空飛ぶ島は崩落寸前!?〜僕が攻略対象なんて知りません!

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一章 飛空島

27 青い噴水

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公園の噴水は完全に復活した。
魔法で生まれてくる水だから、苔や菌なんかも発生しにくいし、観賞用に最適。
「あっ!ティルエリー様!!修理お疲れさまでした!みんな喜んでますよ!!私も嬉しくって……!」
シャルルは学園の一年たちを7割くらい引き連れてきていた。
凄い動員力……。
「ティル様の魔道具って、みんなを助けたり、喜ばせたり、ほんとうに最高!!!」
「シャルル!褒めすぎ、恥ずかしいよ…!…でも、本当に綺麗だね、噴水。
魔核の色が映し出されてるんだ。だから、少し青みがかってるんだよ。」
空に向かって噴き上がる水は、太陽の光を反射してキラキラしてて。
「ティルエリー様、大成功だよ。もう一度礼を言うよ。本当に…ありがとう!」
アールベル王子の眩しい笑顔に、僕も自然と笑顔になる。
「いえ。僕は自分でできることをしただけです。」
「いや。島に居る研究職員と、私がこれまで依頼してきたクライン血族の知識と技術では、どうしても解決できなかったのだ。君のおかげだ。」
真摯な方だよなぁ。でも、そういうことなら。
「そ、うですか…。なら、はい。ありがとうございます…!」
そう言って笑うと、アールベル王子も頷いてくれた。
「さて。美しい公園が蘇ったところで……シャルル嬢、これから公園デートと洒落込もうではないか。」
いつの間にかシャルルの背後に回っていたアールベル王子が、さっと肩を抱いて何か言ってる。
「はぁっ!?………ッじゃなくて、は、ハイ……ソウデスネ。」
シャルル…正直すぎでしょ。でも、何か応援したくなる二人なんだよなぁ。
「いってらっしゃ~い!」
気持ちよく送り出すと、シャルルの悲鳴混じりの本音が遠くで聞こえた。
「うぇえん!ティル様ぁ!私は王子よりティル様をストーキングしたいのぉー!!!ヴォルカー様とティル様の庭園のイチャラブイベントスチルぅー!!」
「シャルル嬢、他人のデートを覗き見なんて、失礼だよ~。そんなことより。ほら。あちらでランチしよう?」
「う~~っ!ティル様っ!後で離れ島庭園のこと、教えて下さいね!!絶対ですよぉー!」
アールベル王子って強引だけど、エスコートはスマートなんだよねぇ。
そういうとこ、やっぱり王子様なんだな。頑張れ、シャルル!
「…堂々とストーキングしたいって宣言するあたり…ブレないよなぁ。マルローズ…。」
「あはは。でも、あれだけ素直に好意をぶつけてくれて、有り難いと思うよ。」
「それなのに、ときめかなかったの?マルローズって学園で結構人気なんだぜ?」
「うーん…。なんか、シャルルの僕に対する感情って、恋とか愛とかと、違う気がするけどなぁ。」
「あぁ~…確かに。まぁ、マルローズ自身性格がアレだからな。それに何処から見てもアールベル王子が他の奴らを牽制してるもんなぁ。」
「やっぱりそう思う?アールベル王子、強引だけどかなりシャルルのこと気に入ってるもんねぇ。」
「…さて、と。俺はこの荷物、お前の工房に返しておいてやるよ。お前は先生とランチでも済ませてそのまま次の現場でも行って来いよ。」
「へ?いいの?重いよ?」
ギーヴは軽々と荷物の入った袋を担ぎ上げて、手を降った。すげぇな、力持ち!!
「大丈夫、大丈夫。じゃな!」
颯爽とタワー方面に走り去るギーヴにお礼を言って、ヴォルカー様の姿を探す。

あれ…?

さっきまで公園にいたと思ったのに…もしかしてお昼食べに帰っちゃったのかな?
一緒に食べたかったなぁ…。

キョロキョロしていると、背後から、もう聞き慣れた大好きな人の声。
「ティルエリー様!」
「ヴォルカー様っ!良かった、帰られたのかと思って、ちょっと寂しかった…って、ぁ……。」
何我儘言ってんだろ…。予定は午後からだから、約束していたわけでもないのに。

「…噴水、復活できてよかったですね。とても美しい、青の噴水です。」
キラキラ光る水しぶきが降りかかり、周囲の気温も少し涼しくなってきた。へぇ、噴水の効果って、こんなところにもあるんだ!
「ありがとうございます。みんなが手伝ってくれたおかけです。…それで、その、ヴォルカー様、お昼御飯……ご一緒しませんか」
「ええ!勿論です。早速参りましょうか。」
「はいっ!」

僕らは学生街に向かった。
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