそうに一吠えして、再びいずみにのしかかった。
「ぐっ! こ、こらぁ~それやめ! く、くるしい~」
「ばう~!」
ハッと気付いて、ちびは立ち上がる。
意志が通じるのは便利だなぁと、心底思った。
「お前は生きてる時に寂しい思いをしてたんだね」
いずみはそっとちびの首を撫でてあげた。ちびは気持ち良さそうに目を細めた。
『霊は除霊するもの』『人の営みを阻害するもの』
幼い頃からそういう風に教わってきたいずみだ。
が、この数日色々な霊に出会って、霊に対する認識が揺らいでいた。
きっとこれだけの大型犬だ、散歩はともかく、大きな庭でも無ければこの辺りで飼うのは大変だったのかも知れない。
だから飼い主から疎まれていた可能性が高い。
いずみは勝手にストーリーを展開して、ちびを哀れんだ。
何度も除霊したにも関わらず、復活してきたちびだったが、今はいずみの手の温かさに満足して、徐々に光の泡になっていった。
〈すとん!〉
ちびに抱きついていたいずみは、ちびが消えた反動で地面に手をついた。
「ち…び……、そか…満足したんだね…、これでゆっくり休めるね…」
いずみの頬を止めどなく涙が流れた。
今晩はもうこれ以上何もできなかった。
翌日、いずみは登校前に日比谷稲荷神社にお参りに出かけた。
お賽銭を入れて手を合わせる。
何気なく祠を見ると、中にどこかの飼い犬らしい『チワワ』の写真が祀られていた。
(稲荷神社なのに犬絡みが多いわね…)といずみは思ったが、きつねもイヌ科なので間違っていないと気付き、一人で吹き出した。
そして、写真の中に“CHIBI”という文字を見つけた。
「…ち…び…? 同じ名前? まさかね…」
何かが引っかかって登校する間、色々考えてみたがモヤモヤするばかり。
仕方ないのでさくらに相談してみたら…
「ああ~あの犬ね。同じ町内だから知ってるわよ。で、早い話、あんたが苦手な“ちび”がそのワンちゃんだよ」
「え? ええっー!! だって大型犬じゃないの? ちびって」
嫌な予感は的中した。
「あんたがなんで怖がっているのか判らなかったから、詳しくは話さなかったけど…大型犬なんて誰が言ったの?」
さくらは不思議そうな顔をしてる。思い起こしてみれば、誰もちびが大型犬だと言ったことはなかった。
いずみのイメージが勝手に“ちび”を大型犬として、認識していただけだった。
「あのワンちゃんは、最初家の中で飼われてたけど、小型犬特有のキャンキャンって鳴き声で一日中鳴き通してうるさいから、飼い主が疲れちゃったのよ。そのうちベランダにガラスのケージを作って、そこに入れられたの」
「可哀想だけど、まあこの辺じゃやむを得ないのかな?」
「でもねぇ、散歩もろくに連れて行ってもらえなくなって、すぐに衰弱して死んじゃったみたい」
「…大型犬に絡むお話しは?」
「ないよ」
「ええっー? じゃあなんでちびは大型犬の霊になってたの?」
「…しらない…」
さくらはあっさり答える。もうあまり話したくないことが手に取る様に判った。
「私…昨夜ちびが甘えてきてたのは寂しかったからだと気付いて…やさしくしてあげたら…ちびがすっごくよろこんで…うれしそうに成仏したのよ…」
「……」
「だから、大型犬で散歩もろくに連れてってもらえず、かまってももらえなかったことが無念で浮遊霊になったんだと思ってた」
「…それ、ちびが言ったの? 違うよね? 思い込みが強いのは問題だよ」
「でも…でも、ちびはうれしそうにペロペロって……うう…私の純情がぁ! 私の涙がぁ!」
「だから…それはいずみの勝手な思い込みでしょ。って涙? 泣いたの?」
さくらはニンマリと悪そうな笑顔でいずみを覗き込む。
「泣いてないわよぉ! う~~~~ちびぃ! 私の感動を返せぇ!」
いずみは教室の窓から叫び声を上げた。
クラスメートたちは、5m以上離れたところから生暖かい目でいずみを見守っていた。
<つづく>
*験力 密教や修験道において厳しい修行の末、得られる力。魔法でいえばマナのような特別な力の源。本作では「魔(負)」に対する「方(正)」として、魔術ではなく方術の力として使用しています。
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