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第四章・風の精霊の国
102話・カノンへ
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「――それで、浄化が終わった後、スペードさんがそう言ってたの」
外は、もう明るい。
私達は、宿に戻ったあと、夜も遅いので眠って魔力回復をしようと結論付けそのまま眠ることにした。
最後に目が覚めた私の支度が終わるまで、二人は待ってくれて、昨夜のことを話し始めた。
「魔獣が追い払え、その様なことを知っている。彼はいったい何者なのでしょうか?」
「魔物と精霊が同じ、かぁ。うーん、何処かにそういう話が伝えられてる所があるのかもねぇ」
アリスもルードも知らないことがあるんだ。うーん。
「精霊達にも聞いてみたら?」
「それが――」
私は後ろや横をキョロキョロするが、誰の姿も見えない。
「ミニライトちゃん達? サラ? ウォータ? シルフィ?」
しーん
誰も反応無し!
私は首を横に振って、誰もいないことを伝えた。
「スペードは数日ここにいようかって言っていたし、まだ近くにいるかもしれない。探してみようか」
「うん、見つけてお縄だ!」
「お縄?」
「あ、見つけたらロープでぐるぐる巻きにしてやるー!って意味ね」
これ? とアリスがいつぞやのロープを後ろに手をまわしポーチから引っ張りだした。
おう、そんなところにいらっしゃったんですね。お久しぶりです。というか、持ち歩いてるんですね……。
「あの、アリスト様、お願いがあるのですが――」
ルードが、突然何か決心したように話し出した。
「カノン様の居場所を教えて下さい」
カノンって、紫のエルフさん?
アリスが首を傾けながら、聞いた。
「どうして? 彼女、人が嫌いなのに。たぶん嫌がられるよ?」
ルードは、懐から一通の古びた手紙を取り出した。これは?
「フーガ様からカノン様に宛てた手紙だそうです。メリエル様から、預かって参りました」
あれ、メリエルから? と、いうことはもしかして私の事を護衛してって頼んでくれたのはメリエルだったのかな?
「メリエから? ふーん。じゃあ、しょうがないか。行こう」
アリスが椅子から立ち上がる。居場所を知っているんだ。
「受けとるかどうかは、わからないけどいい?」
「はい」
私達は、紫のエルフさんのところに向かった。
って、すぐそこじゃない!
どう見ても、このログハウス群の食堂キッチン!!
朝御飯はもう食べたよね?
「マズルカ、カノンいる?」
キッチンの後片付けをしている、エルフさんにアリスが聞くとすぐ返事が来た。
「いるよー、カノン。アリスト様だよ!」
ムスッとした顔で、紫の彼女、カノンが顔を見せた。
「何? 仕事中なのですが」
「いいじゃない、あとは後片付けなんだから、調理担当のあんたは休憩に入ってていいよー! アリスト様、指名料あとでヨロシクね」
クククとマズルカは笑っている。
カノンが作った料理! とても美味しかったです。ありがとうございます。ぺこりと少し頭を下げておく。
彼女は手際よく前掛けを外し食堂側にやって来た。今日は髪を一つに結んでいる。
「それで、何の用事ですか?」
言葉にトゲを感じる。実際は生えてないけど、刺々しい。
ルードが近寄ると、彼女は後退りした。
一瞬、困った顔になったが、先程と同じ様に、懐から手紙を取り出して、彼女に差し出した。
「コレを、預かって参りました」
外は、もう明るい。
私達は、宿に戻ったあと、夜も遅いので眠って魔力回復をしようと結論付けそのまま眠ることにした。
最後に目が覚めた私の支度が終わるまで、二人は待ってくれて、昨夜のことを話し始めた。
「魔獣が追い払え、その様なことを知っている。彼はいったい何者なのでしょうか?」
「魔物と精霊が同じ、かぁ。うーん、何処かにそういう話が伝えられてる所があるのかもねぇ」
アリスもルードも知らないことがあるんだ。うーん。
「精霊達にも聞いてみたら?」
「それが――」
私は後ろや横をキョロキョロするが、誰の姿も見えない。
「ミニライトちゃん達? サラ? ウォータ? シルフィ?」
しーん
誰も反応無し!
私は首を横に振って、誰もいないことを伝えた。
「スペードは数日ここにいようかって言っていたし、まだ近くにいるかもしれない。探してみようか」
「うん、見つけてお縄だ!」
「お縄?」
「あ、見つけたらロープでぐるぐる巻きにしてやるー!って意味ね」
これ? とアリスがいつぞやのロープを後ろに手をまわしポーチから引っ張りだした。
おう、そんなところにいらっしゃったんですね。お久しぶりです。というか、持ち歩いてるんですね……。
「あの、アリスト様、お願いがあるのですが――」
ルードが、突然何か決心したように話し出した。
「カノン様の居場所を教えて下さい」
カノンって、紫のエルフさん?
アリスが首を傾けながら、聞いた。
「どうして? 彼女、人が嫌いなのに。たぶん嫌がられるよ?」
ルードは、懐から一通の古びた手紙を取り出した。これは?
「フーガ様からカノン様に宛てた手紙だそうです。メリエル様から、預かって参りました」
あれ、メリエルから? と、いうことはもしかして私の事を護衛してって頼んでくれたのはメリエルだったのかな?
「メリエから? ふーん。じゃあ、しょうがないか。行こう」
アリスが椅子から立ち上がる。居場所を知っているんだ。
「受けとるかどうかは、わからないけどいい?」
「はい」
私達は、紫のエルフさんのところに向かった。
って、すぐそこじゃない!
どう見ても、このログハウス群の食堂キッチン!!
朝御飯はもう食べたよね?
「マズルカ、カノンいる?」
キッチンの後片付けをしている、エルフさんにアリスが聞くとすぐ返事が来た。
「いるよー、カノン。アリスト様だよ!」
ムスッとした顔で、紫の彼女、カノンが顔を見せた。
「何? 仕事中なのですが」
「いいじゃない、あとは後片付けなんだから、調理担当のあんたは休憩に入ってていいよー! アリスト様、指名料あとでヨロシクね」
クククとマズルカは笑っている。
カノンが作った料理! とても美味しかったです。ありがとうございます。ぺこりと少し頭を下げておく。
彼女は手際よく前掛けを外し食堂側にやって来た。今日は髪を一つに結んでいる。
「それで、何の用事ですか?」
言葉にトゲを感じる。実際は生えてないけど、刺々しい。
ルードが近寄ると、彼女は後退りした。
一瞬、困った顔になったが、先程と同じ様に、懐から手紙を取り出して、彼女に差し出した。
「コレを、預かって参りました」
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