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第一草
1・うさぎ生活も悪くない
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明るい空の下。緑が広がるここは森から出てすぐの草原。あったかくてふわふわの草をむしゃむしゃと食べるこれまたふわふわな白色のうさぎがそこにいた。
「あー、草うめぇ~~」
そう、このうさぎ、オレだ。
暖かな陽だまりで、そこら辺にいっぱいはえてる草をしゃくしゃくと食べ、日がな一日、のんびりと過ごす。最高である。
たまにピンチもあるけれど、いたって平和。
え、喋るうさぎがいるかよって? いや、ここにいるだろ。
「よし、そろそろ帰ろうぜ。チャミちゃん」
呼び掛けると少し耳を動かした後、振り返る茶色いうさぎがいた。
可愛いだろ? この子はチャミちゃん。オレのここでの番……。あ、相棒の茶色耳うさぎだ。
「…………」
まあ、彼女はオレみたいに喋らないんだけどね。クールビューティーだろ? たぶん。あ、違うわ。クールキュートだ。
名前を知る術がないから、チャミちゃんってオレが勝手につけた。何度か呼んでいると少し反応してくれるようになった。
さぁ、草はむはむタイムは終わりだ。
撤退しないと、そろそろアイツらが目を覚ます時間だからな。
オレはチャミちゃんを押して巣穴のある場所に戻る。
意志疎通が出来ない彼女。――オレが完全にうさぎになっていたら彼女のように普通の人生ならぬ普通のうさぎ生を過ごしていたんだろうか。
それでも良かったんだけどな。
巣穴に戻ると仲間達が出迎えてくれる。黒いうさぎや青いうさぎ。ぶちがあるうさぎや角うさぎ。色々いるが、人語を話せるのはオレだけだ。いや、うさぎとして意志疎通ができないのはオレだけと言った方が正しいのかもしれない。だからってぼっちではない。こいつらが話せないだけなのだ。うん。
「おーい、チャミちゃん」
日が落ちて冷えてきた。仲良さそうに話してるとこ悪いけれど、巣に入るようにとチャミちゃんを鼻でつついた。
前世(?)オレは人間だった。しかも三回前までの記憶を持っている。生まれ変わっても記憶を持ち続ける。
それがオレの特性らしい。
おかげで、自分がうさぎだと認識できるし、言葉を知っている。――うさぎだから何の意味もないけれど。
しかも前世が剣士で神聖術師で魔術師。経験だけは豊富だ。――うさぎだから何の意味もないけれど(本当に)。
まあ、波乱万丈だったオレの人生に一時の平和が訪れていると思えばいいかな。
「チャミちゃん。ほら、ちゃんと布団で寝ないと風邪ひくぞ」
オレは何もないところで寝ようとする彼女を頭で押しながらなんとか、ベッド(草)に寝かせるのだった。
もと人間だった事を覚えているせいか、彼女の事は可愛いけれど、それ以上の気持ちはわかない。横にそっと体を寄せる。温かい。
巣穴の外に見える赤いラインを見ながらオレは一仕事を終えて緩やかな眠りに入る。
ぼうっと昔のことを思い出しながら――。
◇
「大罪人――――よ。そなたは虚空の穴への流刑だ。この者を虚空の穴に連れていけ」
オレは引っ張られて、大きな穴に放り込まれた。
罪なんてない。オレは生還者になるように奴らに仕組まれて、まんまとここに落とされたのだ。
穴へと連れて行かれる途中、オレをじっと見つめる目があった。
◇
発見された唯一の生還者の孫ならば、その知識を受け継いでいるはずだと――。
確かに間違いじゃない。オレはじーちゃんからこの場所の事を聞いている。だけど、誤算だったな。オレは面倒しかない場所に戻るつもりなんてこれっぽっちもないんだよ。
「はー、明日も美味しい草を食うぞー!」
追い落とし、絶望させられ、捨てられたあんな場所よりずっとずっと暖かい場所、美味しい草、もふもふの可愛い女の子も一緒にいる生活。あー、ここの生活ホント最高だからな!!
あそこに戻らなければ、アイツらにも一矢むくえるよな。
あ、明日はあそこにある旨味がつよい草を食べに行くか!!
本当にここは草がうめぇから向こうであったことなんて忘れよう。
横で眠る可愛い寝顔のチャミちゃんに少しだけ頭を寄せてオレは大きくあくびをした。
◇
「あー、草うめぇ~~」
そう、このうさぎ、オレだ。
暖かな陽だまりで、そこら辺にいっぱいはえてる草をしゃくしゃくと食べ、日がな一日、のんびりと過ごす。最高である。
たまにピンチもあるけれど、いたって平和。
え、喋るうさぎがいるかよって? いや、ここにいるだろ。
「よし、そろそろ帰ろうぜ。チャミちゃん」
呼び掛けると少し耳を動かした後、振り返る茶色いうさぎがいた。
可愛いだろ? この子はチャミちゃん。オレのここでの番……。あ、相棒の茶色耳うさぎだ。
「…………」
まあ、彼女はオレみたいに喋らないんだけどね。クールビューティーだろ? たぶん。あ、違うわ。クールキュートだ。
名前を知る術がないから、チャミちゃんってオレが勝手につけた。何度か呼んでいると少し反応してくれるようになった。
さぁ、草はむはむタイムは終わりだ。
撤退しないと、そろそろアイツらが目を覚ます時間だからな。
オレはチャミちゃんを押して巣穴のある場所に戻る。
意志疎通が出来ない彼女。――オレが完全にうさぎになっていたら彼女のように普通の人生ならぬ普通のうさぎ生を過ごしていたんだろうか。
それでも良かったんだけどな。
巣穴に戻ると仲間達が出迎えてくれる。黒いうさぎや青いうさぎ。ぶちがあるうさぎや角うさぎ。色々いるが、人語を話せるのはオレだけだ。いや、うさぎとして意志疎通ができないのはオレだけと言った方が正しいのかもしれない。だからってぼっちではない。こいつらが話せないだけなのだ。うん。
「おーい、チャミちゃん」
日が落ちて冷えてきた。仲良さそうに話してるとこ悪いけれど、巣に入るようにとチャミちゃんを鼻でつついた。
前世(?)オレは人間だった。しかも三回前までの記憶を持っている。生まれ変わっても記憶を持ち続ける。
それがオレの特性らしい。
おかげで、自分がうさぎだと認識できるし、言葉を知っている。――うさぎだから何の意味もないけれど。
しかも前世が剣士で神聖術師で魔術師。経験だけは豊富だ。――うさぎだから何の意味もないけれど(本当に)。
まあ、波乱万丈だったオレの人生に一時の平和が訪れていると思えばいいかな。
「チャミちゃん。ほら、ちゃんと布団で寝ないと風邪ひくぞ」
オレは何もないところで寝ようとする彼女を頭で押しながらなんとか、ベッド(草)に寝かせるのだった。
もと人間だった事を覚えているせいか、彼女の事は可愛いけれど、それ以上の気持ちはわかない。横にそっと体を寄せる。温かい。
巣穴の外に見える赤いラインを見ながらオレは一仕事を終えて緩やかな眠りに入る。
ぼうっと昔のことを思い出しながら――。
◇
「大罪人――――よ。そなたは虚空の穴への流刑だ。この者を虚空の穴に連れていけ」
オレは引っ張られて、大きな穴に放り込まれた。
罪なんてない。オレは生還者になるように奴らに仕組まれて、まんまとここに落とされたのだ。
穴へと連れて行かれる途中、オレをじっと見つめる目があった。
◇
発見された唯一の生還者の孫ならば、その知識を受け継いでいるはずだと――。
確かに間違いじゃない。オレはじーちゃんからこの場所の事を聞いている。だけど、誤算だったな。オレは面倒しかない場所に戻るつもりなんてこれっぽっちもないんだよ。
「はー、明日も美味しい草を食うぞー!」
追い落とし、絶望させられ、捨てられたあんな場所よりずっとずっと暖かい場所、美味しい草、もふもふの可愛い女の子も一緒にいる生活。あー、ここの生活ホント最高だからな!!
あそこに戻らなければ、アイツらにも一矢むくえるよな。
あ、明日はあそこにある旨味がつよい草を食べに行くか!!
本当にここは草がうめぇから向こうであったことなんて忘れよう。
横で眠る可愛い寝顔のチャミちゃんに少しだけ頭を寄せてオレは大きくあくびをした。
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