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第四草
19・海辺の街
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あれは魚……なのか?
さすが海の街。水辺で見かける生き物のような形をとる者達がたくさん見受けられる。
森などの動物は数少なく感じる。
「少し街らしいですね」
海辺にある木で作ったのだろうか。風通しの良さそうな家々があり、住む人達の格好も涼しそうだ。
「あっついな」
「そうですね」
森の中は適度に日が遮られていたが、ここには日を遮るような木々はない。
離ればなれに大きな葉の木が立っているくらいだ。
オレとチャミちゃんは服にしていた布をめくり、風を通す。
「あついー? そんなに気にならないけど」
ヨキは特に気になっていないようだった。
「どこかで服を調達出来ないかな」
とりあえず、人と話してみないとか。
ロイスみたいな人がこの街にもいればいいのだが。
「あの……、もしかして求める者の方々ですか?」
声をかけられ振り返るとイカに似たヤツが立っていた。
「あぁ、あなたは?」
「あ、申し遅れました。ワタシはナツメと言います」
ナツメと自分の事を言ったイカはどうやらオレ達の格好が暑そうで古着でよければ譲ってあげようと声をかけてくれたそうだ。ちょうど良かったので好意を受けることにした。
「ボクはこのままがいい」
ロイスの服を大事そうに抱き締めるヨキだったが、一度脱いで洗濯しておかないと匂いがするぞと言えば大人しく着替えだした。
「ぴったりとは言えないが、ありがたい」
今のオレはそんなに身長がないせいか成人男性くらいの服だとどうしてもだぼっとしてしまう。
風通しのいいシャツとハーフパンツ。ゆるーっとしてていい感じだ。足穴が十個あって、余りが背中側でスカートのようになっているのが少しだけ気になるが。
「あの、どうですか」
チャミちゃんは胸のところをぐるりと白い布で巻いていて、下はフリルがあるスカートだ。
「可愛いよ」
さすがオレの相棒だ!! 可愛い。
「ボクのも、どう? どうー!?」
ヨキは肩に斜めがけの長い布で腰から下は干した草だろうか、くすんだ黄色い紐がいくつも繋がってスカートのようになっており、小さな白い布が紐の間に見えた。
「涼しげだなー」
「うん、涼しいよー。ほら」
後ろを向くと背中は丸見えだった。ヨキの背中は翼があるのでちょうどいいといえばちょうどいいのか。
「ぴったりだったみたいですね」
「ナツメさん。はい、ありがとうございます」
「ありがとうございます」
「ありがとう」
なんて事はないとナツメは笑っていた。
ただ、少し気になったのは二人の着ている服は女性用と子供用。
一緒に住んでいる気配はしないけれど、誰のものなのだろうか。
「良かったら、お食事も一緒にどうですか?」
おぉ、これはもしや人に戻って食事してみることが出来るパターンか!
何が出るんだろう。魚かな? 海だし。だが、待てよ。ここの人たちからするともしかして!
オレはこの人たちが食べそうな料理の材料を思い浮かべて顔をひくつくせていた……。
ま、まさかな。
さすが海の街。水辺で見かける生き物のような形をとる者達がたくさん見受けられる。
森などの動物は数少なく感じる。
「少し街らしいですね」
海辺にある木で作ったのだろうか。風通しの良さそうな家々があり、住む人達の格好も涼しそうだ。
「あっついな」
「そうですね」
森の中は適度に日が遮られていたが、ここには日を遮るような木々はない。
離ればなれに大きな葉の木が立っているくらいだ。
オレとチャミちゃんは服にしていた布をめくり、風を通す。
「あついー? そんなに気にならないけど」
ヨキは特に気になっていないようだった。
「どこかで服を調達出来ないかな」
とりあえず、人と話してみないとか。
ロイスみたいな人がこの街にもいればいいのだが。
「あの……、もしかして求める者の方々ですか?」
声をかけられ振り返るとイカに似たヤツが立っていた。
「あぁ、あなたは?」
「あ、申し遅れました。ワタシはナツメと言います」
ナツメと自分の事を言ったイカはどうやらオレ達の格好が暑そうで古着でよければ譲ってあげようと声をかけてくれたそうだ。ちょうど良かったので好意を受けることにした。
「ボクはこのままがいい」
ロイスの服を大事そうに抱き締めるヨキだったが、一度脱いで洗濯しておかないと匂いがするぞと言えば大人しく着替えだした。
「ぴったりとは言えないが、ありがたい」
今のオレはそんなに身長がないせいか成人男性くらいの服だとどうしてもだぼっとしてしまう。
風通しのいいシャツとハーフパンツ。ゆるーっとしてていい感じだ。足穴が十個あって、余りが背中側でスカートのようになっているのが少しだけ気になるが。
「あの、どうですか」
チャミちゃんは胸のところをぐるりと白い布で巻いていて、下はフリルがあるスカートだ。
「可愛いよ」
さすがオレの相棒だ!! 可愛い。
「ボクのも、どう? どうー!?」
ヨキは肩に斜めがけの長い布で腰から下は干した草だろうか、くすんだ黄色い紐がいくつも繋がってスカートのようになっており、小さな白い布が紐の間に見えた。
「涼しげだなー」
「うん、涼しいよー。ほら」
後ろを向くと背中は丸見えだった。ヨキの背中は翼があるのでちょうどいいといえばちょうどいいのか。
「ぴったりだったみたいですね」
「ナツメさん。はい、ありがとうございます」
「ありがとうございます」
「ありがとう」
なんて事はないとナツメは笑っていた。
ただ、少し気になったのは二人の着ている服は女性用と子供用。
一緒に住んでいる気配はしないけれど、誰のものなのだろうか。
「良かったら、お食事も一緒にどうですか?」
おぉ、これはもしや人に戻って食事してみることが出来るパターンか!
何が出るんだろう。魚かな? 海だし。だが、待てよ。ここの人たちからするともしかして!
オレはこの人たちが食べそうな料理の材料を思い浮かべて顔をひくつくせていた……。
ま、まさかな。
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