面倒臭がり屋の日常生活

彩夏

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本編

.Third

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__んぎゃ~っおぎゃ~っ


「旦那様!元気な男の子が産まれました!母子ともに健康です!」 


「本当か!ならば仕事なぞ、あと回しに決まっておるわ!」


バタバタと屋敷の廊下を走る男性の後ろにメイドもついて行く。


バタンッ


扉が壊れそうな位勢いよく扉を開け、ベッドで赤子を抱きながら休んでいる女性の下へ、歩みを進める。


「…貴方、そんなに騒がしくしてしまったら、我が子が目を覚ましてしまいます。」


「ぁ、すまん、嬉しくて、つい、な。其れは置いておいて、我が息子の顔を見せてくれ。」


「…どうぞ、お抱きになってあげてください。今は眠っていますから。」



「…やはり、お前に似て綺麗な顔立ちをしているようだ。ありがとう。それに、胸元に王族直系の印だという刻印も入っているな。

……少し二重に見えるが、まぁ、この子が大きくなればそのうち分かるだろうな…。

そして、生まれながらにして、既に成人男性よりも多くの魔力量が備わっているようだな。」


「…えぇ、そうね。もしかしたらこの子は将来制御がしきれないような魔力量を誇ってしまうかもしれないわね。

……けれど目元は貴方にそっくりよ?」


「…そうか。私に似ているか?今はまだ小さな赤子だがこれから綺麗な顔立ちをして、立派な男になるだろうな。将来が楽しみだ。」


「…貴方、早く私達の我が子に名をあげましょう?とても美しい名を。」


「…う~む、そうだな……。エディにしよう!!」


「!エディですか?とても良い名です!我が公爵家にピッタリの名前ですわ。」


メイドが部屋の中に佇む中、二人は赤子を抱きながら暫くゆっくりしたのであった。


それから数年の月日が経過し、エディはスクスクと大した病気もせず育っていた。





・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚






とある早朝、エディはいつも通りソファで寛いでいたら、母様が近づいてきて隣へ座った。


「今日はエディの4歳の誕生日ですね。夜には沢山の御馳走が出るから楽しみにしていてね?」


「はい、ありがとうございます母様。」


「……むぅ、相変わらずエディは落ち着いているわね?やはりいつ見ても子供の姿をしていても子供には思えませんわ?貴方の大人びた姿も素敵だけれど、私は貴方に触れられなくなってしまったのだから、
もっと年相応な姿も見てみたいわ?」


…確かに母様達は私に宿る魔力量が増えれば増えるだけ触ることができず、だからと言って貴族として育って来ているので申し訳ないですが、年相応な対応は難しいです。
努力していますが……。

何故か前世の記憶を持って転生してしまっているので…。如何せん気恥しいという部分がある。


この世界に生まれ落ちて、最初の頃は少しばかり苦労しました。赤子という事で殆ど動けなかったのです。←当たり前だが…。

言葉も話せないし、動けないという事でトイレにすら行けないのだ。
オムツが蒸れてしまい、それはそれは気持ち悪かった。しかし、そんな時は赤子特有の泣く事で何とかなりました。

今思うと、泣いたのは赤ちゃんの時ぐらいですね。
今はもう、貴族として、紳士として、泣くことはないでしょう。


……そして、その次に苦労したことは食事でした。
見た目は赤子ですが、記憶がある為気持ちの上では大人の気分です。いくら母親とはいえ、母乳を飲むのには苦労しました。

ある程度成長した時に「これからは離乳食よ!」と言われて、何やらホッとしてしまったのです。


「それと今日は4歳になったから、協会に行って《洗礼の儀》を受けなきゃいけないわ。準備が出来たら出発しましょう。」


『…《洗礼の儀》って何ですか?』


「神様にお祈りして加護を貰うのよ。加護と言っても何かが起こるわけではないのよ?神様にここまで成長できたことを報告しに行くの。けれど、加護が付く人は滅多に居ないわ?殆どの人は祝福されて終わりよ。」


『…へ~、加護ってどんなのが有るんでしょうか?』


「ん~、そうね?魔法だったら【魔法神の加護】、商売だったら【商売神の加護】、剣術だったら【剣術神の加護】、とか他にも色々とあるけれど余り詳しくないから教えられないわ。けれど加護は一人一人に合った加護が付くから皆いつの間にか、って感じになっているわ。」


ふ~ん、この世界には様々な神様がいるですね。勉強とかは面倒だからそこら辺も欲しいかな?そうすれば呼んだだけで勉強が出来ます。
それに、ある程度話せるようになってからは、魔力操作ばかり練習していましたし…。
後は、創造神の加護も欲しいですね。何かあった時に魔法が創れますし、便利です。


『…母様は何か加護を持っているのですか?』


「ふふっ、気になりますか?」


聞かれたのが嬉しかったのか、返答を煽ってくる。


ここは取り敢えず母様の望み通りに、子供らしく答えてみようかな。勿論はしゃぐ感じで。


『見てみたいです!気になるので見せてください!』







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