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第四話
野良犬並みの食生活
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「サセン!? でするのっ?!」
「ほぅ? 面白い言葉を知っているじゃないか?」
デッドの動揺には構わず、リッチは微笑みながらーーと言っても見た目が骸骨なので分かりにくいが…ーー、静かに返答した。
「そんなのやでするっ!」
デッドは“アースガルド”に響き渡る精神波で絶叫した。
ここはデッドたちが住まう世界“アースガルド”。
人間たちから神々が住まう所と言われ、“ミッドガルド”と呼ばれる人間界(物質世界)と死後の世界“ヘブンズガルド(霊界)”を統括している。
「最近、人間界は自己中心的な魂が蔓延し、些細なことで啀み合いが発生している。もっとも人間同士のトラブルは我々の預かりしれないことであるが…」
デッドがそっぽを向いているのにも構わず、リッチは続けた。
「なんでもスマホとかいう通信機器の操作に夢中で、他人との接触や所構わず立ち止まることでトラブルが起こるそうなのだが…」
これ見よがしにデッドは両手の人差し指を耳に突っ込んで、明後日の方を向いている。
人間ならこれで多少は話が聞きにくくなるのだろうが、元々精神的会話なので全く意味がない。
デッドは口を尖らせてブツブツ言っている。
「そんなの全部、次元の狭間に叩き込んでしまえばいいでするの…ブツブツ…」
「その通りだ。ただ、ヘブンズガルドは生前に人間の魂にこびりついた灰汁をこそぎとってエネルギーにしていることは知ってるだろう。それが無くなるとヘブンズガルドそのものが崩壊する」
ミッドガルドとは人間たちが暮らす物質世界であり、霊体・幽体・肉体の三位一体の世界を指す。
霊体はいわゆる魂で、その人間の人格のことだ。幽体は霊体と肉体をつなぐ役割を果たす。
幽体が正常なら霊体は思い通りに肉体を操ることができる。
一人の人間が生きて行く間に構築された性格や、感情は魂に刻み込まれ、記憶は澱(おり)のように魂の周りにこびりつく。
死後、ヘブンズガルドではその澱(灰汁)をこそぎとって、魂が再生する準備を行う。
その澱こそがヘブンズガルドのエネルギー源なのだ。
「知ってるでするの…そんなこと」
「ところが…だ。自己中心的な魂は、全ての悪行は自分の責任ではないと思い込み、ヘブンズガルドでの魂の浄化を拒絶している。さらに他の魂まで巻き込んで浄化再生を妨害し始めたのだ」
生前の善行悪行の全てにおいて他人事のように無関心で、転生のための仕業を拒絶する。
今やヘブンズガルドは自己中心的な魂の坩堝と化し、混沌とした欲望まみれの正に地獄と成り下がっていた。
「ああ~そうでするのねぇ。だから最近、ヘブンズガルドの様子がおかしかったんでするね~」
「そういうことだ。これ以上自己中心的な魂の流入を阻止しなくてはならないのだ」
「大変でするね~」
「そうだろう。わかるだろう。じゃあ話が早い。お前たちアポストロス(使徒)には、人間界に降りて自己中心的な魂の選別と殲滅を命じる」
「やでする」
「自己中心的な魂って言いにくいな。エゴセンティック魂とでも呼ぶか…、略して“エゴ魂(えごたま)”。…おお、この方がしっくりくるな」
「行かないでするの」
「なお、ミッドガルドに留めておくわけにもいかないので、“エゴ魂”認定した個体は、他者の記憶とともに次元の狭間に飛ばし、二度と復活しないように処分すること」
デッドはそっぽを向いている。
「では、頑張って…、…さっき“サセン”とか言ってたな。そういう扱いにしてもいいぞ」
「職権乱用でするの!」
リッチは辺りを凍らせながら冷たい声で…、
「さっさといかんかぁ!」
と叫んで、デッドを転送ホールに叩き込んだ。
「まぁ~~たく。自己中って言ったって、人間なんてみんな自己中でするの」
デッドは多くの人が行き来する駅のベンチに座って、人間観察をしていた。
「適当に始末してしまえばいいでするね。あ、あの狭い通路に立ってスマホやってるやつ“エゴ魂”認定。ジャマいから線路にポイ!」
<キキキキキキっー! ファァ~ン!!>
ーボキボキー
『きゃああああ! 人がぁ!』
「いっちょ上がり! でするぅ!」
デッドは人々の認識から姿を消し、屋根のヘリにちょこんと座って、様子を見ていた。
『ばっかものっ! 死なせてどうするっ!』
「<プギャッ!>」
目の前に突如リッチが現れ、デッドを叩き落とした。
「痛いでするのっ! 何するでするかっ!」
すぐに戻ってきて、リッチに喰ってかかる。
「私の話を全然聞いてなかったなっ! ヘブンズガルドに送ってどうするのだっ!」
リッチは窪んだ眼孔の奥に真っ赤な光を灯し、デッドを睨みつけた。
「わわわ、聞いてまするの! エゴたま消去せよってことでするね(汗)」
「…おい、ごらっ!」
リッチは頭を抱えた。
デッドたちは、“ミッドガルド”で役目を終え、死後に霊となった人間が転生する“ヘブンズガルド”への転移を司っている。人間たちから“死神”と呼ばれている所以だ。
人間からは“天国”や“地獄”と呼ばれているが、実は同じものであり、死後は全て“ヘブンズガルド”に転移する。
だから本来は“死神”も“天使”も同じなので、デッドたちばかりを恐れるのは理不尽だ。
「“エゴ魂”がヘブンズガルドに転移すると、転生のための浄化が行われないばかりか、伝染するように“エゴ魂”が増殖していると言ったはずだが…」
「え~、次元の狭間に飛ばすのめんどいでするの」
通常はデッド達が指定すれば、その魂は肉体を離れてヘブンズガルドへ転移される。
残された肉体はその時点で全ての機能を停止する。
病気の場合はそのまま放置しておくが、健康体の場合は肉体から霊体と幽体を取り出すために、事故に逢わせる。
ところが次元の狭間に飛ばすためには、あらかじめ門を開いておかなければならないのだ。
その手順が結構面倒で、しかも次元の狭間というのはどこにでも開けるわけではないのだった。
「お前が今ヘブンズガルドに送った“エゴ魂”は私が処分しておく。今後はしっかり見極めて処理するように…」
「へいへいでするのぉ~」
「…」
リッチは何か考え込むように腕を組み…、
「一定の期間に効果がなければ、永久に人間界の担当に“サセン”してやってもいいぞ」
「げ! それは嫌でするぅ~」
「だったら、きちんと“エゴ魂”を処理せよ」
そう告げると、リッチは霧散するように消えた。
「“エゴ魂”って言ってもどうやって、区別したらいいんでするのぉ!」
デッドは遠吠えのように夕焼けに吠えた。
翌朝、デッドは人間の姿で駅前をウロウロしていた。
以前、人間界に降りた時とは比べものにならないほど、辺り一面がゴミだらけだった。
「な、なんでするの? このゴミの山は…」
デッドが呆れているのは、歩道のあちこちにコンビニの弁当ガラやおにぎりの包みが投げ捨てられていることだった。
「単にごみの山ではなくて、まるで歩きながら食べて…」
と、つぶやいていたデッドの目の前を、OLが大口開けてサンドウィッチを頬張り、一口で食べ終わる。すると何のリアクションもなく、その手からサンドウィッチの包みが地面に落ちた。
「食べ終わったら、そのままポイでするかっ!」
その横では、ペットボトルでお茶を飲んでいた男が、まだ飲みきっていないボトルをガードレールの上に置いていった。
「…ま、まるで、野良犬や野良猫が残飯漁ってるみたいでする。食べ終わったら入れ物を捨てるという意識すらないのでするねぇ」
ここまで、モラルの低下というよりノーモラルだと、本人は罪の意識すらないだろう。
ゴミの種類、量に関わらず、不法投棄という立派な法律があるが、“エゴ魂”には理解できないだろう。
「こりゃあ、人間界がゴミだらけになることは構わないでするが、“エゴ魂”見つけるのには使えるでする」
デッド達は食事をするという概念はない。ただ、肉体を得ている状態では最低限のエネルギー摂取が必要(物質としての体を動かすため)なので、食べる真似事はする。
しかし、屋外での摂取は汚れが同時に入り込む可能性があるため、決して屋外では食べない。
それは人間も同じはずなのだが、雑菌を取り込むより“エゴ魂”をばらまく方が強いのかもしれない。
「では、さっきのOLやペット男は狭間へポイでする」
その日デッドは、駅前でゴミを捨てた人間を次々“次元の狭間”にポイしまくった。
日本の人口が局所的に激減したのは言うまでもない。
<デッド(死神)ちゃんが怒ってるー第4話 終わり>
「ほぅ? 面白い言葉を知っているじゃないか?」
デッドの動揺には構わず、リッチは微笑みながらーーと言っても見た目が骸骨なので分かりにくいが…ーー、静かに返答した。
「そんなのやでするっ!」
デッドは“アースガルド”に響き渡る精神波で絶叫した。
ここはデッドたちが住まう世界“アースガルド”。
人間たちから神々が住まう所と言われ、“ミッドガルド”と呼ばれる人間界(物質世界)と死後の世界“ヘブンズガルド(霊界)”を統括している。
「最近、人間界は自己中心的な魂が蔓延し、些細なことで啀み合いが発生している。もっとも人間同士のトラブルは我々の預かりしれないことであるが…」
デッドがそっぽを向いているのにも構わず、リッチは続けた。
「なんでもスマホとかいう通信機器の操作に夢中で、他人との接触や所構わず立ち止まることでトラブルが起こるそうなのだが…」
これ見よがしにデッドは両手の人差し指を耳に突っ込んで、明後日の方を向いている。
人間ならこれで多少は話が聞きにくくなるのだろうが、元々精神的会話なので全く意味がない。
デッドは口を尖らせてブツブツ言っている。
「そんなの全部、次元の狭間に叩き込んでしまえばいいでするの…ブツブツ…」
「その通りだ。ただ、ヘブンズガルドは生前に人間の魂にこびりついた灰汁をこそぎとってエネルギーにしていることは知ってるだろう。それが無くなるとヘブンズガルドそのものが崩壊する」
ミッドガルドとは人間たちが暮らす物質世界であり、霊体・幽体・肉体の三位一体の世界を指す。
霊体はいわゆる魂で、その人間の人格のことだ。幽体は霊体と肉体をつなぐ役割を果たす。
幽体が正常なら霊体は思い通りに肉体を操ることができる。
一人の人間が生きて行く間に構築された性格や、感情は魂に刻み込まれ、記憶は澱(おり)のように魂の周りにこびりつく。
死後、ヘブンズガルドではその澱(灰汁)をこそぎとって、魂が再生する準備を行う。
その澱こそがヘブンズガルドのエネルギー源なのだ。
「知ってるでするの…そんなこと」
「ところが…だ。自己中心的な魂は、全ての悪行は自分の責任ではないと思い込み、ヘブンズガルドでの魂の浄化を拒絶している。さらに他の魂まで巻き込んで浄化再生を妨害し始めたのだ」
生前の善行悪行の全てにおいて他人事のように無関心で、転生のための仕業を拒絶する。
今やヘブンズガルドは自己中心的な魂の坩堝と化し、混沌とした欲望まみれの正に地獄と成り下がっていた。
「ああ~そうでするのねぇ。だから最近、ヘブンズガルドの様子がおかしかったんでするね~」
「そういうことだ。これ以上自己中心的な魂の流入を阻止しなくてはならないのだ」
「大変でするね~」
「そうだろう。わかるだろう。じゃあ話が早い。お前たちアポストロス(使徒)には、人間界に降りて自己中心的な魂の選別と殲滅を命じる」
「やでする」
「自己中心的な魂って言いにくいな。エゴセンティック魂とでも呼ぶか…、略して“エゴ魂(えごたま)”。…おお、この方がしっくりくるな」
「行かないでするの」
「なお、ミッドガルドに留めておくわけにもいかないので、“エゴ魂”認定した個体は、他者の記憶とともに次元の狭間に飛ばし、二度と復活しないように処分すること」
デッドはそっぽを向いている。
「では、頑張って…、…さっき“サセン”とか言ってたな。そういう扱いにしてもいいぞ」
「職権乱用でするの!」
リッチは辺りを凍らせながら冷たい声で…、
「さっさといかんかぁ!」
と叫んで、デッドを転送ホールに叩き込んだ。
「まぁ~~たく。自己中って言ったって、人間なんてみんな自己中でするの」
デッドは多くの人が行き来する駅のベンチに座って、人間観察をしていた。
「適当に始末してしまえばいいでするね。あ、あの狭い通路に立ってスマホやってるやつ“エゴ魂”認定。ジャマいから線路にポイ!」
<キキキキキキっー! ファァ~ン!!>
ーボキボキー
『きゃああああ! 人がぁ!』
「いっちょ上がり! でするぅ!」
デッドは人々の認識から姿を消し、屋根のヘリにちょこんと座って、様子を見ていた。
『ばっかものっ! 死なせてどうするっ!』
「<プギャッ!>」
目の前に突如リッチが現れ、デッドを叩き落とした。
「痛いでするのっ! 何するでするかっ!」
すぐに戻ってきて、リッチに喰ってかかる。
「私の話を全然聞いてなかったなっ! ヘブンズガルドに送ってどうするのだっ!」
リッチは窪んだ眼孔の奥に真っ赤な光を灯し、デッドを睨みつけた。
「わわわ、聞いてまするの! エゴたま消去せよってことでするね(汗)」
「…おい、ごらっ!」
リッチは頭を抱えた。
デッドたちは、“ミッドガルド”で役目を終え、死後に霊となった人間が転生する“ヘブンズガルド”への転移を司っている。人間たちから“死神”と呼ばれている所以だ。
人間からは“天国”や“地獄”と呼ばれているが、実は同じものであり、死後は全て“ヘブンズガルド”に転移する。
だから本来は“死神”も“天使”も同じなので、デッドたちばかりを恐れるのは理不尽だ。
「“エゴ魂”がヘブンズガルドに転移すると、転生のための浄化が行われないばかりか、伝染するように“エゴ魂”が増殖していると言ったはずだが…」
「え~、次元の狭間に飛ばすのめんどいでするの」
通常はデッド達が指定すれば、その魂は肉体を離れてヘブンズガルドへ転移される。
残された肉体はその時点で全ての機能を停止する。
病気の場合はそのまま放置しておくが、健康体の場合は肉体から霊体と幽体を取り出すために、事故に逢わせる。
ところが次元の狭間に飛ばすためには、あらかじめ門を開いておかなければならないのだ。
その手順が結構面倒で、しかも次元の狭間というのはどこにでも開けるわけではないのだった。
「お前が今ヘブンズガルドに送った“エゴ魂”は私が処分しておく。今後はしっかり見極めて処理するように…」
「へいへいでするのぉ~」
「…」
リッチは何か考え込むように腕を組み…、
「一定の期間に効果がなければ、永久に人間界の担当に“サセン”してやってもいいぞ」
「げ! それは嫌でするぅ~」
「だったら、きちんと“エゴ魂”を処理せよ」
そう告げると、リッチは霧散するように消えた。
「“エゴ魂”って言ってもどうやって、区別したらいいんでするのぉ!」
デッドは遠吠えのように夕焼けに吠えた。
翌朝、デッドは人間の姿で駅前をウロウロしていた。
以前、人間界に降りた時とは比べものにならないほど、辺り一面がゴミだらけだった。
「な、なんでするの? このゴミの山は…」
デッドが呆れているのは、歩道のあちこちにコンビニの弁当ガラやおにぎりの包みが投げ捨てられていることだった。
「単にごみの山ではなくて、まるで歩きながら食べて…」
と、つぶやいていたデッドの目の前を、OLが大口開けてサンドウィッチを頬張り、一口で食べ終わる。すると何のリアクションもなく、その手からサンドウィッチの包みが地面に落ちた。
「食べ終わったら、そのままポイでするかっ!」
その横では、ペットボトルでお茶を飲んでいた男が、まだ飲みきっていないボトルをガードレールの上に置いていった。
「…ま、まるで、野良犬や野良猫が残飯漁ってるみたいでする。食べ終わったら入れ物を捨てるという意識すらないのでするねぇ」
ここまで、モラルの低下というよりノーモラルだと、本人は罪の意識すらないだろう。
ゴミの種類、量に関わらず、不法投棄という立派な法律があるが、“エゴ魂”には理解できないだろう。
「こりゃあ、人間界がゴミだらけになることは構わないでするが、“エゴ魂”見つけるのには使えるでする」
デッド達は食事をするという概念はない。ただ、肉体を得ている状態では最低限のエネルギー摂取が必要(物質としての体を動かすため)なので、食べる真似事はする。
しかし、屋外での摂取は汚れが同時に入り込む可能性があるため、決して屋外では食べない。
それは人間も同じはずなのだが、雑菌を取り込むより“エゴ魂”をばらまく方が強いのかもしれない。
「では、さっきのOLやペット男は狭間へポイでする」
その日デッドは、駅前でゴミを捨てた人間を次々“次元の狭間”にポイしまくった。
日本の人口が局所的に激減したのは言うまでもない。
<デッド(死神)ちゃんが怒ってるー第4話 終わり>
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