もふもふうさぎの元最強魔術師~無実追放されたオレ。本当は草うめぇぇして引きこもっていたいけど……。草ぱわーで大事な人を守り、地上を目指す~

花月夜れん

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第三草

13・心の中の姿

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「どうやら変化が出来るようですね。ただ……」

 チャミちゃんのガイドも教えてくれてるようだ。
 おーい、オレには?
 心の中で聞いてみるが反応がなかった。

「ものは試しですね。えっと変化術ディープインサイド

 チャミちゃんの顔が変わっていく。耳もなくなって、人間の女の子になった。その姿を見て、オレの心が何かを訴えてくる。知ってる。オレはこの子を知っている。だけど、誰だ? なんでチャミちゃんが?
 記憶だけは自信があったはずなのに、思い出せない。彼女はいったい誰だ? どうしてオレは知ってるんだ?

「うわ、人の姿ですね。――あ、ただこれは制約があるみたいで、その心にしっかりある形にしかなれないそうです」
「え、それじゃあ」
「うーん、今までなったことがある姿みたいですね」

 つまり、チャミちゃんのもとの姿というわけなのか?

「でも、これじゃあ皆を連れておろすなんてできないですよね」
「あ、あぁ。そうだな」

 オレは頷きながら、思い出すのに必死だった。おかしい。顔はわかるのに、名前が出てこない。どうしてだ……。

「ユーリ?」

 心配そうにチャミちゃんが術をといたようだ。いつものチャミちゃんに戻った。
 心のざわざわが落ち着く。何だったんだ。

「大丈夫、オレもやってみるか?」

 ただ、どうやるかガイドが教えてくれないんだが。ガイドの声は沈黙したままだ。さっきのチャミちゃんのようにすればいいのか? ただ、オレが人になったところで変わらないよなぁ。
 さて、どうするか……。

「ボクは……ボクが二人を運びます。ボクは特別みたいなので」

 ヨキの前髪に隠れた瞳が光った。何か策があるのか?

「あの、少ししてから外に出てもらっていい?」
「ん? どういうことだ?」
「あ、あの。裸になるので、その……」

 もじもじしている。裸になる?
 それほど体の形が変わるのだろうか。それならば、友達にもらった服に何かあっては嫌だろう。

「わかった」

 オレが頷くとヨキが出口から外に出た。

「チャミちゃん、お願いできる?」
「はい」

 何かあってはいけないので、せめて彼女に近くにいてもらおう。

「いったい何に変身するつもりなのか」
「ドラゴンなの」
「え?」

 声が返って来た。あの声だ。

「ドラゴンって、いや、その前にお前の名前を教えてくれよ」

 名無しでは不便すぎる。

「……フェリ」

 小さな光がふわりと飛んでまた消えた。やっと教えてもらえたが、オレの記憶にフェリという人物はいない。知っているなら思い出してあげたいが、どうしたものか。

「なぁ、フェリ。ドラゴンってあれは確か――」

 聞こうとした時、急に恐ろしい鳴き声が響いた。

「チャミちゃん!! ヨキ!! 無事か!?」

 見ればチャミちゃんの姿がなかった。急いでオレは外に出た。

「ユーリ……」

 チャミちゃんが立つ場所に大きな影を落とす。それは間違いようもなく、伝説になった竜そのものだった。
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