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第64話 忘れちゃダメだよ!魔王
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「勝利だー!!」
「いえーぃ!!」
教室に戻ったオレ達はここでももう一度盛り上がっていた。見事学年一位を取ったからだ。
「おめでとう。皆頑張ってくれてありがとう」
池照が顔を出すとクラスメイトがこぞって彼のもとに駆けつけた。
「池照君、大丈夫だった?」
「あぁ、腹痛で倒れてしまったようで保健室に運ばれていたんだ」
「うそー、もういいの?」
「大丈夫、もう痛くないよ」
「本当。最近元気がなかったみたいに見えてたけどなんだかさっぱりしてるね」
「はは、憑き物でも落ちたのかな」
実際もう一人の池照が憑いていた訳だが、あまり変わらない感じの池照がそこにいる。
そういえば、あいつの記憶はいったいどうなってるんだ?
確かめたいが近付くことは避けたいなぁ。
ん、池照の力がマユに戻ったんだよな。……何か忘れているような。
「お、大間! お前頑張ったみたいだな。僕も見たかったよ」
いや、見ただろ。見てたよな?
オレは苦笑いを浮かべながら相槌を打つ。アイツのまわりには人だかりが出来ているのでしばらく動けないだろう。
とりあえず、だ。
オレは先程の挽回行程を組んでいた。メッセージで送ってしまう? 駄目だろ。やはり直接! 直接でないとな!
だが、二人きりになるチャンス? そんなチャンスあるわけがねぇぇぇ。
「じゃあ、またね。今日は大変だったしゆっくりお休みかな」
「うん、そうだね。また明日」
「お疲れ様ッス」
「あぁ、またな」
家が同じ方向組で帰ってくるし、
「あー、お兄ちゃんおかえりなさい!!」
家の前には待っていたのか妹が……。
「ただいま、永遠」
こうして慌ただしいオレ達の体育祭は幕を閉じた。
◇
マォマォッ
スマホが震える。オレは瞬時に出ると犬を持たずに家を出た。
ちなみに散歩はすでに終わらせている。
家のまわりで誰かに捕まらないようにキョロキョロしながらオレは公園へと走った。
「真由!!」
体操服ジャージ姿ではなく、至福の私服だぜー、うひょー!
ほっそりとしたTシャツの上にパーカーを羽織り、下はふわふわ揺れるスカート、可愛いが過ぎるぜ。
「拓也君!!」
大事な話がある。送られてきたメッセージにはそうあった。
(体育祭の挽回が出来るか?)
(真由に告白されるー? ひゃっはー)
(いやいや、ダメだろ。ここは男らしくオレからだな)
(きたー! 真由かわえぇぇぇぇ!!)
脳内のオレ達が騒がしい。まったくお前らときたら。って全員オレか。
真由のそばに行くと、ここだよと手でぽふぽふ示される。真由の指示する場所に座ればいいのか?
公園の中でも見晴らしの良い場所にある長いベンチの一つ。
こんなところで告白だと!?
かなり勇気がいる。だが、フォークダンス時よりは人同士が適度な距離感を持っている。行け! 大間拓也。行け! 魔王ダークナイト! お前なら出来る、出来るぞぉぉ!!
真由の横に座り、改めて彼女を見る。やばい、KAWAII。
「あのね、大事な話っていうのは――」
ちょ、待って。オレまだ心の準備が出来てません!! だけど真由の口は止まらない。心臓をバクバク口をパクパクさせながらオレは言葉を待った。
あぁ、まるで餌を待つひな鳥のようだ。
「拓也君……」
そっと手を握られる。握られた手が熱い。手を握られたくらいで、まったく。オレは乙女か?
ん、なんか熱いを通り越して痛くない? えっと、真由さん? 真由さーん?
痛いです、痛いですー!?
笑顔で耐えながら真由を見る。あれ、髪色先の方だけマユっぽくないですか? えーっと……。
もしかして怒られてる? つねられてる?
だけど、真由の手はあくまで優しくオレに触れていて。
「忘れちゃダメだよ」
「へ?」
真由の手が離れる。オレの手の平に覗き魔が噛みついていた。
どうりで痛いわけだ……。
って、あぁぁぁぁぁっっぁあ!?
完全に忘れてたよ。すまん、覗き魔!!
オレの驚き顔が余計火をつけたのか覗き魔がよりいっそう深く噛みついた。
「いってぇぇぇ!!!!」
流石に我慢できずに声が出た。
「いえーぃ!!」
教室に戻ったオレ達はここでももう一度盛り上がっていた。見事学年一位を取ったからだ。
「おめでとう。皆頑張ってくれてありがとう」
池照が顔を出すとクラスメイトがこぞって彼のもとに駆けつけた。
「池照君、大丈夫だった?」
「あぁ、腹痛で倒れてしまったようで保健室に運ばれていたんだ」
「うそー、もういいの?」
「大丈夫、もう痛くないよ」
「本当。最近元気がなかったみたいに見えてたけどなんだかさっぱりしてるね」
「はは、憑き物でも落ちたのかな」
実際もう一人の池照が憑いていた訳だが、あまり変わらない感じの池照がそこにいる。
そういえば、あいつの記憶はいったいどうなってるんだ?
確かめたいが近付くことは避けたいなぁ。
ん、池照の力がマユに戻ったんだよな。……何か忘れているような。
「お、大間! お前頑張ったみたいだな。僕も見たかったよ」
いや、見ただろ。見てたよな?
オレは苦笑いを浮かべながら相槌を打つ。アイツのまわりには人だかりが出来ているのでしばらく動けないだろう。
とりあえず、だ。
オレは先程の挽回行程を組んでいた。メッセージで送ってしまう? 駄目だろ。やはり直接! 直接でないとな!
だが、二人きりになるチャンス? そんなチャンスあるわけがねぇぇぇ。
「じゃあ、またね。今日は大変だったしゆっくりお休みかな」
「うん、そうだね。また明日」
「お疲れ様ッス」
「あぁ、またな」
家が同じ方向組で帰ってくるし、
「あー、お兄ちゃんおかえりなさい!!」
家の前には待っていたのか妹が……。
「ただいま、永遠」
こうして慌ただしいオレ達の体育祭は幕を閉じた。
◇
マォマォッ
スマホが震える。オレは瞬時に出ると犬を持たずに家を出た。
ちなみに散歩はすでに終わらせている。
家のまわりで誰かに捕まらないようにキョロキョロしながらオレは公園へと走った。
「真由!!」
体操服ジャージ姿ではなく、至福の私服だぜー、うひょー!
ほっそりとしたTシャツの上にパーカーを羽織り、下はふわふわ揺れるスカート、可愛いが過ぎるぜ。
「拓也君!!」
大事な話がある。送られてきたメッセージにはそうあった。
(体育祭の挽回が出来るか?)
(真由に告白されるー? ひゃっはー)
(いやいや、ダメだろ。ここは男らしくオレからだな)
(きたー! 真由かわえぇぇぇぇ!!)
脳内のオレ達が騒がしい。まったくお前らときたら。って全員オレか。
真由のそばに行くと、ここだよと手でぽふぽふ示される。真由の指示する場所に座ればいいのか?
公園の中でも見晴らしの良い場所にある長いベンチの一つ。
こんなところで告白だと!?
かなり勇気がいる。だが、フォークダンス時よりは人同士が適度な距離感を持っている。行け! 大間拓也。行け! 魔王ダークナイト! お前なら出来る、出来るぞぉぉ!!
真由の横に座り、改めて彼女を見る。やばい、KAWAII。
「あのね、大事な話っていうのは――」
ちょ、待って。オレまだ心の準備が出来てません!! だけど真由の口は止まらない。心臓をバクバク口をパクパクさせながらオレは言葉を待った。
あぁ、まるで餌を待つひな鳥のようだ。
「拓也君……」
そっと手を握られる。握られた手が熱い。手を握られたくらいで、まったく。オレは乙女か?
ん、なんか熱いを通り越して痛くない? えっと、真由さん? 真由さーん?
痛いです、痛いですー!?
笑顔で耐えながら真由を見る。あれ、髪色先の方だけマユっぽくないですか? えーっと……。
もしかして怒られてる? つねられてる?
だけど、真由の手はあくまで優しくオレに触れていて。
「忘れちゃダメだよ」
「へ?」
真由の手が離れる。オレの手の平に覗き魔が噛みついていた。
どうりで痛いわけだ……。
って、あぁぁぁぁぁっっぁあ!?
完全に忘れてたよ。すまん、覗き魔!!
オレの驚き顔が余計火をつけたのか覗き魔がよりいっそう深く噛みついた。
「いってぇぇぇ!!!!」
流石に我慢できずに声が出た。
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