次こそは平和な世でのんびり気楽に生きていくつもりだったのに何でか悪役令嬢として生きていくことになってしまった!

asamurasaki

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一話 国王、死す

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俺、サンディオス・ウォーマン。
ウォーマン王国の国王だった。
んで、大陸統一を終えたばかりの1ヶ月後に落馬して呆気なく死んだ。

まあ、なんかそんな気したんだよな~大陸統一を果たした時、『役目終わったな~』って思ったもんよな。

俺は本当はウォーマン王国の第四王女サラディアナ・ウォーマン、女性として生を受けた。

だけど戦真っ只中のウォーマン王国に生まれた俺はサンディオス・ウォーマン第二王子として生きていくことになった。

王族は父である国王、母である王妃と兄の王太子、姉は三人第一王女、第二王女、第三王女がいたが、力のない小国の宿命か上の三人の姉たちは人質として他国に次々と嫁いでいった。

第一王女、第二王女は嫁いだ国が滅ぼされ姉上たちも儚くなってしまった。
第三王女は大国の一つ我が国と同盟を結んでいるアンドゲルド王国に嫁いだ為、そう簡単にとはならないだろうが、それでもいつどうなるかわからない状態だ。

王太子や姉の王女たちより歳が離れて生まれた俺は王女だとまたすぐ人質に取られてしまうかもしれない、国に王子が一人しかいないことなど両親である国王と王妃が俺のことを思い、そして国の為に俺を王女としてではなく第二王子サンディオス・ウォーマンとして国内外にその誕生を発表してしまった。

本当は王子が生まれて欲しかったんだろうが、王女が生まれてしまったから、無謀とも言えることだったが、こうするのが最善の方法だとその時は思ったのだろう。

なので俺はウォーマン王国の第二王子として生きてきたんだけど、何かその前の記憶が生まれた時からあった。

前はこの世界なのか違うのかわからないけど、平民の農家の女で貧しいけど両親がいて夫も子供も二人いて平和で楽しい日々を過ごしてた。

でもそれも戦ですべてぶっ壊れた。
上のお偉いさんが勝手におっ始めた戦なのに平民の俺たちは何も関わってないのにそれに翻弄され、成す術なく次々に散っていた。

両親も義両親、夫も子供も俺も飢えに苦しみ、敵に殺されたり略奪に巻き込まれたりしてみんな死んだ。

もう戦なんて懲り懲りだ!真っ平御免だと思ったのに次に目覚めたら戦真っ只中のウォーマン王国に生まれてた。

ウォーマン王国は大国に周りを囲まれた大して力も資源もない小国で隣国の大国の国王が『我が大陸を統一する!』なんて宣ってくれたもんだから俺が生まれる前からずっと戦がない日の方が少ないというくらい巻き込まれて侵略の危機に遭ったり、同盟という名の属国にされて隣国の言いなりに兵を出さされて国は戦に明け暮れていた。

よく国が失くならなかったもんだと思う。
うちに大した資源がなかったから他国にはすぐ手に入れずともいつでもどうにでも出来ると思われてたんだろうな。
そして大国の中でもアンドゲルド王国についたのが結果的には良かったんだろうな。
父上の国王と兄上の王太子は聡明で優秀で勤勉な方だった。
何とか国を民を守ろうと頑張ったんだろうなと思う。それと人質として嫁いでいった姉上たちも頑張ってくれたんだよな。

俺は女であることをごく一部が知る状態で他には隠され、病弱で馬鹿の第二王子として表に出ることが一切ない日影の身として生きてきた。
俺の為に国王や王妃にも相手にされていない出来損ないの王子として、ずっと王宮の中でも隅っこの離宮で護衛と従者以外とほとんど誰とも接することなく暮らしてきた。

本当は両親の国王、王妃、兄上王太子、家族に可愛がられていたが、病弱で馬鹿である第二王子である俺を傀儡にしようと担ぎ上げようとする者もいたから、国王にも王太子にも相手にされない役立たずに見せる為、会うにもこっそりと両親たちが訪れてくれるのを待つしかなかった。
そして馬鹿な出来損ないを演じる為、表に出た時には自分を私呼びではなく俺呼びして頭の足りない粗暴な振る舞いをするようにしていた。

表に出ることを許されていなかったけど、まあ戦なんて真っ平御免!関わりたくないと思ってたから良かったんだけど。

でも母である王妃は俺が12の時に病で亡くなってしまい、俺が17になった時に兄の王太子が戦死して同年そんなに間を置かず、父である国王も病で呆気なく亡くなってしまい俺に国王の座が転がり込んできてしまった。

実は女だし病弱で馬鹿な第二王子より他の誰かを国王にしたらいいだろうと思ったのに、アンドゲルド王国からしたら愚王の方が操りやすいだろうし、そろそろ国を奪い取るのにちょうど良いと思われてとりあえずって感じで国王にしようとしたんだろう。

俺は女だとバレてはいけないし、そもそも前の記憶で戦に関わる事が凄く嫌で国王なんかなる気なんてなかったのだが、ずっと俺についてくれてた従者や護衛たちから国内の惨状を聞かされた。

民は虐殺されたり、飢餓で亡くなったり略奪が横行して殺し殺されたり、また奴隷にする為に勝手に民を連れ去ったりすることも横行していて国も民も疲弊していてもうギリギリの状態だと。

俺は関わる事が嫌なのと関わる事が出来ないからと何も解決しようとせず、現実から目を逸らしてのうのうと生きてきて、結局前の俺たちのような平民を苦しめていたのだとようやくわかった。

周りの3国の力が拮抗してて、領土を奪い奪われてを続けてどこの国も引かないからずっと二十年以上膠着状態が続いて戦が終わらないんだ。

自国の民を救う為には早く戦を終わらせなければならないと思った。

俺の専属の護衛や従者たちに説得されて俺は目が覚めた。
今の俺なら出来るかもしれない!いや、俺がやらなければと思った。

病弱で馬鹿の振りをやめて女であることを隠して国内の臣下と民に信用を得る為にまずは頑張った。
アンドゲルド王国と他国には病弱で馬鹿だと思わせたまま。

まずは国内の貴族たちと民の信頼を得ることからだった。他国にバレないように悟られないように。
2年ちょいかかったけど、国内のことはなんとかなったんだよな。ずっと俺についてくれてた従者や護衛が優秀だったんだよ。
それと俺が女だと知っていたごく一部の宰相や数人の大臣も優秀で見事な狸だったから国の為を思ってほんとによく動いてくれた。

まずは国内の貴族たちでアンドゲルド王国を含め他国と繋がっている者たちとそうでない者たちを見極め、まずは後者の貴族の信頼を勝ち取り前者の貴族たちを全部排除するのではなく味方に出来る者は味方にし、駄目な者たちは排除していった。

そして貴族平民問わず手厚く大切にした。国の財政はかなりキツかったから俺自ら贅沢をせず、何なら平民と同じように芋とヒエを食ったりしたし、使ってないまたはいなくなった貴族の邸を平民に解放して積極的に保護していき、食糧や物資、医療支援も積極的にやった。
元からやってる貴族たちも多くいたが、それを見てた貴族たちも自らの領民の為にそうするようになった者たちも多くいた。

それと戦ってる兵士たちには率先してなるべく栄養のある良い食事を与えるようなど待遇を良くしていった。


そして他国には時がくるまで国王である俺の力ではなく周りの臣下である貴族たちの力であるように見せた。
俺は貴族たちに操られる傀儡のように振る舞った。

他国は俺が病弱で馬鹿だと思って油断していたのとまあ戦略的な才能が俺にはあったのかもしれないのと小国で数は少ないが臣下たちは元々少数精鋭で勤勉で優秀だったので、自分たちの国と民を守ろうと早く平和にしようと鼓舞していった。

そして俺が表舞台に出る時がきた。
アンドゲルド王国と交渉して俺は自ら前線で戦うことになった。実戦経験がなかったから無謀だと思われたが、俺は幼い頃から護衛や従者たちと剣術や護身術に励んでいて良かった。それは後で知ったけど、幼い頃からの訓練は厳しく高度なものだったみたい。
俺が前線に立ったのはまずアンドゲルド王国から信頼を得る為と臣下を鼓舞する為と油断してた他国に見せつける為に。

戦に出た俺は時には騎士道に反するような汚ない手も使ったし、残虐なことも早く戦を終わらせる為には厭わなかった。
それでも臣下たちはついて来てくれた。
そのうち他国には冷酷非道の残虐な暴君と言われるようになったが、国内ではより強く信頼を勝ち得て、その名のお陰もあってか他国から恐れられるようになり自分の側に付く者もどんどんと増えていった。
途中でアンドゲルド王国は利用していたつもりの俺を脅威に感じ排除しようとしたが、前もって策略を張り巡らせていたので裏切ってアンドゲルド王国の王族を全員粛清して人質になっていた姉上である第三王女を奪還して国に連れて帰ってからアンドゲルド王国も征服して俺が戦場に出てから5年で大陸を統一した。

大嫌いな戦に明け暮れたお陰かやっと平和になると思ったのに、呆気なく死んだ。
国王を優秀な宰相親子に譲ってからで良かった。

死ぬ間際、次こそは平和な国でのんびり気楽に生きていきたいなと思った。

思ったのに…何か変な事に巻き込まれそうになっているんだが…
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