俺の職業は最弱ですが世界最強です。

最弱の職業 生活魔術師参上！！

3話 王国 エドゲルド

『職業本~生活魔術師~ 』と言う本には、
『生活魔術師』と言う職業ジョブは、昔から非戦闘向きで、
生活を豊かにする為の魔法を使うことの出来る人の事を言うらしい。
しかし近年、魔道具という魔石を使った半永久的に使うことの出来る道具が開発され、
生活魔術師の存在意義が消えていった。
その為、商人や村人などの方がお金を稼げるといった事が 当たり前となり、
かくして、生活魔術師=最弱の職業という考えが定着していった。

「あ～～こりゃ弱いわなぁ…」

俺は絶望し過ぎて逆に開き直った。
せめて知識はと言う事で、この世界について学んだ。

この世界全てをひっくるめて、『ヴァース』と呼ぶらしい。
大陸は大きく分けて4つ。

『オリゾナ大陸』 『マヒヌア大陸』
『ノースオリビア大陸』   『サウスオリビア大陸』

の4つである。
そして、此の国『エドゲルド王国』があるのは、オリゾナ大陸で有る。
又、俺達を召喚したのは、『創神教』と言う此の世界を作ったとされている『創世神  グラッド』
を崇める人達で、創神教の人達は“神の教えに従った。”と言っていた。

「あ～疲れた。」

そう言いながら、俺は自分の部屋に戻った。

“ジョボボボボ”

コップに飲料水生成で水を注いだ。

「結構便利なのにな。まぁ、魔道具には敵わないか……」

そう呟きながらリビングに戻ると……

「うわあぁぁぁ！！！」

俺は思わず声を上げてしまった。
何故ならそこに学園のマドンナ、白石 静瑠しらいし しずるが居たからだ。
彼女は驚くほど美人。兎に角美人で、性格も自分より周りのことを考える優しい性格だ。
その為、これまでに157人に告白されたと言う噂が立っている。

「お邪魔してます。」

その声にはとても気品が有り、俺の心拍数はこれまでになく上昇した。

「は…はに！！」

俺は緊張し過ぎて思わず噛んでしまった。

「ふふふ！如月君って面白いね！」

彼女の優しい笑顔が俺の心をギュッと掴む。

「えーっと、何故僕の部屋に？」

俺は尋ねてみた。

「鍵…開いてたわよ。」

「え………」

1秒ほど冷たい風が流れた。

「あ…有難うね。」

「でね、もう１つ話があるの。」

「何？」

「私と……つ…付き合ってください！！」

「………！！！」

突然の学校のマドンナからの告白。
俺はさっきよりも心拍数が上昇した。

「ダメ？」

彼女が泣きそうな声で聞いてくる。

“はうっ！！”

（可愛すぎる！！）

俺はそう思った。

「は…はい、ぼ…ぼ…僕と…付き合ってください！！」

俺は緊張で呂律が回らなくなりそうな中、応えた。

「はい！！」

彼女は元気そうな声で応えた。
だが、その中に悲しみも感じることが出来た。