44 / 225
マティアス
戦闘
しおりを挟む
日光と2人の体液を浴びた植物は既にテラスいっぱいになるまでツルを伸ばしていた。
ヴェルトは臆す事なく謎の植物に斬りかかる。
ヴェルトの存在に気が付いた植物が、無数のツルをヴェルトに向けて伸ばした。
ヴェルトはツルを躱し、斬り、防ぎ、受け流す。
そうしながら植物の根に向かい走り続ける。
「ッ!」
ツルが顔を掠めて、ヴェルトの頬から一筋の血が流される。
ヴェルトは更に紫の瞳を鷹のように鋭く輝かせ、踊っているかのように無駄の無い美しい動作でツルを避けながら更に根へ近付く。
(ヴェルト、さ、あ……♡)
疲れた体を懸命に動かす。
(僕が……僕が! ヴェルトさんを守らなくては!!)
もはや手も向けられないので、コントロールが上手くいくかどうか分からない。
それでも。
(『ファイア・エンチャント』……ッ!)
カイラは無詠唱で魔法を使用する。
ヴェルトに褒められた経験もある援護魔法だ。
ヴェルトが手にする双剣が炎を纏う。
ヴェルトは剣を一瞥した後、強烈な一撃を植物の根に叩き込んだのだ。
植物の根が燃え始め、上へ上へと炎が上がる。
ぐるんぐるんとツルを動かし、やがてツルは2人を解放した。
「カイラ君!」
武器を放り投げたヴェルトは、カイラの元へ走り、地面へ落ちる前にカイラの体を受け止めた。
背後から「ふげっ!」という間抜けな悲鳴が聞こえた気がするが、まぁ気にする事はない。
万が一の為に備えられていた鎮火用のスプリンクラーが、恵みの雨を降らせる。
「大丈夫!? 怪我は無い!? 嫌な事は……されたよね本当にごめん……!」
衣服は一応着ているものの、性的な行為を行わない限り外れないはずの貞操帯が転がっているのが目に入り、ヴェルトはカイラに顔を埋め後悔する。
「ヴ、ヴェルト……さん♡」
顔を蕩けさせたままのカイラが、ヴェルトの体に手を回す。
「カイラ君……? どうしたの!?」
「な、なんか……体熱くて治らないんです……♡」
カイラはヴェルトにキスを乞う。
「ヴェルト殿……!」
いつのまにか背後で座り込んでいたマティアスが、ヴェルトに呼びかける。
「すまなかった……あの植物の汁液には、媚薬のような効果があったようでな……っ、体が、言う事を効かないのだ……」
自分自身を抱くように体に手を回し、マティアスは震えながら続ける。
「ヴェルト殿。アマネにゲストルームまで案内させる。そこで……多少汚しても構わんから、カイラが落ち着くまでそばにいてやってくれないか」
マティアスは「体が濡れた~」と嘆いているアマネに視線を送る。
「案内するんだ……っ、アマネ!」
「う、う~~ん」
アマネは濡れて重くなった体を懸命に動かし、カイラをお姫様抱っこしたヴェルトをゲストルームまで案内したのだ。
ヴェルトは臆す事なく謎の植物に斬りかかる。
ヴェルトの存在に気が付いた植物が、無数のツルをヴェルトに向けて伸ばした。
ヴェルトはツルを躱し、斬り、防ぎ、受け流す。
そうしながら植物の根に向かい走り続ける。
「ッ!」
ツルが顔を掠めて、ヴェルトの頬から一筋の血が流される。
ヴェルトは更に紫の瞳を鷹のように鋭く輝かせ、踊っているかのように無駄の無い美しい動作でツルを避けながら更に根へ近付く。
(ヴェルト、さ、あ……♡)
疲れた体を懸命に動かす。
(僕が……僕が! ヴェルトさんを守らなくては!!)
もはや手も向けられないので、コントロールが上手くいくかどうか分からない。
それでも。
(『ファイア・エンチャント』……ッ!)
カイラは無詠唱で魔法を使用する。
ヴェルトに褒められた経験もある援護魔法だ。
ヴェルトが手にする双剣が炎を纏う。
ヴェルトは剣を一瞥した後、強烈な一撃を植物の根に叩き込んだのだ。
植物の根が燃え始め、上へ上へと炎が上がる。
ぐるんぐるんとツルを動かし、やがてツルは2人を解放した。
「カイラ君!」
武器を放り投げたヴェルトは、カイラの元へ走り、地面へ落ちる前にカイラの体を受け止めた。
背後から「ふげっ!」という間抜けな悲鳴が聞こえた気がするが、まぁ気にする事はない。
万が一の為に備えられていた鎮火用のスプリンクラーが、恵みの雨を降らせる。
「大丈夫!? 怪我は無い!? 嫌な事は……されたよね本当にごめん……!」
衣服は一応着ているものの、性的な行為を行わない限り外れないはずの貞操帯が転がっているのが目に入り、ヴェルトはカイラに顔を埋め後悔する。
「ヴ、ヴェルト……さん♡」
顔を蕩けさせたままのカイラが、ヴェルトの体に手を回す。
「カイラ君……? どうしたの!?」
「な、なんか……体熱くて治らないんです……♡」
カイラはヴェルトにキスを乞う。
「ヴェルト殿……!」
いつのまにか背後で座り込んでいたマティアスが、ヴェルトに呼びかける。
「すまなかった……あの植物の汁液には、媚薬のような効果があったようでな……っ、体が、言う事を効かないのだ……」
自分自身を抱くように体に手を回し、マティアスは震えながら続ける。
「ヴェルト殿。アマネにゲストルームまで案内させる。そこで……多少汚しても構わんから、カイラが落ち着くまでそばにいてやってくれないか」
マティアスは「体が濡れた~」と嘆いているアマネに視線を送る。
「案内するんだ……っ、アマネ!」
「う、う~~ん」
アマネは濡れて重くなった体を懸命に動かし、カイラをお姫様抱っこしたヴェルトをゲストルームまで案内したのだ。
15
あなたにおすすめの小説
学園の卒業パーティーで卒業生全員の筆下ろしを終わらせるまで帰れない保険医
ミクリ21
BL
学園の卒業パーティーで、卒業生達の筆下ろしをすることになった保険医の話。
筆下ろしが終わるまで、保険医は帰れません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる