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後編

番外編・ナホとヒロキ

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「久しぶり、エリナちゃん」
「ナホ!」

 大学生になって、ナホはこっちに帰って来た。
 すごく、綺麗になって――。春から、ヒロキと同じ大学に通う。

「すごいねー、雲の上の人だぁ」

 そう言うと、彼女はクスクスと笑った。

「エリナちゃん、すごく綺麗になったね」
「えっ?」
「月城君に愛されてるんだね」

 ナホは笑いながら、私の指にはまる指輪を指差した。

「あの腕輪のデザインだね」

 ダイスケがオーダーメイドで作ってくれた、お揃いの指輪。私の石は、オレンジ色に近い金色。彼の石は私がつけていた、オレンジがかったピンク色。
 私達が向こうで交換こしていた思い出の幸運の腕輪と同じ色。

「あーあ、私の方がいい女だったって、後悔させてやるつもりだったのに」
「うぁー、やめてよ。私、ナホには絶対敵わないんだから」

 あれから、ナホはすごく変わった。ただ、その理由が、ダイスケを悔しがらせる為とか、ほんと、やめて欲しい。

「あ、それって嫌みですか? エリナちゃん」
「うぅ、ヒロキに言いつけといてやるー」
「え、あ、ちょっと、ごめん。ごめん!」

 二人で、見つめあって、ぷぷっと吹き出す。
 ヒロキは、ナホが外国にいた間もずっと、大好きだって言い続けていたそうだ。すごい、執念を感じる。
 ナホは、そんなヒロキの思いに、動かされて、付き合う事にしたと言っていた。

「また、エリナちゃんとあそこに遊びに行きたいなぁ」
「え、私はもういいよー」

 そんな事言っていると、ユウがまた来てしまいますよ。
 話しながら、私達はあの頃通っていたお気に入りのケーキ屋さんに歩いていく。

「あれ、なんでいるの」
「ヒロ君まで」

 ケーキ屋さんのところで待っていたのは、それぞれの彼氏。

「そんなに心配しなくても、もうあんなことしないよ」

 ナホはヒロキに笑いかける。

「私達、友達だもん」

 私はダイスケに笑いかける。

「「わかってるけど、心配だからな!」」

 男二人が揃って返事をした。

ーーー

あとがき

ここまでお付き合い、いただきありがとうございました。
エリナと大きな人の物語はこれにて終幕です。
応援ありがとうございました!!
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