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ユリカとトモ
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“雨が降るなんて聞いてない”
「はぁ?そこまで言ってないじゃん。ユリカって時々被害妄想入るよね?」
「被害妄想じゃない‼トモの言い方だとそう言ってるのと同じだって言ってるの‼」
「くどい‼」
そう言ってトモは走って帰ってしまった。私とトモは小学時代からの大親友で高校が別々になった今、久しぶりに会ったのだがケンカしてしまった。
私は反省もせず、自分一人でも楽しんでやると近くの大型商業施設に入った。洋服屋にアクセサリーショップ、フードコートにペットショップ、映画館もある。これだけあれば一人でも十分楽しめそうだ。さっそく映画館のパネルから見る映画を決め、シアタールームに入った。
観た映画は恋愛もの。現在彼氏募集中のユリカにとって、運命的出会いをし、恋に落ちていくヒロインを見て夢を抱かずにはいられなかった。私もいつか……。そんなことを思いながら約二時間を浪費した。
すっかり機嫌が良くなったユリカは大きなガラス窓からクレープ屋が来ているのを見つけ、商業施設をあとにした。
上からは分からなかったが、クレープ屋はテレビで特集される程有名な移動店舗だった。
「ラッキー、今日はついてるなぁ~‼」
五分程並んで手に入れた苺たっぷりのクレープを口いっぱいにほおばった。そのおいしさに驚き、つい声が出てしまった。
「え、おいしすぎ‼」
「そうですよね、流石特集されるクレープですね」
声が大きかったのか近くにいた見知らぬOLに同調されてしまった。恥ずかしい……。
照れて無我夢中でパクパク食べていると、手の甲にポツリと何か落ちてきた。
空を見てみるといつの間にか重い雲に覆われていた。
次第に水滴が落ちてくる間隔は早くなり、本降りの雨になった。急いでどこかに入ろうとしたが、同じことを考えている人ばかりで、ぐるっと見まわしてみて雨宿りできそうなところは、全て埋まってしまっていた。
(とにかく、このクレープを守らなきゃ)
クレープに覆いかぶさるようなかっこをして、歩き出すと人にぶつかってしまった。
「すみませ……」
「何、変な格好してんの?」
「あ……トモ」
目の前には、傘を私の方にい傾けて立っているトモがいた。
私はケンカのことなんてすっかり忘れてしまっていて、トモの質問に答えた。
「クレープ守ろうと思って……」
………。
………。
(え、何この沈黙?)
「ぶっぶははははははWWWW」
いきなりトモが笑い始めた。しかも指さしながら。
「ちょっと、指さして笑わないでよ。ほんとおいしんだからねこれ。有名なクレープ屋なんだから‼」
それでもトモは笑っている。それを見てると私も何が面白いんだか分からないけど笑って、笑って、笑いが止まらなくなった。
雨は通り雨だったみたい。
“雨が降るなんて聞いてない
でも、ケンカも仲直りも予報なんてない“
「はぁ?そこまで言ってないじゃん。ユリカって時々被害妄想入るよね?」
「被害妄想じゃない‼トモの言い方だとそう言ってるのと同じだって言ってるの‼」
「くどい‼」
そう言ってトモは走って帰ってしまった。私とトモは小学時代からの大親友で高校が別々になった今、久しぶりに会ったのだがケンカしてしまった。
私は反省もせず、自分一人でも楽しんでやると近くの大型商業施設に入った。洋服屋にアクセサリーショップ、フードコートにペットショップ、映画館もある。これだけあれば一人でも十分楽しめそうだ。さっそく映画館のパネルから見る映画を決め、シアタールームに入った。
観た映画は恋愛もの。現在彼氏募集中のユリカにとって、運命的出会いをし、恋に落ちていくヒロインを見て夢を抱かずにはいられなかった。私もいつか……。そんなことを思いながら約二時間を浪費した。
すっかり機嫌が良くなったユリカは大きなガラス窓からクレープ屋が来ているのを見つけ、商業施設をあとにした。
上からは分からなかったが、クレープ屋はテレビで特集される程有名な移動店舗だった。
「ラッキー、今日はついてるなぁ~‼」
五分程並んで手に入れた苺たっぷりのクレープを口いっぱいにほおばった。そのおいしさに驚き、つい声が出てしまった。
「え、おいしすぎ‼」
「そうですよね、流石特集されるクレープですね」
声が大きかったのか近くにいた見知らぬOLに同調されてしまった。恥ずかしい……。
照れて無我夢中でパクパク食べていると、手の甲にポツリと何か落ちてきた。
空を見てみるといつの間にか重い雲に覆われていた。
次第に水滴が落ちてくる間隔は早くなり、本降りの雨になった。急いでどこかに入ろうとしたが、同じことを考えている人ばかりで、ぐるっと見まわしてみて雨宿りできそうなところは、全て埋まってしまっていた。
(とにかく、このクレープを守らなきゃ)
クレープに覆いかぶさるようなかっこをして、歩き出すと人にぶつかってしまった。
「すみませ……」
「何、変な格好してんの?」
「あ……トモ」
目の前には、傘を私の方にい傾けて立っているトモがいた。
私はケンカのことなんてすっかり忘れてしまっていて、トモの質問に答えた。
「クレープ守ろうと思って……」
………。
………。
(え、何この沈黙?)
「ぶっぶははははははWWWW」
いきなりトモが笑い始めた。しかも指さしながら。
「ちょっと、指さして笑わないでよ。ほんとおいしんだからねこれ。有名なクレープ屋なんだから‼」
それでもトモは笑っている。それを見てると私も何が面白いんだか分からないけど笑って、笑って、笑いが止まらなくなった。
雨は通り雨だったみたい。
“雨が降るなんて聞いてない
でも、ケンカも仲直りも予報なんてない“
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