おしえて、みんな!

パレット太郎

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おいしゃさんに いけない こどもがいる

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「それからね……」
かみさまは また ちょっと
さみしそうな こえで いいました。

「せかいにはね、びょうきになっても、
おいしゃさんに いけない こどもたちが
たくさん いるんだ。」

「ええっ!? なんで!?」
イノシシが びっくりした こえをあげました。

「おかねが なかったり、
ちかくに びょういんが なかったり、
せんそうをしていて あぶなくて いけなかったり……」

かみさまは ちいさく ためいきをつきました。

「おなかが いたくても、
あたまが いたくても、
そのまま がまんしてる
こどもたちも いるんだよ……」

「えーっ、かわいそうだよ……」
タヌキが めをまるくして いいました。

「びょうきのときって、
だれかに ヨシヨシしてもらいたいのに……」
シカも かなしい かおをしました。

しずかに きいていた ムシたちも、
ぱたぱたと はね ふるわせながら、
「いやだなぁ」「つらいね……」と
ささやきました。

「ぼくね、」
かみさまは そらを ゆびさして いいました。

「どのこにも けんこうで いてほしいんだ。
でも、それが
むずかしい ところも たくさんある……」

「どうすれば いいの?」
フクロウが まじめな こえで ききました。

「うーん……たとえば、
とおくにいる おいしゃさんと 
はなせるように したり、
くすりを はこんでくれる
ロボットを つくったり──

いろんな しんぱいを へらすために、
ぼくらは なにが できるかな?」

かみさまは、
このほんを よんでいる
キミのほうを みました。

「もし キミが おともだちに
『だいじょうぶ?』って こえをかけたら……
それだけで、きっと、
ちょっと あったかくなるんだよ。」

やさしいかぜが、
もりを なでて とおりすぎました。
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