囚われた元王は逃げ出せない

スノウ

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ところが断れない性格の俺は二つ返事で了承した



んっもう俺のバカ!!自分の事で精一杯だってのに!





コンコンコン



「あの~ライチ君?」

返事がない



キイと少しドアが開けられた


「入って良いのかな?」


「どうしようかな」


ドア越しでボソッと聞こえた




「ライチ君、雪だるまつくろ~ドアを開けて~一緒に遊ぼう どうして出てこないの~」



「・・・・」


「前は仲良くしてたぁのに何故あ~えな~いの~?雪だるまつく~ろ~大きな雪だるま~」


「・・・・プッ」



「ねえ、お兄さん開けてくれないと自転車乗ったり壁とお喋りしながら2番歌っちゃうけど」



「アハッハハッ」


大笑いだ、良かった恥ずかしかったんだぞ



「とびら開けくれる?」



『ハ~もう』と言いながらとびらが開いた

「異世界人って、皆こうなの?」



「ん~そうだよ!」



「雪、降ってないけど?」



「降ったら遊ぼ、雪だるまの名前も決まってる」





なんとか部屋入る事ができた俺は昼夜問わず神殿での勉強会以外はこの部屋で読書して過ごした、と言っても子ども用の絵本から始まりライチ君に字や意味を教わりながら今じゃ児童文学を読んでる



「なぁ、この食べ物って本当にあるの?」


「どれ?」




気になるとしたらこの子、仲良くなったらテリトリーが近いタイプなのかめっちゃ近い

今も肩が当たってる


仲良くなった頃に聞いたことがある
『なんで引き篭もってんの?』

だって余程理由があるなら脱★引き篭もりなんていい迷惑じゃん


『人が好きじゃない、なんかイヤ』



大公家息子でそれ許されんの?



「ん、これなんだけど」


「あるよ、街の市場で売ってる」



「ふ~んあるんだ、市場かぁまだゆっくり行ってなかったし行ってみたいな誰か連れてってくんないかな」



ピクッ

「誰と?」


「誰って」


(俺そんな知り合い居ないし)


あっ



「ライチに決まってんじゃん?」パチーン☆



「え!?ぼ、ぼく!?」


「いこ~ぜ♡」



「い、行く!!!」



ちょろいぜ。ニヒヒ




大公家パパに伝えると涙を流しながら感謝され
大量の金貨と共に送り出された




久しぶりの息子のお出かけに警備は付いてるが

シャバの空気がやっぱり嫌なのか少し顔が強張ってる

これは冗談でも言って和ませるか


「なぁライチ君、これって男二人初デートだよな?」


「うえ?!デート!?」


「そう、警備付きの」


冗談のつもりだったが隣の中型犬がデートデートとブツブツ唱えている


「あ、ごめんな軽いジョークのつもりで、そんなに嫌がんないで。早く買って帰ろう」



「嫌がってない、それにそろそろライチって呼んでよ今日はデートなんでしょ?」



「え!?可愛いとこあんじゃん!」(そうだね)



「心の声が逆になってるけど」


「ああ、ごめん動揺しちゃったライチ」




俺の呼び方に満足したのか満面の笑みですっごい可愛い




そのまま目的のお店き行き何故か『あ~ん』をさせられ大公家パパとライム君の為多めに買って帰宅した



やっぱりパパから涙を流しながら喜ばれた
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