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第三章・水の精霊の国
83話・暖かな雨
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ビリビリと身体中を電気が走るような痛みが起こった。
何……。立つことが怖くなり、私はストンと腰を落とした。それを見たアリスは慌てて私を抱き上げた。
パラパラパラパラパラ
頭上から雨が降り注ぐ。それは暖かく全てを洗い流してくれる気がした。
ルミナに降り注いだ雨は彼女の肌に落ちると身体に吸い込まれるように浸透した。一粒二粒と彼女に落ちていく雨粒が増えると、頬に赤みがさしていく。
雨の降り注いだ場所からはキラキラと光が空に昇っていく。
パラ……パラ……
暖かな雨が止む頃、残っていた紫の煙は晴れ、ルミナの顔には生気が戻った。
「よかっ……た……」
急激な眠気に襲われて、私は意識を保つことが出来なくなった。
あぁ、そうか。私二回も浄化魔法を使ったから、魔力や身体に無理をさせてしまったのかな……。
「アリスト様! 今すぐ戻りましょう」
「……」
「カナ様なら、癒しの魔法で!」
「……」
「……」
ーーー
ゆらゆらと水の中を漂っているみたい。アリスが、呼んでる気がする。私はここだよ。手を伸ばすけれど、彼の手は見つからない。私、さっきまで繋いでいたはずなのに。いつ手をはなしてしまったんだろう――。
「アリス……ちゃん……」
「リサちゃん!」
「よかった、手繋いでた……」
「リサちゃん?」
パッと、私は覚醒すると、何故かベッドの上にいた。アリスがギュッと手を握っている。ルードも、椅子に座ってこちらを見ていた。
「ここは、どこ?」
見覚えがない場所にいる。ここはいったいどこですか?
「目が覚めましたか?」
アミスが、コツコツと歩いてくる。
「あの、私……」
「まずは、御礼をさせてください。光と火に選ばれた聖女、リサ様、此度は私の妹を、そしてこの国を救っていただきありがとうございます」
「あの、私は――」
「後程、ハーフィ様、クレス様からもお話しがあるかと思います」
聖女じゃない、の言葉がだせないまま話が進んでいく。アミスの話す内容から、ルミナの毒は無事浄化できたようだ。
「ここは、ブルーシェル城の中です。この中は水の精霊の力が強くなるので、光ほどではないですが、私の魔法で貴女に癒しを施しました」
え、ブルーシェル城って、もう時間は夜なんですか。
「リサ様も目覚めたのですから、二人ともお食事をとられてはいかがですか?」
夜なのに二人とも食べてないの? お腹空いちゃうよ?
「リサちゃんと一緒に」
「私は別に……」
ぐぅ
いや、ね? 君は聞かれてないからね?
少し止まっていたアミスはクスクスと笑って、案内しますと言った。
「すみません、お願いします」
この虫君、最近元気すぎません?
ゆっくりと私は起き上がる。うん、どこも痛くない。よかった、動けそうだ。
何……。立つことが怖くなり、私はストンと腰を落とした。それを見たアリスは慌てて私を抱き上げた。
パラパラパラパラパラ
頭上から雨が降り注ぐ。それは暖かく全てを洗い流してくれる気がした。
ルミナに降り注いだ雨は彼女の肌に落ちると身体に吸い込まれるように浸透した。一粒二粒と彼女に落ちていく雨粒が増えると、頬に赤みがさしていく。
雨の降り注いだ場所からはキラキラと光が空に昇っていく。
パラ……パラ……
暖かな雨が止む頃、残っていた紫の煙は晴れ、ルミナの顔には生気が戻った。
「よかっ……た……」
急激な眠気に襲われて、私は意識を保つことが出来なくなった。
あぁ、そうか。私二回も浄化魔法を使ったから、魔力や身体に無理をさせてしまったのかな……。
「アリスト様! 今すぐ戻りましょう」
「……」
「カナ様なら、癒しの魔法で!」
「……」
「……」
ーーー
ゆらゆらと水の中を漂っているみたい。アリスが、呼んでる気がする。私はここだよ。手を伸ばすけれど、彼の手は見つからない。私、さっきまで繋いでいたはずなのに。いつ手をはなしてしまったんだろう――。
「アリス……ちゃん……」
「リサちゃん!」
「よかった、手繋いでた……」
「リサちゃん?」
パッと、私は覚醒すると、何故かベッドの上にいた。アリスがギュッと手を握っている。ルードも、椅子に座ってこちらを見ていた。
「ここは、どこ?」
見覚えがない場所にいる。ここはいったいどこですか?
「目が覚めましたか?」
アミスが、コツコツと歩いてくる。
「あの、私……」
「まずは、御礼をさせてください。光と火に選ばれた聖女、リサ様、此度は私の妹を、そしてこの国を救っていただきありがとうございます」
「あの、私は――」
「後程、ハーフィ様、クレス様からもお話しがあるかと思います」
聖女じゃない、の言葉がだせないまま話が進んでいく。アミスの話す内容から、ルミナの毒は無事浄化できたようだ。
「ここは、ブルーシェル城の中です。この中は水の精霊の力が強くなるので、光ほどではないですが、私の魔法で貴女に癒しを施しました」
え、ブルーシェル城って、もう時間は夜なんですか。
「リサ様も目覚めたのですから、二人ともお食事をとられてはいかがですか?」
夜なのに二人とも食べてないの? お腹空いちゃうよ?
「リサちゃんと一緒に」
「私は別に……」
ぐぅ
いや、ね? 君は聞かれてないからね?
少し止まっていたアミスはクスクスと笑って、案内しますと言った。
「すみません、お願いします」
この虫君、最近元気すぎません?
ゆっくりと私は起き上がる。うん、どこも痛くない。よかった、動けそうだ。
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