【本編完結、番外編は随時更新】愛のない政略結婚のはずがいつからか旦那様がグイグイきてどうしていいのかわからないのですが

asamurasaki

文字の大きさ
80 / 99
番外編

パトリシアの人生 4

しおりを挟む




結果から言うとアルは確かに領地に視察にやってきたけど、1日で帰ってしまった。

それもうちの邸に泊まるのではなく領地にある宿屋に泊まって帰って行った。

お父様から聞いたけど、『我らの邸などでの宿泊の予定はないので準備などする必要なし』との通達があらかじめ届いていたんだって。

国家事業ってやつだから前世でもあった接待っていうやつは受けないよ!ってことなんだろうけど、アニメではそんなとこ出てこなかったけど同じだったのかな?
知らなかったわ。

私同じ邸の中にアルも泊まるんだ!食事も一緒にして夜もいろいろとお話出来るかも?とか凄く楽しみにしてたのに!

真面目かよ!


アルたちが到着して私たち家族と使用人全員でお出迎えをしてからすぐに応接室で堤防のことと、川の移動の話をお父様から聞いていたみたいだけど、侍女からお父様がアルが私にも話を聞きたいと言ってると聞いて、嬉しくてすぐ応接室に行ったわ。

私はそれをちゃんと予想していたんだ。
お父様には堤防を作って川を移動する計画をもっとしっかり詰めて詳しく決めていこうって言われたけど、私もそんなに具体的なことわかっていないから、そんなに詳しく説明出来なかったんだよね。

お父様はアルが来た時にどうすればいいのか?って焦っていたけど、私はアルと会うことがメインだし、私がアルに会ってから話せば何とかなると思ってたんだよね。
  
お出迎えだけじゃなくアルとお話したかったから思った通りになった。

この日の為に気合いを入れて髪型も化粧もちゃんとして、目一杯お洒落してお気に入りのドレスに宝石のついたアクセサリーとお気に入りの香りもつけて。

私が応接室の扉をノックして入った時、アルが私を見て一瞬鼻がピクッとして唇も少し動いたけど、表情を変えず挨拶もそこそこに。

「座ってくれたまえ」

と言ってさっさと治水工事について私に聞き取りをし始めたの。

おかしいわ。
アニメではアルは私を見て一瞬目を瞬いた後、顔を少し赤くして目を逸らすはずなのに、お出迎えのも時そうだったけど、お話している間も表情を変えないまま真顔で私に話を聞いてきた。

それに工事についてのことで、具体性がまったくない、先の展望も見えないからこのままでは認められないと言われてしまった。  

良い案だと思ったのに。

「パトリシア嬢は素晴らしいね」

ってアルに言ってもえると思ったのに。

そして川が氾濫した所へお父様と私と一緒に行ったのだけど、終始一緒にいる文官たちと話し込んでろくに私と話もしてくれないし顔も合わせようともしないままあっさり帰ってしまったの。
 
いったいどういことよ!
アニメとは全然違う展開だわ!
アルは私に全然興味を持っていないみたいだった。

それどころか治水工事の話の時なんか呆れたように少し苦笑いしていたわ。

全然アニメで私に会った時のあの甘い美しい笑顔や照れた可愛い顔を見せてくれなかった。

アルの誕生日パーティーの時もそうだっけど、アルは私のこと何とも思ってないようだったわ。

何で?何故よ?

ナターシャも全然雰囲気が違ったし…
もしかしてナターシャも転生者なの?

それだったらアニメと展開が全然違ってきていることがわかるわ。   
バグよ!バグってるんだわ!

ちょっと待ってよ!
このままじゃ私アルの側妃になること出来ないじゃない!

何よ!ナターシャが邪魔してるの!

待って!どうすればいいのよ?
このままじゃアルともう会えないかもしれないじゃない!

駄目よ!そんなこと。
もう一度アルに会わないと。

ああ、アルが視察にくれば私のことを好きになると思い込んでいたから何もしなかったわ。

領地にアルがいる時に魅了を使えば良かった?
そこまでする必要はないと思ってたけど、ナターシャが転生者でバグが起こってるならちょっと魅了使ってみれば良かった。

瞳の継承者は精神干渉系も毒なども効かないはずだけど、どうなのかしら?

私なら大丈夫?
きっと私の顔はヒロインに似てるからアルのタイプなはずよね?
元から好みだったら魅了効きやすかったりするかな?
それならちょっと魅了使えば良かったのかも。
そしたらすぐ会いにきてくれたかもしれないよね?

私は選ばれた特別な人間よね?
それなら私の魅了ならアルにも効くはずだよね?
やっておけば良かった。

私はこの世界に起こる悲劇を未然に防ぐ為に転生したはずだわ。

それなら私がナターシャというバグを何とかしてアルと恋に落ちてアニメ通りに私が側妃にならなければ!

私はお父様にもう一度と治水工事の件でアルと話したいことを何度も言って説得したわ。

私があまりに何度も言うからお父様は根負けして、陳情書を送ると言ってくれた。

もうそれに賭けるしかない!
私が王宮に行ってアルと会って魅了でも何でもかけて私を見てもらうようにしなくちゃ!

それはきっかけよ。
ちょっとアニメとは違うけど、ナターシャがいろいろ壊してくれたんだから私が元に戻さないと!


お父様が陳情書を送ってみると言ってから数ヶ月後にアルがお父様と私にもう一度話を聞いてくれることになって、お父様と私は王宮に行くことになった。

やっぱり私はバグを潰す為、そしてこの世界を救う為に必要な存在なんだわ。

私はこのままずっと王宮で暮らすつもりで、ありったけのドレスや宝石など馬車に積み込めるものは積んで王宮に向かった。

アルの側妃になったらアルが私費でこれでもかってくらい私にドレスや宝石をプレゼントしてくれるんだけど、いきなりそうなるかはわからないからドレスなど持っていけるだけ持っていこうと思ったの。


いったん王都のジェンバーネット伯爵家のタウンハウスハウスに到着してから3日経ってからアルの呼び出しがあってお父様と私は王宮に向かった。

王宮に到着してアルと文官と従者や護衛がいる中、お父様と私は王宮の応接室でアルと会った。

でもお父様と私の話を聞いたアルは治水工事の話は対して変わり映えしないと言って。

「この話はなかったことにしてもらうよ」

と言って渋い冷たい表情をして、早々に話を切り上げて部屋を出て行ってしまった。

駄目よ!
このままではもうアルに会えなくなってしまう。
アルが部屋を出て行ったのを追いかけて、話をしようとしたけど護衛が前に立ちはだかって阻んできた。

そこで私は思い切って。

「アルスタイン王太子殿下、王太子宮から執務を行なう宮に向かう渡り廊下から見える庭園に咲き誇る白百合は本当に美しいですね」
 
と言った。

すると私たちの間にいる護衛の肩が揺れて剣に手をかけた。

えっ?ちょっと何なの?この護衛。

私はビックリして一歩後ずさるとアルが護衛を制して声をかけてきた。

「ジェンバーネット伯爵令嬢、少し話をしようか」

やったぁ!アルが私と話をしたいって言ってくれたわ。

「はい!」

と返事して私はアルの少し後ろをついて行く。
その時に先程の護衛の方を振り向き、思いっきり睨んでやった。

護衛は鋭い瞳をより鋭くして私を睨み付けてきた。

本当にこの護衛何なのよ!
不敬じゃないの?
私伯爵令嬢よ!

私が側妃になったらクビにしてやるんだから。

アルは私が渡り廊下から見える庭園の白百合の話をしたからか、私をそこに連れてきてくれたわ。
そこにはアルと私の2人っきり。
先程の護衛は渡り廊下に出る前に待機をアルに命令されていた。

やっぱりアルは私のことが気になっているのよね?
心配していたけど、私に興味がないなんてことなかったんだわ。

本当は座ってお茶でも飲みながらゆっくり話したかったけど、アルがその渡り廊下で立ったまま話すので仕方ないわね。
   
私はこの時に私のことを興味持ってくれているんだろうけどもうひと押しと思って、アルの瞳を見つめながら少しだけ魅了の魔法を使ってみた。

王宮には学院同様に魔法制御の術がかけられているけど、アルは瞳の継承者だけど私ならやれると思ったの。

少しだけだから。
アルの為に、この世界の為だから。

私が魅了をかけるとアルは一瞬ハッとした顔をした。

どうかな?と思ったけどそれからアルが笑顔でいろいろと話を聞いてくれたの。

魅了が効いたんだと思った。

それからアルが私の話を聞いてくれるからいろんなこと話したわ。
アルはアニメのような柔らかな笑顔で私のことをずっと見つめてくれていた。

時間にしたら十分くらいだったけど、とても楽しかった。
この時間が永遠に続けばいいのにって思った。

でも楽しい時間はあっという間に終わってしまうのね。

渡り廊下での話が終わってから、アルは執務があるからと元いた応接室まで私を送ってくれて、そこでアルとは別れた。

その後すぐに従者らしき人がお父様と入ってきて、その従者らしき人に1時間程こちらでお茶を飲んでお待ち頂けますか?と言われた。

えっ?1時間も待つの? 
仕方なしにまた応接室に呼び戻されたお父様と待つことになったのだけど、1時間もあるなら王宮の中をいろいろと見に行けるかなと思って、お父様には少しの時間席を外すと言って出てきた。

「えっ?パトリシア?待ちなさい!」

お父様は焦っていたけど、私はそのままお父様の声を聞き流して外に出たわ。
部屋の外にいた護衛に「花を摘んできます」とトイレに行くという暗号を言うと。

「メイドにご案内させますので、お待ち下さい」

と言われてしまったわ。
メイドが一緒にいたら自由に行動出来ないじゃない。

私を1人で行動させる訳には行かないだろうしトイレの場所も知らないだろうと思われているから気を利かせてくれたんだろうけど、私は仕方なく行きたくもないトイレに行って戻る時にメイドに。

「ここまでで大丈夫よ。
そこの角を曲がれば護衛もいるしね」

と言うと。

「畏まりました。
それでは失礼致します」

メイドは去って行った。
メイドの姿が見えなくなって周りに誰もいないのを確認して、私はさっきアルと話をした渡り廊下へと転移した。

王宮でちゃんと転移出来るか試してみたけど、大丈夫みたいだわ。
私の力は王宮の魔法制御の術も効かないということだわ。

私凄くない?
そう思いながら戻る前に渡り廊下の前の庭園に出てみた。

そんなに花が好きな訳ではないけど、ここの白百合は本当に綺麗だわ。

そうそうさっきアルに話したけど、アニメで見た王太子宮の中庭で咲いている特別な金の薔薇と藍の薔薇も凄く綺麗なんだろうな。
アルに案内されて中庭を手を繋いで歩きながらあの薔薇を見てみたいな。

そんなことを思っていると私の視線の左端に人が動いているのが見えた。
そちらを見るとその人はナターシャだった。
後ろに侍女と前後に護衛を連れて歩いてきていた。

そっかあ、ナターシャは今から執務室に向かうのね。

フンッ、あんたがアルと私を邪魔しているんだからちょっと煽ってやろうかしら?

本当は私から王太子妃に話しかけるなんて不敬だと知っているけど、今はナターシャと護衛と侍女しかいないもの。
大丈夫よね。

それに不敬だと騒がれたら魔法で眠らせて前後の記憶を消してしまえばいいのよ。
それくらい私なら出来るわ。

私がアルを好きだと言ったらナターシャどんな顔するんだろ?
楽しみ!

ナターシャは歩いている途中で私に気付いたはずなのに、声をかける素振りもなく通り過ぎようとするから私が声をかけた。

ナターシャが「どなたかしら?」と余裕の笑みを見せながら私に聞いてくる。
何だかその表情にイラッとしてしまったわ。

けどそのイラつきを顔に出さないように私は自分の名前を名乗ってから、ナターシャに話があると言って、アルに招かれて王宮に来たことを言うと。

「わざわざ領地から足を運んで下さったのね、ご苦労様ですわ」

と微笑んで言われた。
何?その余裕たっぷりな上からの言い方は!

いくら王太子妃だからって何なのよ!

私は腹立ち紛れにアルを慕っていることを言ったわ。

するとナターシャはまったく表情を変えることなく「今でもアルを慕う令嬢はたくさんいるでしょうね。
わたくしは執務がありますから失礼致しますわ」と言ってその後、私が声をかけても無視して行ってしまった!

何なのよ!
ほんとに生意気な女だわ!
あの余裕ぶって上からな言葉が凄いムカつくわ!

私と同じ転生者だか何だか知らないけど、あの勝ち誇ったような顔が凄い腹が立つ!

ナターシャのせいで展開がおかしくなってるのに!
私がアルの側妃になれないかもしれないのよ!
どうしてくれるのよ!

私は地面をヒールでガツガツ言わせながら苛立ちを地面に当たってしまったわ。

でもいつまでも戻らないと騒ぎになるかもしれないと先程のトイレに転移してから応接室まで戻った。

応接室に戻るとお父様が不安を表に出した表情で。

「パトリシアいったいどこに行ってたんだ!心配したじゃないか!」

と怒ってきたので。

「お父様ごめんなさい。少し花を摘みに行ったら、近くに素敵な庭園があったから窓から見させてもらってたのよ」

と言うと。

「そうか…何もなかったのならいいけど、それにしても遅かったじゃないか!王宮で勝手に出歩くのやめてくれよ」

と注意されたので。

「お父様心配かけてごめんなさい」

と上目遣いで目を潤ませて言う。
お父様は私のこの表情に弱い。
案の定仕方ないなとそれ以上何も言われなかった。

私が応接室に戻ってきてからさらに数十分くらいして男性が部屋に入ってきた。

先程とは違う文官っぽい人。
その人がアルの指示で私とお父様はしばらく王宮に滞在することになったと言ってきた。

お父様はどうしてだろう?と首を傾げてたけど、私は魅了が効いてアルが私のことが気になってきたんではないかと思ったの。

やったわ!これからしばらく王宮で暮らすことが出来るのね。

その間にアルを攻略するわ。

さっき少しかけた魅了はすぐ効果が切れてしまうかもしれないから、またすぐにアルに会ってかけ直さないと。

私は作戦が上手くいったことに嬉しくなった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

一年だけの夫婦でも私は幸せでした。

クロユキ
恋愛
騎士のブライドと結婚をしたフローズンは夫がまだ婚約者だった姉を今でも想っている事を知っていた。 フローズンとブライドは政略結婚で結婚式当日にブライドの婚約者だった姉が姿を消してしまった。 フローズンは姉が戻るまでの一年の夫婦の生活が始まった。 更新が不定期です。誤字脱字がありますが宜しくお願いします。

婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが

マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって? まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ? ※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。 ※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。

結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました

ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。 ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。 王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。 そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。 「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。

【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください

あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」 「恩? 私と君は初対面だったはず」 「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」 「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」 奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。 彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?

「君は地味な裏方だ」と愛人を優遇するサイコパス気質の夫。〜私が去った後、商会の技術が全て私の手によるものだと気づいても、もう手遅れです〜

水上
恋愛
「君は地味だから裏方に徹しろ」 効率主義のサイコパス気質な夫は、妻であるクララの磨いた硝子を愛人の手柄にし、クララを工房に幽閉した。 彼女は感情を捨て、機械のように振る舞う。 だが、クララの成果を奪い取り、夫が愛人を壇上に上げた夜、クララの心は完全に凍りついた。 彼に残した書き置きは一通のみ。 クララが去った後、商会の製品はただの石ころに戻り、夫の計算は音を立てて狂い始める。 これは、深い絶望と、遅すぎた後悔の物語。

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました

由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。 尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。 けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。 そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。 再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。 一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。 “尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。 静かに離婚しただけなのに、 なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。

処理中です...