私は聖女じゃない?じゃあいったい、何ですか?

花月夜れん

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第二章・火の精霊の国

番外編SS・ぴーちゅんの小さな熱い戦い

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 ピチュピチュ!!

 ピッピッ!!

 僕達はマリョククイ。見た目がよく似た鳥だ。ピチュピチュと鳴く僕は茶色い体。ピッピッと鳴くこいつは白い体。
 いま、こいつと僕は熱戦を繰り広げている。

 普段は普通の小鳥と変わらない物を食べているけれど、マリョククイという名前の通り、僕達は魔力を好物としている。
 魔力を貰う時はご主人のをもらっている僕だけど、突然現れたご主人の相棒の人間からすごく美味しそうな魔力を感じるんだ。
 食べさせてくれないかなー? そう思って、ご主人が知らないところで何度か相棒のところに足を運んだ。だけど、僕は体が小さくてなかなか相棒に気がついてもらえなかったんだ。

 ご主人がいる時は、彼から魔力を貰わないと悪い気がして、彼から貰っていた。けれど!!

「私が先に彼女からあの美味しそうな魔力を貰います!」

 白い体のこいつが今日、宣戦布告してきたのだ。
 相棒を見つけたのは僕が先だ! こうなったら、ご主人には悪いがなりふりなんてかまっていられない!

「あれ、ぴーちゅん?」

 ご主人の指を華麗にかわして、僕は相棒の頭にとまる。
 ごめんね!! ご主人。

「あー、リサちゃんの魔力が食べてみたいのかな……?」

 そうそう、相棒の魔力一番乗りはこの僕だ!!

 ピチュ!!

 僕はそう一声鳴いた。
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