虹色の子~大魔境で見つけた少年~

an

文字の大きさ
19 / 73

閑話~不思議な人たち~ side ヒースヴェルト

しおりを挟む


ママと、ここで暮らして、かなりの年月が過ぎたと思う。

僕もね、背が伸びたし、ママとお話もできるようになったの。

ママは、よく仕事場のお話を聞かせてくれる。とっても美しいお花の絨毯があるんだって。

それに、ママの飴とおんなじ色をした泉?
いずみって何だろう?見たことないし、分からないけど、水溜まりがあるんだって。そのお水も甘いのかな?


ママがお仕事で出掛けてていない時は、階段の下の大きなお部屋で、ママの石のお人形の側で過ごす。

今日は、ママがお仕事だからって、昨日の夜からいないって知っていたから、木の葉を敷き詰めた石の箱の上で、のんびり眠っていたの。


そうしたら、聞き慣れない、音がして。


起き上がって、音がした方を向くと、誰かがいた。


その誰かは、四人いた。

一人は、ママと同じキラキラ金色の髪の毛のお兄さん。
もう一人のお兄さんは、真っ赤なお色の髪で、あとから、緑の髪のお兄さんも来た。
その緑のお兄さんと並んでるのは、夜の色のお姉さん。

「******?」

あれ?

なにか、音を出した。小鳥が鳴くみたいに、お口から音を出すけれど。


何だろう?


僕は、何か、忘れているような。

「**、****?」

あぁ、これは、話してるのか。僕の知らない言葉。

本当に?

本当に知らない言葉なのかな・・・。

お胸のあたりが、ぎゅうって、苦しくなる。何だろう?この感覚。

えっと。

ここからはちょっと遠いよね。大きな声でお話したほうがいいかな?

うー、ドキドキするっ!

『あなたたちは、誰なの?』

そう聞くと、金色の髪の毛のお兄さんは、両手を広げて、笑顔で何かを、しゃべった。

そう、喋ってる!知ってる!これは、人間の言葉だ。

僕も、すごーく昔に、使ってた・・・?

頭の中が、何だかモヤモヤする。何か、思い出せなくて歯がゆい感じ。こんな気持ち、いやだ。

ムズムズしていると、金色の髪の毛のお兄さん、びっくりしたんだけど、ママの空気と同じ光の粒を放つ「飴」を持ってたの!でも、ママのとは違う、青い飴。

この人も、ママから飴をもらっているの?
もっと近くで見てみたいな。

そう思って、お兄さんの指にある飴に触ったら、何でか知らないけどお兄さんがあわてて手を離したの。

どうして?

ママから貰った飴でしょう?

「ま、まっ!ままっ!!」

気がついたら、声がでてた。ここへ来てから使ってなかったから、忘れていたんだけれど。
ふいに、思い出した。
ずっとずっと前に、話していた言葉を。



それから、金色の髪の毛のお兄さんは、自分の名前を伝えてくれたけれど、何だか人間の使う言葉って、聞き取りにくくて。

「うぉれ?」

って、聞き返したと思う。そしたら、ニコって、ニコって!笑ってくれたの!ママと同じで、ほわほわって感じ。

嬉しい!嬉しい!!


ママに会わせてあげたいな。
そうだ、階段の下の大きなお部屋に連れていこう。

『ママにそっくりなお人形があるから、行こう?』
って、彼の手を引っ張ったの。
そうしたら、みんながついてきてくれて。

わぁ、なんだか楽しいな。
ずっとママとふたりぼっちだったから、こんなに楽しいの初めてだ!!


ふふーん、どう?大きいでしょ?僕のママはすっごくカッコいいんだよ!って気持ちで、いつもみたいにぎゅうーって抱きついて自慢したんだ。

それなのに、四人はママのお手々の《ご飯》にばっかり気を取られてて。


あれ?


何でだろう。ウォレと、緑のお兄さんが喧嘩始めちゃった。

えぇ?なんで?

すごく、嫌だな。ウォレも怖ーいお顔だし、緑のお兄さんもお顔のお色が白くなってるよ。



うーん。


ご飯、ほしかったのかなぁ?でも、あれは僕がここで生きていくために必要なの。大事なんだ。
だから、こっちの小さな飴なら、あげてもいいかなぁ。

えっと、こんなときは何て言うのだっけ?



「ど、どぅ、じょ!」

確か、こんな感じだった、ような気がするの。

そしたら、くれるの?って、言ったよ。
何だか、思い出してきた、かも。

でも、僕は人の言葉は、あんまり分かんない。


『美味しいから、食べてみてね!』

伝わったかなぁ?



しばらくしたら、ウォレ以外のみんなは、お部屋じゅうを歩いたり、見てたけど、ウォレは僕とお話をしてくれたの。優しいね!

「おなまえは?」

・・・。

・・・なまえ?って、なんだっけ。

確か、ずっと昔に、お父さんに、呼ばれていたのは。
「ひーたん、よ!」

そう。《ヒラム》って、あの女と村長が呼ぶのも、思い出した。

あれは、もう、忘れたい。

あぁ、そうだった。《ひぃちゃん》ってお父さんだけが、呼んでくれていたことを思い出したから。

なんでだろう、ウォレたちとお話をすると、ずーっとずーっと昔にあったこと、思い出して。


いい思い出も、嫌な思い出も。





それでね、ウォレたちとお話ししてたら、何となく分かったの。

ウォレ、なんと、「帰る」って、言ったの!!!



えぇ!?

帰ってしまうの?せっかく出会えたのに?


どうして?いやだ!すごくいやだ!!!!


僕のそばに、居てよ。


そう思ったら、僕の目は涙でいっぱいになった。


「か、ぇる、イヤぁ・・・うぉれ、カエ、ぃゃーの!ふわぁああん。」


帰ってほしくない。一緒にいたい。
こんなに楽しかったの、初めてだもの。
もっと、もっと、一緒にいたいよ。





さみしいよ。












しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

「クビにされた俺、幸運スキルでスローライフ満喫中」

チャチャ
ファンタジー
突然、蒼牙の刃から追放された冒険者・ハルト。 だが、彼にはS級スキル【幸運】があった――。 魔物がレアアイテムを落とすのも、偶然宝箱が見つかるのも、すべて彼のスキルのおかげ。 だが、仲間は誰一人そのことに気づかず、無能呼ばわりしていた。 追放されたハルトは、肩の荷が下りたとばかりに、自分のためだけの旅を始める。 訪れる村で出会う人々。偶然拾う伝説級の装備。 そして助けた少女は、実は王国の姫!? 「もう面倒ごとはごめんだ」 そう思っていたハルトだったが、幸運のスキルが運命を引き寄せていく――。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~

名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

異世界でまったり村づくり ~追放された錬金術師、薬草と動物たちに囲まれて再出発します。いつの間にか辺境の村が聖地になっていた件~

たまごころ
ファンタジー
王都で役立たずと追放された中年の錬金術師リオネル。 たどり着いたのは、魔物に怯える小さな辺境の村だった。 薬草で傷を癒し、料理で笑顔を生み、動物たちと畑を耕す日々。 仲間と絆を育むうちに、村は次第に「奇跡の地」と呼ばれていく――。 剣も魔法も最強じゃない。けれど、誰かを癒す力が世界を変えていく。 ゆるやかな時間の中で少しずつ花開く、スロー成長の異世界物語。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...