痩せる決意をした聖女と食べてやると宣言する竜の王子〜婚約破棄されちゃったけど気になる人に愛されたいからダイエット頑張ります〜

花月夜れん

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第一章 聖女と竜

第37話 変装は目の色だけ?

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「行くぞ!」
「はいっ!」

 竜の姿のブレイド。その背中に乗ってお出かけ。これってもしかしなくてもすごい事だったりしない?
 瘴気の壁を消して行くのは倒れたら駄目と言われて別の手で行くことになった。空高くまではこの壁は届いていないそうだ。
 消したり食べたりしなくてすむのは確かに楽だった。

「ねぇ、ブレイド?」
「なんだ?」
「空があいているなら皆を乗せて外に出られたんじゃないの? こんな風に」

 どうしてだろうと気になって聞いてしまう。だって、今こうして外に出られるなら皆一緒に逃げてしまえば良かったのに。

「……出来なかった。瘴気の影響って知っているかな?」
「瘴気の影響? 死ぬか、魔物になるか?」
「うん。ただね、気が付かないほどの薄い瘴気ってあるんだ。それを吸い込んだ人間は死ぬことはないんだけれど少しずつ体が魔物に変わっていくんだ」
「そうなんだ……」

 ずっと瘴気と戦ってきたけれど、そんな話は聞いたことがなかった。
 瘴気に関しての文献なんて私が読むことが許されていた本棚にはなかったし……。

「彼らは最初から一部がすでに魔物化していた人たちとその家族だったり、大事な人だったりしたんだ」
「そっか、それで……」
「うん、外に連れ出しても怖がられたり嫌われたりする。なら、ここでボクと最後まで一緒にって。そんな皆を置いてボクだけ逃げたら、嫌だなって」

 優しい竜の王子様。置いていった王様たちは何を思ってこんなに優しい我が子を置いていったんだろう。
 ズキリと何かが心に刺さる。そうだった。私だって親に置いていかれたんだった。何もわからないまま。突然……。

「もうすぐ一番近くの森だ。ここからは目立つから」

 いきなり乗っていた背中が消える。私はわたわたと手で確認するがさっきまで触れていた背中がない!
 落ちる! と、思ったのもつかの間で気がつけば人の姿、羽だけ竜のブレイドに抱き抱えられていた。

「この姿なら竜魔石の力だって言えば問題ないだろ?」
「そういうものなのかな?」
「毎回こうしてる」

 森に二人で下り立つ。
 私は懐から丸い眼鏡を取り出した。念のための変装用。

「さすがに端っこの方とはいえあの国に戻ると良くないのでは?」

 と、ルニアに確認したところ

「大丈夫。エマの顔は知られていない」

 という返事を頂いた。嘘でしょ? 元だけど未来の王妃だよ? それを誰も顔を知らないなんて……。
 私、そんなにダメだったのかな。誰にも知られたくないくらい……。
 まあ、いいわ。もう過去の事だもの。
 でもその目の色は目立つよなと言われてもらったのがこの丸眼鏡。幻を見せる魔法が使える竜魔石が組み込まれているそうだ。
 これで瞳の色を他の色に見えるようにする事が出来るみたい。さっそく、ブレイドに確かめてもらう。

「うん。ボクとお揃いの色だね」
「え、あ、そうなの?」
「うん、同じ色だと思う」

 色を変えてと願ったけれど、お揃いにしてなんてお願いしてないのになぁ。笑って誤魔化し、確認は完了。
 いざかん! ラハナルの街へ。
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