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第19話 エドモントン~ナイアガラ

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 前夜エドモントンを夜行列車で発ち、早朝サスカトゥーン乗り換えで午前11時レジャイナ到着。サスカトゥーンからレジャイナまでの車窓からの景色は無限の畑しか見えない。カナダと言えば手つかずの大自然とロッキー山脈のイメージが強いがここらでは農耕が盛んなのであろう。

 レジャイナからはグレイハウンドのバスでウィニペグへ。ここではプレイリードッグを見たかったのでアシナボインパーク動物園に行ってみた。ドッグと言ってもリスの仲間であり、大きな地リスといった感じ。
 レジャイナからは列車で大都市トロントへ。首都はオタワに譲るも、トロントはカナダ第一の商業都市である。夜行列車で翌朝到着とばかり思っていたら、何と車中泊は2泊だった。どおりで乗車券・寝台券が高いはずだ。流石に車中では退屈した。"Anne of Green Gables"  を手元に置いとけば良かった。

 8月15日。
 バンフを発ってから宿泊は殆どYMCAにしているが、トロントのYMCAは従業員がひどく不愛想だ。日本人に対してのみか⁉
 (まさか中国人と思われているんではないだろうな? この頃はそんな疑念を抱くことはなかった。後になって、いろいろと…)
 世界一広いと言われる博物館に行ってみた。宝石がとても美しい。女性ならいつまでも見飽きないのではないだろうかと思う。
 夕食は日本の店 ”日本の味” で刺身を注文した。値段も手ごろで美味しい。日本人の男女一人ずつ、それに何故か中国人の女性が一人働いていた。
 
 豪邸カサ・ロマ、オンタリオ美術館の帰りに立ち寄った図書館に、"Computer Center of the Library Automation System" と言うフロアがあったので行ってみたが、フロントの女性は中には入れてくれなかった。図書館の書物の入出庫、貸出、返却、書庫管理…etc. のシステム全般の管理をしているコンピューター室かな⁉

 翌日、パイオニア・ヴィレッジを訪れた。カルガリーのヘリテージ公園に似た感じだったが、こちらの方が圧倒的に魅力的。特に昔の農民生活を再現した農家、農具、それに農民に扮した従業員が興味を引き、一世紀ほど前にタイム・スリップしたみたいだった。

 8月18日。
 グレイハウンドのバスでナイアガラにやってきた。私にはやはり大都市よりも大自然の方が良い。ここでもYMCAに宿泊するつもりで1時間20分歩いて訪ねたが、泊めてもらえなかった。レクレーションのみで宿泊設備はないようだ。アメリカ滝側にあるツーリストルームに宿泊できたが、わりかし良い部屋で結果オーライ。
 カナダ側の滝は写真で見た通り見事な美しさである。とりわけ、ライトアップされた夜間は何とも言えない美しさだ。

 夕方にナイアガラ博物館に行ってみた。先ず目を引いたのは3000年前のエジプトのミイラと頭部が2つある動物の剥製だが、少々気味が悪かった。ミイラは兎も角、動物は本物なのだろうか⁉

 最も興味を引いたのは ”ナイアガラの滝下りの歴史” である。バンフのボウ滝の滝下りなら自分もやってみたいが、こいつは流石に御免だ。正式には滝落ちであろう、垂直なんだから。これまでに7人がワイン樽や自作の樽で挑戦しているようだ。結果は4勝3敗のようです。今は流石に禁止になっているようですが。

(*その後、禁止になってても罰金払って挑戦する素晴らしい輩もかなりいたようです。Google博士によりますと、11勝5敗のようで、生存者が死亡者を上回っておるようです。中には自殺しようとして生存した御仁もいるとの事。又、事故で滝に落ちた坊やも生存したようなので、樽に入るより生身で挑戦した方が良いかも。その方が、スリリングでしょうし、私はこちらを推薦します)

 翌日、ナイアガラの滝を下から見学する観光船に乗ってみたが、滝の飛沫でよく見えなくつまらない。借りていたレインコートは当然の如くずぶ濡れ。一方、地下ケーブルからも見学ができ、こちらはゆっくりできてまあまあ良かった。
 
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