Galaxy Day's

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ツッコミ役は客じゃない!

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ミドイヤル君とグリーネアの聞き違いの末に
対立する羽目になったエレーネアとアカイヤル君。
途中、惑星 ライグの怪物、ダッシュ・ベルグの
邪魔はあったものの、どうにか和解すると共に
新ゾード・アカトライカーの力によって
ダッシュを倒したのだった。さて、今日は
アオイヤル君とのデート、楽しもう~っと。



ヤギ座系の惑星 ガトー。そこでも五指に
入るほどの名所であるザーナミ湖の近くにある、
テーマパーク形式の 妙に廃れた感じの遊園地、
『ウォールドダイヤモンドパーク』。私たちは
今回、そこの調査に赴くことになったのだ。

調べた情報曰く、ここは元々 惑星 ガトーに
かつて存在していた国の一つ、『プルーメ』の
出資の元に運営されていた。その頃は、老若男女
問わず入れる、それなりに有名なところだったらしい。
しかし、長年 そこを乗っ取ることを狙っていた
『ウォールド企画』が、軍隊でも討伐できないで
あろう巨大な竜型ロボットを使い、プルーメの国ごと 
運営関係者を抹殺。結果、まんまとこのパークを
乗っ取って、富豪… その上 ガトー星人しか入れない 
現在のような 混沌とした場所に様変わりして
しまったのだ。まぁ、本来であれば 閉園して
土地をウォールド企画に明け渡すという予定
だったらしいけど、急遽 そうなったとかなんとか。
え? ウォールド企画の連中、そんなあくどい方法で
罪に問われなかったのかって? …ここから先はあまり
大きな声では言えないけれど、ウォールド企画は
惑星 ガトーの経済界でもトップクラスの企業団体。
政府や警察関係者に賄賂を渡したりといった圧力を
かけ、証拠隠滅や情報規制を謀ったのは
想像に難くない。我々 コズモルチーが知ったら
「ウォールド企画ぶっ潰す!」…と、躍起になって
いたんでしょうが、あいにくこの情報は
前もって調べたばかりの私しか知らない。
先程も述べたように、情報規制の網を張られて、
ほとんどの存在が この事実を知らないのだ。

…まぁ、そんな闇の情報は後でも言えること。
私たちの現在の状況を報告するとしようか。

惑星 ガトーは現在、まだ日が出て間もない時間。
パークのゲートの前にはそれなりに人がいた。
全員、ガトー星人で なおかつ超がつくほどの
富豪であろうことは身なりからして明白だ。
私たちの服装は、それとは異なるカジュアルな…
それでいて高貴さも感じるような服装だ。
つまり、いつも私達が着てる奇怪な服装ではなく、
普通にデートしてるような男女が着るような
コーデで、私達は今ここにいる。

「朝が早いと言うのに、まぁまぁいるね…」
「人気のアトラクションはすぐに待ち時間
長くなるっていうし、サイトに書かれてるより
開園時間も早いっていうからねぇ。アオイヤル君は
知らないのかい?…やはり、ガトー星人でないと
ダメなのかねぇ。でも 富豪か否かでいうと、
十分すぎるほどの超絶大富豪だと言うのにねぇ…」
「ブルーネアちゃん…っ!」

アオイヤル君は 尋常ならざる殺気のこもった目で
私を鋭く睨んだ。私は慌てて謝った。

「あぁごめんごめん!もう、あの家とは
関係ないよねっ、アオイヤル君」
「…あぁ、でも今回に限っては使わざるを
得ないんだ。全く、やなものだよ…」
「コレばかりはしょうがないさ… あっ、
そろそろ開園みたいだね。ねっ?
書いてある1時間以上早かったでしょ?」
「うん、情報の通りだ… 流石はブルーネアちゃん。
相変わらず、情報はとっても正確だねっ」
「ありがと。さぁ、ゲートが開くよっ!」

ゲートが開いて、入場が開始された。
ゲートの少し先の受付で身なりについて聞かれる。
もし規定以上の財産を持っていないか、
ガトー星人でなければ、その場で追い出される。
しかも、ガトー星人か否かを判別する際は、
徹底した検査まで行われるのだ。パークひとつに
入るのを選別し、なおかつ ここまでするかな…?
こんなのが合法だなんて、とても正気の沙汰とは
思えない。他星じゃまず考えられない話だ。
ウォールド企画、一体 何を考えているのか…。

そして、受付は私たちの番になった。

「すみません。どれほどの財産を…」
「あっ… いやぁ、そのぉ…」
「あぁ、彼は『ブルス』の息子だよ。
そう伝えてはくれないかな?」
「…『ブルス』…? ……あぁ!
どうぞどうぞ!上には伝えておきますので!」

そう言われ、私たちは判別検査もなしに、すんなり
受付を突破し、パーク内へと入ったのだった。

「いやぁ、すごいもんだねぇ。まさか一発で…」
「あまりいい気分はしないけどねぇ…」
「まぁ、一旦そんなことは忘れてさ。
まずは、どこから行く?」
「う~ん、そうだねぇ…」

なんか、まるでホントのデートって感じ。
ちょっとキュンキュンってしそうかな。
…でも、そうはいかないと思う。実を言うと、
ここにアオイヤル君と来た… いや、
本来であれば これはアオイヤル君だけが
任されたことだけど、私はそれについていく
ことを志願したのだ。その理由は、このパークの
調査だけではない。ブルース・アオイヤル君自身を、
見極めるチャンスだと思ったからだ。私は六帝将に
なる以前から、私の父・ピタラシュタインに 
『旦那にするならアオイヤル君がいいよ!』…と、
かねてより勧められていた。アオイヤル君と父に
どういう接点があったのかは知らない。肝心の
アオイヤル君に聞いても、知らん顔だ。ただ、
私の父とアオイヤル君の父が、同じ『元老院』の
存在であるということは わかる。だが、やっぱり
おかしい。何もそのコネだけで 簡単に旦那の座を
勧めるはずがない。だから、私はず~っと
アオイヤル君に気があるふりをしつつ、心の
奥底では彼の行動を見続け、本当に父が勧める
ほどに、父が認めるほどに価値のある人なのかを
はかってきたのだ。ジャークネスでの生活や
悪役稼業では、十分すぎるほどに彼のよさとか
悪さ、そして凄さや実力などはわかった。
そして、舞い込んだこの話。こーゆーデート的な感じ
では 彼はどうするのか? 悪役とかそーゆーのが
関係のない、ありふれたこと。その行動も今日、
徹底的に見ることになる。…だいたい想像がつく
ような気がしないでもないけど、真実を
知りたければ、実際にこの目で確か見てみるだけだ。



ブルーネアちゃんとデート的な気分に浸れるという
意味では、コレも割といいカモしれない。しかし…
このパークに入るだけのために、『ブルス』の名を
使わなければならないことだけは非常に腹立たしい。
全くウォールド企画め… そんなに金が欲しいのか?
そんなにビジネスが大事なのか?…それじゃまるで、
僕の父と同じじゃないか。僕の脳裏には、
惑星 ベレノイアの有名大学を 首席で卒業した後に
交わした、父とのやりとりが脳裏に浮かんだ。

「僕の就職先を斡旋するって?」
「…あぁ。心配するな。ウチのグループ会社
だしな。しばらくそこでビジネスとか、その他
もろもろ… 大人の世界ってやつを勉強してもらう」
「そこまで勝手に決めるなよ!!僕は父さんの
人形じゃないんだ!僕のことは、僕が決める!
いくら親だからといって、そこまでっ…!!」
「…お前は何もわかっちゃいない。わかるか?お前は
将来、我が社…『オメガコネクト』を背負う存在だ!
俺の息子である以上、是が非でもそれは当然の
ことだ。それを自覚するんだな!」

そう言って父は部屋を出て行った。

「父さん!!…人の未来、勝手に決めるなよ…!」

僕の父、『ブルース・シントニオ』は
惑星 ベレノイアいち… いや、宇宙中にその名を
轟かせる、音楽・食品・重工といったありとあらゆる
企業展開を行う大財閥、『オメガコネクト』の会長を
している。宇宙中の経済は、このオメガコネクトが
回してるようなものだと言ってもいい。そして、
それのトップに立つ父は 宇宙政財界の大物とも
言うべき存在だ。惑星 ベレノイアにおいても、
その影響力は計り知れない。ちなみに、ベレノイア
以外での惑星では彼、『ブルス』と名乗っている。
宇宙中においては、そっちの名の方が有名だ。
さっきの受付で、その名は十分に使えるのだ。
あまり気乗りしないけど… そのワケはというと、
ついさっきのやりとりである程度 察した方も
いらっしゃると思うけど、その息子である
ぼく・アオイヤルはそれを継がされようとしていた
ってワケ。最も、僕自身はそんな父の勝手な
押し付けがイヤでイヤで、自分でちゃんと自立したい
って思ってた。オメガの御曹司じゃない… 
この自分ブルース・アオイヤルの力で。そう思ってた
その頃に コズモルチーのお供を探していた
ロワエレ夫妻と知り合い、ブルーネアちゃん共々、
コズモルチー・ファミリー入りしたというわけだ。
そして、ロワエレ夫妻のもとでどんどん惑星侵略等の
武功をあげていき、今では『策将』という地位すら
いただけた、コズモルチーというのも、オメガの
御曹司ではなく、"僕"自身を見てくれる。最初は
そーゆー目で見てくるやつも、決して少なくなかった
が、僕がドンドン コズモルチーで手柄をあげていく
につれ、僕自身を見てくれる人が多くなっていった。
だから正直言って、あの時 ロワエレ夫妻と
知り合えて、本当によかった。口ではなんだかんだ
言いつつも、こうして、返しきれないほどの恩がある。
だから、僕はコズモルチー・ファミリー策将として、
この居場所を作ったロワエレ夫妻に、コズモル家に
仕え続けるという、個人的な使命があるのだ。
僕をオメガの御曹司としか見てなかった奴ら、
僕にオメガを継がせることしか考えてない父、
こんな風に 実家なんて悪い印象しかないし、
なんなら今いるここ・コズモルチーの方が
よっぽど、"僕らしく"いられる場所だ。

「…くんっ!」

それに、ちょっと気になることもあるしね…。
僕にやたらと気があるように見える、
今回の件にもついてきたブルーネアちゃん。

「ヤルくんっ!」

正直、実は僕、彼女のことがちょっと…

「アオイヤルくんっ!!」

って、えぇ!?呼ばれてたっ!?

「あぁ… どうしたんだい?」
「さっきからずっと呼んでたんだけど!?
どうしたんだい、さっきからボーッとして。
どこか、調子でも悪いのかい?」
「あぁ、ゴメンゴメン… なんでもないよ。
気にしないで。それより、どうしたんだい?」
「フンッ… まぁとにかく、ここ行きたいん
だけどねぇ…。ほら、この『ウィザーズ・シティ』」
「…魔法やメルヘン的なのを扱った場所エリアか…
いいねぇ、じゃあ行ってみようか!」
「いいのかい?」
「勿論!レディーの希望は、何よりも優先すべきでしょ?」
「…!?/// …う、うんっ/// ありがとう…///」
「…えっ?/// い、いや、どういたしてまして…///」

ブルーネアちゃんがちょっと赤くなってて、
僕の方も、我ながらキザすぎるセリフを言ったことが
ちょっと恥ずかしくなってきた…。どーしよ…
ブルーネアちゃん、どう思ってるのかなぁ…?



やぁやぁやぁ、読者のレディース・ア~~~ンド
ジェントルメ~~~ン? ご存知、この作品の
"主人公"、コズモル・ロワイヤルだぜぃ☆
今回は実質、アオブルのふたりが主人公&ヒロイン
みたいなモンだけど、流石にそれだと本来の主人公
(特に俺)が空気になってしまいかねないので、
本来の主役グループたる、俺たちコズモル家も
当然っ!活躍するぜ? んでまぁそんな俺たちも今、
惑星 ガトーにやってきた。なんでかって?
そりゃあ、アイツらが心配だからに決まってんじゃ~ん!
けっ、決してウォールドダイヤモンドパークで
遊びたいってわけじゃないからね!!ホント、
そうだからね!?勘違いしないでよね!?

「いや、誰に向かって弁明してんのよ」

横にいるエレーネアからのアオイヤル程じゃないが
鋭いツッコミ。サンキュー・ナイスツッコミ。

「いやしかし、勢いで来たはいいのですが、
ここ… 金持ちでなおかつ、ガトー星人
じゃなけりゃ入れもしないんですよ?」
「そんなモン、暴力でなんとかすりゃいいだろ」
「まぁ蛮族」
「ん?父さん母さん 誰かが入って来たよ?」
「う~わぁっ、高そうなリムジンみたいなの
に乗って… しかもSPみたいなのいるし…」
「…ん?…えぇ!?あ、あの人って…!?」
「…あっ!?あの人って、まさかっ…!?」

俺たちはさっきから草の陰で入り口を見ている。
そこから目撃したのは、なんと… 我が故郷、
惑星 ベレノイアいちの大企業、オメガコネクト
の、『ブルース・シントニオ』会長だ!
んで、アオイヤルの親父さんでもある。
マントのように鎖を垂らし、イカした帽子を
被っている、アオイヤルと同じメガネの理知的だが、
有無を言わせぬ 厳格な雰囲気の漂うイケオジ…!
そして、その隣にいる妖艶な雰囲気の美女は、
『ブルース・ジェリーノ』会長夫人だ。
あちらはアオイヤルのお袋さん。片目が隠れて、
シニヨン? みたいなロングヘアをしている、
凛としつつも、妖艶な雰囲気の漂う美人さん。

「ブルス様!ようこそ!
今日はいらっしゃらないとばかり…」
「いいや。ここを運営してるウォールド企画の
方に、ちょっとした挨拶をな」
「なるほど!確かにウォールド企画は、そちら様の
オメガコネクトとも、関係が深いですし…」
「あっ、そうそう!先程、
ご子息がお見えになりました!」
「…何?」
「まぁ!アオちゃんが!
久しぶりに会えますわね!あなた!」
「……」

そんなやりとりをした後、ブルース夫婦は
パークへと入っていく。

「…どうやらアオイヤル、ちゃんと
潜入できたみたいね」
「今頃はブルーネアの奴と、デート中ってか?」
「…んで、私たちはいつまでこうしてれば…」
「…私たち、金持ちですしワンチャン…」
「そうですよ!まずはとにかく!」
「…よ~し!まずは行ってみっかぁ!」
「…ん?いや待って!!」

行こうとした矢先、オリンピアスから
思わぬストップが。

「どしたのオリンピアス?」
「なんだよこんな時にお前…」
「……あの男は…?」
「…ん?」

オリンピアスが指す方向にあったのは、
明らかにあのパークに 似つかわしくないであろう
ボロボロの身なりをした男が、城壁の如き壁から、
ひょいと現れた隠し穴みたいのから、何やら
あのパークに入る様子だった。

「え?確か、あの遊園地 金持ちと
ガトー星人以外はダメなんじゃなかったのけ?」
「隠し穴なんか作っちゃって… めざといな」
「きっと、貧乏でありながら、ここに一度でいいから
来たかったのよ…!それで、関係者の目を盗んで
隠し穴を作って… なんと素晴らしいガッツ…!」
「なに感動してんの母さん!?」
「とにかく、私たちもあそこへ行ってみましょう!」

俺達一家は 草陰を抜けて、穴の方へと
向かった。穴の大きさは人 一人分が通れる大きさ。

「う~ん… ワンチャン一人ずつ行けば大丈夫だろ」
「えっ!?ここから入るつもり!?」
「あぁ。そうすりゃ入場代を大幅にケチれるぜ」
「なるほど!あったまいいねロワピー!
よしじゃあ今すぐ入ろう!」

オリンピアスの驚きをよそに、入ろうと意気込む
俺たち。するとその時、鋭い声が…!

「おいお前ら、そこで何してる!!」
「お前ら、ここから入るつもりだったろ?」

屈強な姿をした警備員が2人。
まぁ俺らの相手になりそうにはないかな。

「…え? あ いやこれは…」
「おい、コイツら もしかして、
コズモルチー・ファミリーじゃないか?」
「あぁ、ホントだ!その服装、
どっかで見たことあると思ったら!」
「…ハァッ!?」
「…やっべ、服変えんの忘れてた…」
「いやなんちゅー初歩的なミスだ!?」
「おい、とりあえずコイツら 警察に…」
「クソッ、ここはとりあえず逃げるしかっ…!」
「だったら私に任せてっ!」

ジイの逃げるという結論に合せ、ヴァルーナは
腰からヴァルナスチームガンを取り出し、銃口から
煙を噴き出して、警備員達の目を欺いた。
警備員達は煙に涙目になり、咳き込みながら、
苦しむ。そして、その煙が晴れる頃には、
俺たちの姿はいなくなっていた…。完璧ですなっ。

「あれ?アイツらいないぞ!?」
「まだ遠くに入ってないはずだ!」
「もしかしたら、あの隙にパークに…」
「だったら、注意喚起を!」



あぁ、なんか幸せ…かも。アオイヤル君が
自然な流れでチュロスを奢ってくれたり、
『ウォルター・オーシャン』という、水や氷を
扱った、まるで私たちにうってつけな場所エリア
で、その一アトラクションで最前列に乗って
ふたり仲良く水浸しになった時は、アオイヤル君が
率先して私の方を乾かそうとしてくれたり…
あぁ あとこんなこともあったなぁ…。

動物や昆虫をテーマにしたアトラクションが集う場所エリア
『ワイルド・フォース』のとあるアトラクションで…
あっ、百獣を友とし、鬼と戦う戦士達の欧米版とは
なんの関係もないからね!? とにかく、そこは
恐竜がいるというジャングルを流れる池を、
ボートで周遊するツアーに参加したところに、
恐竜達の襲撃に遭う… といった感じ。
私はそのボートの右側に座ったけど、そこがなんと
まぁ、恐竜がその右側に現れがちなモンだから、
思わず柄にもなくビックらこいーたのなんの。

「キャーッ!!やっぱ怖い~っ!!」
「うわっ!?/// ちょ、ブルーネアちゃん!?//////」

思わずアオイヤル君に抱きついちゃった。
あの頃はひたすら楽しむことに無我夢中で、
今考えたら、ぶっちゃけ死ぬほど恥ずい。
一旦 恐竜の襲撃こそ収まるものの…
その頃の私ときたら、なおもまだひっついてたり。

「ブッ、ブルーネアちゃん…?///
もう、出てないよ?//////」
「やだっ、こわいの」
「……ちょっ、かわいすぎかよっ//////」

しばらくした後、ブラキオサウルスに
踏んづけられそうで!またも冷静でなかった
あの時の私はアオイヤル君に抱きつきまくり。

「うんぴゃ~~~っ!!」
「うおっ…!?/// ちょ、落ち着いてっ…//////」
「いや~っ!!潰されちゃうよ~っ!!」
「ブルーネアッ… ちゃんっ…//////」

そしてクライマックス!
ティラノサウルスの最後の襲撃!

「らひゃ~~~っ!!」
「大丈夫だよ、ブルーネアちゃん」

アオイヤル君は、ひたすら怯える私を
落ち着かせようと 頭を優しく撫でていた。

「ぅぅぅぅぅ~…」
「落ち着いた?」
「まだ怖いよ~… もうちょい撫でてて~…」
「…//////」
「…ふふふっ」
「……ちょっとぉ、可愛すぎかって…//////」

こうして、このアトラクション、
『ダイノ・ザンダー』から降りる頃には、
こちらも爆竜を友とする、荒ぶる戦士達の欧米版とは
なんの関係もないよ!? とにかく、そこから
降りる頃には私も頭が冷えて、冷静さを取り戻して
今までアオイヤル君にした 一連の行いを思い返し、
ただただ赤面するばかりだった。

「まさかっ…/// 私らしくもない…///
こんな、感情移入しすぎるなんてっ…//////
いくら賢将であることを忘れて 楽しもうと
したってさぁ…、ホントごめんアオイヤル君…//////」
「いっ、いやいや。そんな謝るようなこと
じゃないよ。…その、ぼくはむしろ嬉しかったよ?」
「…ふえっ?///」
「そのっ、まるで… ぼくを頼ってくれたみたいで。
ぼくに心を、預けてくれたみたいでっ…//////」
「…そっ、そうかい?//////」
「…それに、可愛かったし…/// あんな姿、
僕しか見てないって思うと、嬉しいかなって…//////」
「へっ?今なんてっ?」
「あぁいやいや、なんでもないよ。
あぁ、そうだ!次はこの場所エリアなんてどうかな?
僕が行きたいところなんだけど…」
「おぉ、いいねっ。それじゃあ行こうか!」

心を預ける… か、いつか アオイヤル君に心を、
そして命を、預ける日が来るのかもしれない。
アオイヤル君なら なんか、心から信頼できる気がする。
父が勧めるほどに、父が認めるほどに…
いや、それ以上に素晴らしすぎる存在だと思う。
父・ピタラシュタインの言うことに、
狂いはなかったのだ。一瞬たりともあなたの
言うことを疑ったこと、ここに詫びる。
流石は、私をも凌ぐベレノイア一の鬼才頭脳…!
でも、流石に旦那とかは早いような気がするなぁ…///

そんなこんなでアオイヤル君ご要望のエリアへ
仲睦まじく歩いていたら、何やら声をかけられる。

「あらっ、アオちゃん!」

振り向くと、そこにいたのは奇怪的でありながら、
和風の趣が溢れた服を着た、片目が隠れて、
シニヨンのようなものをつけたロングヘアをしている、
凛としつつも、妖艶な雰囲気の漂う美人さん。
あぁっ、確かこの人って…!!

「…!? 母さん!!」
「元気だったかしら?あら、
そちらのお嬢さんは、確かブリザシティの…」

そうだ、アオイヤル君のお母さん、
『ブルース・ジェリーノ』会長夫人だ!
そして、その後ろから現れたのは
彼女と同じく、奇怪的でありながら、和風の趣が
溢れた服を着て、マントのように鎖を垂らし、
イカした帽子を被っている、杖を持っている
アオイヤルと同じメガネの理知的だが、
有無を言わせぬ 厳格な雰囲気の漂うイケオジ…!
まさか…!このお方までっ…!?

「家を出て、この高級って有名なパークに
入れるほどまで、出世したのか? 女を引き連れて、
遊び回ってるたぁ、いい身分じゃねぇか?」
「…父さん、久しぶりに会って悪いけど…!
その言い方はっ…!」

アオイヤル君のお父さんにして、オメガコネクト
の、『ブルース・シントニオ』会長だ!
アオイヤル君はその言い方が気に入らなかったのか、
シントニオ会長に突っかかろうと、一触即発状態に…!
だがその時、パーク内に響くひとつのアナウンスが
その状態と雰囲気を 見事に打ち砕いたのだった。

\本日は、ウォールドダイヤモンドパークにお越し
いただき、誠にありがとうございます。お客様に
お知らせいたします。ただいま、このパークに
犯罪組織、コズモルチー・ファミリーが侵入した
恐れがあります。警察には通報いたしました。
お客様一同、十分にご注意ください/

「えぇっ!?コズモルチー!?」
「アイツら、ついてきてたのかい!?」
「あんにゃろぅ共… また何かやらかしたな…」
「白昼堂々…。フッ… 相変わらず、
やることが派手だな。あの皇帝皇妃さん達は」
「いやあなた、まだそれ 予定じゃ…?」
「おや、こんなところにいたのですか!
オメガコネクトのブルース会長!」
「うん?…おや、クリス・ムナカッター支配人」

私たちの前に現れたかなり豪華な装いをした
壮年男性、『クリス・ムナカッター』。ここ、
ウォールドダイヤモンドパークの現支配人にして、
ウォールド企画の実力者らしい人物だ。
あのウォールド企画の人間となると、きっと
ここの今の支配人の座も、汚い手で手に入れたことは
想像に難くない。でも、あくまでそれは私の憶測。
彼自身は、物腰柔らかで 穏やかな人物であると
いうことで知られているため、そんなことを
言っても、ぶっちゃけ何言ってんだって話だ。

「おやおや?本日は、ご子息も一緒ですかな?」
「…あっ、いや… その、それは…」

アオイヤル君が答えに窮していると、何やら
向こうから ここに明らかに似つかわしく
ないであろう、身なりボロボロで、悪すぎる
言い方をしてしまえば、貧乏そうな男がやってきて、
クリス支配人の姿を見るや、彼に向かって
殺気全開、殺意丸出しの目をしながら走り出した。

「…? …!! ちょっと、危ない!」
「え?」

私が声を張りあげるが、間に合わなかったようで
あり、クリス支配人は光の縄で拘束されてしまう。

「なっ… き、貴様はっ!?」
「ムナカッター…!貴様、
よくも俺から支配人の座を…!!」

このボロボロの男、どうやらここの元支配人らしい。
しかし、その座をクリス支配人、ひいては
ウォールド企画に奪われた。その怨みを晴らさんと、
今 クリス支配人を襲っている。…私たち全員は
この言葉から、だいたいそう察した。

「何を…!悪いのはお前ではないか!」
「悪いだと!?この俺様・ウェスのどこがだ!?
今でこそ身なりはこの有様だが、イケメンで!
経営能力も!歌もダンスも!デザインセンスも
完璧である!はずだというのにィッ!!」
「…なるほどねぇ、その悪い意味で俺様な
性格が原因で、クビにされたってわけか」
「えぇ、しかもその上 ナルシストみたい…」

シントニオ会長とジェリーノ会長夫人は 
冷静にそう分析する。それにクリス支配人は
こう言い出した。

「そうなのですよ!コイツ、嫌味で傲慢で!
いつも支配人だからって、自分は才能に
溢れてるからって、威張ってばかりで!
キャスト達にはパワハラまがいのことは
日常茶飯事で!もうホントにこの野郎、
支配人失格なんです!だからクビに…」

男、ウェスは慌てて否定する。

「何を言ってる!俺様がいつそんなことを…」
「ハァ!?自覚ないのコイツ…!?」
「それに、俺はクビにされたわけじゃない!
俺は、コイツに…!ウォールド企画に
奪われたんだ!!地位も、名誉も、
大切なモノも全てっ…!!」
「おい、いたぞっ!」
「アイツが通報にあった不審者だ!」

騒ぎを聞きつけた警備員がやってくる。
クリス支配人は警備員に命令する。

「おぉ、いいところに来た…
支配人命令だ!奴を射殺しろ!」
「おのれぇぇ…!邪魔はさせん!!
この俺様、ブリリアンドーの力を見ろぉーッ!!」

ウェスは、猫、羊、熊などあらゆる動物の着ぐるみを
無理矢理 混ぜ合わせたかのような見た目の怪物に
変貌。名前はブリリアンドーとのこと。

「うわぁっ!?怪物になったぁ!?」
「おい待てよ!コイツ、ここの壁を
破壊してた怪物じゃねぇのか!?」
「そうだったのか…!貴様 わざわざ
その姿で、そんな回りくどいことまで…」

ブリリアンドーは、向かってくる警備員達を
右腕から放つ炎と、左腕から放つ高圧水流、
右足から放つ凄まじい突風の攻撃で
一方的に叩きのめすと、その隙に拘束が解かれて、
逃げていく、クリス支配人を追った。

「もし支配人が言った事実がホントなら…
彼も 消去すべき存在であることは確かだね…
まぁ、さっきの発言で十分 信憑性あるけど…」
「うん…!」

私はアイスナイパーを構えて、ブリリアンドーを
追った。同調したアオイヤル君も一緒に
行こうとするが、シントニオ会長に止められた。

「待て!アオイヤル、ちょっと来い…!」
「…えっ? あの支配人に用があるんじゃないの?」
「それよりも、まずはお前のことだ」

どうやら止めても 止められそうにはないらしい。
私はアオイヤル君に向かって頷くと、姿を
いつも着てる悪役やってる時の服装に変身チェンジし、
単身でブリリアンドーを追った。アオイヤル君…
なんとか、頑張ってくれとしか言いようが…



ふぅ~っ、危なかったぁ~。俺たちコズモル家は
あの後、ヴァルの放った煙に紛れて逃げて、
ウォールドダイヤモンドパークからちょっと離れた
ザーナミ湖が見える高台にいた。

「いやぁ、なんだったんでしょうねあの男…」
「クッソォ…!せっかくパークに来たのにぃ…」
「なに?ロワピー遊びたかったの?」
「いやっ!んなわけねーだろがっ!!」
「そうよねぇ。まさかあの、いかにも楽しそうで
めちゃくちゃ最光そうで、キラメイてて、
一度でもいいから思いっきり遊んでみたい… 
なんて思ってませんよあたしは!!」
「オメーも俺と同じなんじゃねーか!!」
「でも一回、行ってみたいよねあのパーク」
「あぁ、どんなものなのか興味はある…。
それにしてもこの景色いいよねぇ」

オリンピアスがこの高台から見える
ザーナミ湖をスマホで撮り始める。
確かに、ここの景色もなかなかいいモノだ…!

「ふむ… ここもここで、いい観光名所になると
思いますよ。こんなに眺めがいいんだから」
「そうねぇ、雲ひとつない青空だったら、
さらに映えてたかもしれないねぇ…」

そう語るジイとエレーネア。
今の空は青空だが、雲もそれなりにある。
みんな、そんな景色に思いを馳せていると…
突然、爆風が俺たちを襲った。そこには
猫、羊、熊などあらゆる動物の着ぐるみを無理矢理 
混ぜ合わせたかのような見た目の怪物がいた。

「うわっ!?なにコイツ…!?」
「なんだお前!!」
「クリスは…!?クリスはどこにいる…!?」
「はぁっ?クリス?誰ですかそれは?」
「パークから出て、ここら辺に逃げた
はずだ…!どこにいる!?教えろォッ!!」
「フンッ!!と過ごすマス!」

すると、後ろからクッソ寒いおやじギャグが響き、
怪物はたちまち身体が凍りついた。
そこから着地したのは、ブルーネアだった。

「ブルーネア!アオイヤルは?
ってか、この怪物はなんなの!?」
「コイツは、『ブリリアンドー』ってヤツでね。
あのパークの元支配人が変貌したんだ」
「…まさか!ブルーネア様、その
元支配人って、もしかしてこの人ですか?」

いつの間に撮ったのか、ジイはブルーネアに
スマホに映ってる、パークに入ろうとした
あのボロボロの身なりをした男を見せた。

「…!そうだよ、この男で間違いない!
ってか、キミ達も入ったんじゃなかったの?
警告アナウンス鳴ってたけど…」
「いや… その前に警備員にバレて、撒いたから…」
「あぁ、そゆことね」
「それで、ブルーネアさん。奴は一体…」
「現支配人の話によると、才能に驕り昂って、
キャスト達にはパワハラ三昧らしい。少なくとも、
コイツの態度を見るや、ホントっぽい話みたい。
しかも、それらへの自覚は一切ナシときた…」
「マジかよ…?だったら、さっさと殺っちまうぞ!」

俺たちは即座に各々の得物を構えて、「サラーマ!」
という叫びと共に発生した炎で 全身の氷を溶かして
動けるようになった、ブリリアンドーへと向かった。



僕達ブルース家3人は 場所を移動し、
ウォールドダイヤモンドパークの
支配人室にいた。父が窓からの景色を見ながら、
僕に問いかけてくる。僕の方は見ないで。
その声色は、とても威厳に溢れていた。

「ここは俺みたいな奴じゃないと入れない。
どうやってこのパークに潜り込んだ?まさかお前、
あんなに嫌がっていたブルース… いや、
『ブルス』の名を使ったんじゃないだろうな?
「……あぁ。使ったよ。いろいろと事情があってね…
あの名を好きで使ったわけじゃない!!」
「フンッ… そうだろうな。好きであろうが
なかろうが、お前がいる限り、ブルスの名はついて回る。
お前にその気がなくとも、みんなブルスって
名前には、寄ってたかってきやがるんだ。
お前自身ではなくな!」

母は気まずそうに しかし口は一切 挟まずに、
僕達ふたりを見守っている。
なにも言えない僕に、父はこう続けた。

「アオイヤル。わかったろ?人には人の道ってぇ
モンがある。そこから脱するのは、茨の道なんて
モンじゃない。ともすれば不可能にも等しいことだ。
そんなことに気づかず、呑気にブルスの名を
名乗ってるようじゃあ、お前には無理だな」
「僕のことは、僕が決めることが か…!?」
「…フンッ。戻って来たいなら、今だけだぜ?
俺も、忘れることにはしておく…」

そういって、父は僕の背後に回って、
支配人室を退室しようとするが、僕は
我慢できずに声を張り上げていた。

「…ボクをなめるなぁ!!」

「!?」
「いくら息子とはいえ、ボクもなめられたもんだ。
そんなこと… アンタに言われるまでもなく、
もう… とっくにわかってることだ!!だから、
ボクはそれを変えるんだ!!変えようとする思いが
ある限り、いつかは必ず変えられるはずだ!!」

僕は感情のままにそう言うと、支配人室を
出ていった。そして、支配人室がある
ウォールドダイヤモンドパークの空中庭園城を
出ると、クリス・ムナカッター支配人と鉢合わせ。
僕に声をかけてきた。

「おぉぉ… キミはアオイヤル君!」
「あなたは支配人…?逃げられたんですか?」
「あぁ、なんとかね。それよりどうだい?
せっかくだし、お父さんと一緒に…」
「…すみません。僕、もうブルスの人間じゃ
ありませんし、父とも関係ありません。
勝手に乗り込んで、すみませんでした!」
「えっ!?何を言っ…!?
ちょ、ちょっとアオイヤル君!?」

驚く支配人を尻目に、ぼくはひたすらに走って、
姿をいつも着てる悪役やってる時の服装に変えながら、
このパークを出た。さっき、支配人室の窓を
見てたら ザーナミ湖が見える高台で派手な爆発が
あったから、おそらくブルーネアちゃんはあそこに…
僕はそこに向かって、無我夢中で走った。



「ホントアイツは何もわかっちゃいねぇ…
変えられるモノもあるかもしれねぇが、それが
あるなら、変えられないモノもあるんだよ…」
「あなた…」
「俺もああやって、自分の道へと走ったことが
あった。でも結局は、"ブルース"という迷宮からは
どれだけ走っても、出れないことに気づいたよ。
でも、アイツは もしや…!」



ザーナミ湖が見える高台にて、私たちは
ブリリアンドーとの激しい攻防を続けていた。

「喰らえ!ジルフィー!」

右足から繰り出される凄まじい突風の攻撃に、
吹き飛ばされるジイさんとオリンピアス君。
その後ろからヴァルナスチームガンを撃つ 
ヴァルーナちゃんとミギヒダコンビ。

「フンッ!ゴホリー!」

ブリリアンドーはすかさず左足で地面を蹴り、
土の壁を出現させ、その銃弾を防ぐと、その壁を
3人の方へ移動させ、3人を吹っ飛ばした。
今度はロワエレ夫妻が向かっていくが、
ブリリアンドーは両腕に力を込め…

「サラーマ!ミューズー!」

右腕から炎を、左腕から高圧水流を発射し、
炎でロワイヤル君に、水流でエレーネアに
ダメージを与えたのだった。

「フンッ… どうだ?これが俺の力だ。巷で
噂の極悪犯罪一家も、俺様の前では敵ではない!」
「畜生… 俺様キャラがカブってるだろーが…!」
「いやいや、同じ俺様キャラでもロワイヤルの方が
一億倍いいって!あんな悪い俺様キャラ マジ論外」
「なんだと!?俺様の何が悪いと言うんだぁ!?」
「待てぇっ!!」

ブリリアンドーが私たちに更なる追撃をしようと
すると、なにやら待ったをかける声が。その方向から
飛んできたのは、なんと!アオイヤル君だった!

「「アオイヤル!!」」
「アオイヤル君、もう大丈夫なの?」
「待たせたね。もう大丈夫だよ。
それより、ここは僕に任せてほしい」
「では… お願いいたします」
「うん」

ジイさんの承諾を受け、アオイヤル君はブリリアンドー
の方を向き、不敵にこう言い出したのだった。

「ブリリアンドー!そんな力で、
ぼくたちが倒されると思っているのか?」
「何ィ!?」
「キミの今の力では、ぼくたちどころか蚊すら
殺すこともできない。キミの力が本当ならば、
一発で勝負を決められるはずだ!
キミにできるかい… それが?」
「…望むところだ。そんなに望みとあらば、
一発で貴様らを消してくれるわぁ!!」

ブリリアンドーは右腕から炎、左腕から水、
右足から風、左足から土を発生させると、
それらを合わせたであろうエネルギーを
私たちにぶつけようとした。それを見た、
アオイヤル君はニヤリと笑みを浮かべると…

「今だみんな!奴の両腕両足を攻撃するんだ!」
「両腕と両足!?」
「エネルギーが発生している箇所だよ!」
「よ~しっ!」

それを聞いて、ロワイヤル君はエンペライト
セーバーからの斬撃を左腕に飛ばし、
エレーネアはエレネアローからの矢を右腕に
放ち、ジイは右腕からの紫のビームを右足に
放ち、私はアイスナイパーからの実弾を
左足に向けて、それぞれ放った。

「喰らえっ!」
「ぬっ!?ぐわぁぁぁぁっ!?」

それを受けて、身体全体から火花を散らしながら、
ダメージを負った様子のブリリアンドー。
それを見て、ロワイヤル君は大喜び。

「うっひょーっ!やったなアオイヤル!」
「あぁ、奴が能力を使う時、そこから放つ箇所に
神経が集中する。その時に叩けば一気に… ってワケ。
おまけに、奴はその弱点を自覚していなかったらしい。
あーゆータイプほど、慢心しやすいのが常ってモノだね」
「奴がパークの警備員を襲う時に、
能力を観察していたんだね…」
「あぁ…!俺の、エレメンダルオが…!!」
「よ~し、一気に畳みかけろ!アオイヤル!」
「ええっ!?ぼくがやるの!?
んん~っ!しょーがないなーっ!!」

口ではそう言いつつもちゃんと動いてくれるのも、
アオイヤル君のいいところ。アオイヤル君は
得物たるバシャバシャフトを振り回しながら、
ブリリアンドーに向かっていく。そして、
大きくジャンプしてブリリアンドーに
バシャバシャフトを振り回そうとした… ところで
アオイヤル君の姿は一瞬にして消えた。

「なっ…!?ど、どこに…!?」
「ここだよ?」

アオイヤル君はいつのまにかブリリアンドーの
背後に回っており、すかさずバシャバシャフトで
攻撃。ブリリアンドーは反撃の拳を振るうが、
アオイヤル君の身体はそれをすり抜けた。

「なっ、実体じゃないのか…!?」
「そう。どれが本物だろうね?」

いつのまにかブリリアンドーの周りには
10人くらいに分身したアオイヤル君の姿が。

「何ィ!?こっ、これは…!?」
「喰らえ!!」

全てのアオイヤル君が声を揃え、バシャバシャフト
からビームを一斉発射。大ダメージを負った様子の
ブリリアンドー。オリンピアス君達子供達チルドレン
この凄技に圧倒されるばかり。

「「ほへー…」」
「いつ見てもすごいモノだな… 
アオイヤルさんの幻術攻撃…」
「さっき見せた洞察力と併せて、
アオイヤル様の最大の武器ですからね!」
「サンキュー アオイヤル!」
「ありがと♫ アオイヤル♡」
「2人とも、トドメはそっちが!」
「よ~し、ロワピー!」
「OK!エレピー!」
「「ラブラブペアフィニッシュ!!!!」」

ロワイヤルとエレーネアはその叫びと共に、
互いの武器を合わせ、悪魔のような顔と翼を持つ
ハート型の閃光となり、ブリリアンドーに
体当たり!それが見事に直撃し、ブリリアンドーは
身体全体から火花を散らし、苦悶の叫びを
あげながら倒れ、大爆発したのだった。

「やったっ…!」
「よ~しっ…!」

しかし、これで終わりかと思いきや、なんと
ブリリアンドーは立ち上がったかと思ったら、
その身を巨大にさせていく。さらには着ぐるみ
みたいな見た目が剥がれていき、鎧を纏った
女性の彫像のような美しい外見へと変わった。

「マママ、マジかぁ…?」
「巨大化するだけでなく、それにより
姿形が変わるタイプですか…」
「うん… そうだ!あの見た目… 便宜上、
『セントルシア・ブリリアンドー』と名付けよう」
「カッコいいけど、ちょっと長くない?」
「いやエレーネアちゃん、そこツッコむところ?」

セントルシア・ブリリアンドーは太もも辺りの部分から
歪んだ形のマスケット銃を取り出し、私たちに
向かって撃った。周りはたちまち大爆発し、
その衝撃に倒れる私たち。ロワイヤル君は倒れながらも
メガゾード召喚アプリを起動する。

暗黒召喚サモライズ!ロワドルーン!」

まもなくして、ロワイヤル君が呼んだロワドルーンが
飛んできて、ロワイヤル君はそれに飛び乗り
セントルシア・ブリリアンドーの元へと飛んでいく。

巨人変形メガゾードライズ!デストロワイヤル!!」

ロワイヤル君のその叫びと共にロワドルーンは変形、
本来の姿である巨大ロボメガゾード、デストロワイヤルとなった。

「デストロワイヤル、活動開始アクティビティオン!」

ポーズを決め、セントルシア・ブリリアンドーと対峙する
デストロワイヤル。
セントルシア・ブリリアンドーはデストロワイヤルに
向かって容赦なく発砲するが、デストロワイヤルは
左手に2つの鉤爪付きの盾を装着し、防御した。

「クッソ…!弾切れを狙っていきたいところだけど、
いつになったら弾切れになるんだ…!?」

地上にいる私はその戦いを見上げながら、

「攻撃する暇もないなんて…!」
「あのままでは盾もいずれは…」
「どうするんですか~!?ブルーネアさ~ん!?」
「落ち着けウミギロン」
「あっ!"アレ"ならいけるかもしれない!」
「"アレ"? アレってなに ブルーネア」
「フフフフ… それはねぇ… アオイヤル君!」
「えっ?ぼく?」



俺の操縦するデストロワイヤルはなんとか
セントルシア・ブリリアンドーの銃撃を
盾で耐え続けているが、盾の損傷率は現在88%。
このままでは破壊されちまうのも時間の問題だ。
せめて弾切れになった隙をついて、一気に攻撃と
いきたいところだけど、一向に弾切れになる気配ナシ。

「あぁ、もうっ…!こんな時、新しいメガゾードが来て、
一気に大逆転!なんてことにならねーかなぁ…?」
「その願い、叶えてあげようか!」
「えっ?あぁ、それならありがたいんだけど…
って、えぇ!?な、なんだぁ!?」

俺がビックリした次の瞬間、俺たちが戦ってる
横にあるザーナミ湖からビームが発射され、
それを横から不意を突かれるような形で
喰らったセントルシア・ブリリアンドーは、想定外と
驚くかのように倒れた。驚く俺がザーナミ湖を
見ると、そこから浮上してきたのは青と水色の
潜水艦だった。上部に一門の砲塔も備えている。
湖の水に濡れながらも、その水滴が太陽に反射
しているのか、キラキラ輝いてるようにも見える。

「おぉっ!アオイヤル!お前もゾードデビューか!」
「その通りだよ。アレぞ、アオイヤル君の
ゾード、『アオザブダイバー』だ!」

コックピットにブルーネアからの通信が入る。
アカトライカーの時もそうだったけど、
なんか、な~んか妙にひねりのねぇような…

「…妙にひねりのねぇネーミングだなぁ。
まぁ、それはそうと これってやっぱり、
先週のアカトライカーと…」
「その通り!武装できる!この力で、
セントルシア・ブリリアンドーを!」
「よし、行けっか?アオイヤル!」
「あぁ、行くよロワイヤル!」

「「武甲鎧装アーマードガイズ!!アオザブダイバー!!」」

湖から地上へと上がったアオザブダイバーは
アカトライカーみたく、たちまち思いっきり
走った後に、大きく飛び上がり空中で分離して、
デストロワイヤルの兜、陣羽織っぽい鎧、そして
砲塔は後ろからレーザー状の刃が発生し、
刀状の武器になる。そして陣羽織っぽい鎧が
デストロワイヤルのボディに付くと共に、
アオイヤルも、コックピットにやってきた。

「あっ」
「よろしこ!今からコイツの名は、
『ウォーター・デストロワイヤル』だ!」
「そっちも対してひねりないような…」
「うるさい!まぁとにかく、行くぞ!」
「あぁ!」

「「ウォーター・デストロワイヤル、活動開始アクティビティオン!」」

起き上がったセントルシア・ブリリアンドーは
その姿を見て、再びマスケット銃を発砲。
しかし、ウォーター・デストロワイヤル…
やっぱりなげーな… ウォーターで行こう。
ウォーターは、右腕に持つ刀で 巧みに弾丸を
斬り落としていく。それに驚きながらも何回も
発砲するセントルシア・ブリリアンドー。
しかし、ウォーターは際限なく前方から飛んでくる
弾丸を水のように素早く、そしてなおかつ正確に
斬り落としながら、セントルシア・ブリリアンドー
に接近していく。さっきまで防御しっぱなしの
状況がウソみたいだ。すげーなウォーターちゃん!

「よし、喰らえ!」
「はぁーっ!!」

そしてこれまた素早くセントルシア・ブリリアンドー
の間合いに入ると、刀による連続斬撃でダメージを
与え続ける。その衝撃でマスケット銃を落とす
セントルシア・ブリリアンドー。再び太ももの
部分に手をかけて、マスケット銃を取り出す動作を
したが、それを見逃さなかったアオイヤルの操作で、
砲塔になっている刀の頭部分から高圧水流を発射!
それが命中したセントルシア・ブリリアンドーは
たちまち倒れ込んでしまった。

「さ~て、トドメいっちゃう?」
「なんだよその二次会みたいなノリは!?
まぁ、トドメなら全然いいけど!」
「ナイスツッコミ アオちゃん」
「「アビリティギア全開!!」」

ウォーターは両腕で持った刀に、内部メカに
組み込まれているアビリティギアのエネルギーを
全て込める。刃の部分が青白く発光し始めたのは
エネルギーが溜まってる証拠だ。

「大波両断!!」
「「ウォーター・スラッシング!!」」

その叫びとウォーターは刃から大波の幻覚を発射。
それにのまれて身動きの取れない
セントルシア・ブリリアンドーを、今度は巨大に
なった刃で、大波がくるかの如く真っ二つに
切り裂いたのだった。怪物のような悲鳴をあげ、
身体中から火花を散らしながら
セントルシア・ブリリアンドーは倒れ、大爆発していった。
…今思ったけど、セントルシア・ブリリアンドー…
コイツの名前も長くね!?なんでコイツは
いちいちわざわざ一言一句読んでたんだろ俺ら…

「ハ~ッハッハッハッハッハッハッハ~!
願い叶えてくれてサンキュー アオちゃん!
今日の戦いはアオイヤルの大手柄だ!」
「いやいや、こっちこそ… ありがとう」
「ふぇ?」
「…いや、なんでもない。
(この達成感…!やっぱりイイ…!これが、
仲間達と協力したとはいえ、僕自身の力で掴んだ
結果…!ブルースでも、オメガコネクトの力でも
ない… 僕自身の力…!ありがとう、ロワイヤル君。
君が開いてた居場所とはいえ、そこに僕を迎えて
くれて。ブルスじゃない、ありのままの僕を…)

俺はとにかく盛大な高笑いを響かせるのだった。



日が西の空に向かい始めた頃、俺こと
ブルース・シントニオは、クリス・ムナカッター支配人
をウォールドダイヤモンドパークのはずれの、
一際 廃れたところに呼び出していた。

「どうしたのですか、シントニオ会長?
こんなパークの… 一際 廃れたところに呼び出して…
先ほど、息子さんと会いましたが…」
「クリス・ムナカッター支配人… そんなことよりも
アンタの罪は、もうわかってんだぜ?」
「へ…?罪…!?どういうことですか!?」
「このパークは元々、この惑星にかつて存在していた
国の一つ、『プルーメ』の出資の元に運営されていた。
しかし、アンタが所属していた『ウォールド企画』は
長年 そこを乗っ取ることを狙っていた。そして
軍隊でも討伐できないであろう巨大な竜型ロボットを
使い、無関係なプルーメの住民達ごと、運営関係者を
根こそぎ抹殺。結果、まんまとこのパークを
乗っ取って、富裕層でガトー星人しか入れない 
現在のようなクソ以下のパークになり下げた…
そして、この惑星の経済トップの企業であることを
いいことに、政府や警察関係者に賄賂を渡したりと
いった圧力をかけ、証拠隠滅や情報規制を謀って
真実を闇へと隠した。アンタの今の支配人の椅子は、
それのコネで 手に入れたようなモンだろ?」

図星を突かれたかのような表情を見せる
クリス・ムナカッター。必死に平静を装うとして
るのが、顔や身体のあらゆる部分から見て取れる。

「……そ、そんなワケないじゃないですか…
だいたい、そうだという証拠を…」
「それじゃあ、コレはどのように説明する?」
「……!?そ、それは…」
「我がオメガコネクト諜報部が極秘に入手した、
あのウェスっていう元支配人の恋人を見せしめに
殺し、同じように殺されたくなくば支配人の座を
降りろって脅してるシーンだ。そして、ここに
写っているのは… アンタだよなぁ? 今回、
あの男がお前を襲ったのは、ここの支配人の座を
奪還するだけでなく、恋人を奪ったお前への
復讐も兼ねていた… そういうことだろうな。
言っとくが、コレはついさっき惑星 ガトーの
各種マスコミに発信した。さっき言った、
プルーメ滅亡の件も同時にな!」

もう顔は動揺してるわ、そして青いわ、汗ダラダラだわ、
この態度じゃあ、自分で"はいそうです"って
言ってるようなモノ。クリス・ムナカッターは
怯えつつも、若干ドスの効いた声で こう言い出した。

「きっ、貴様… 我等 ウォールドに対してこんな…」
「あぁ。心配すんな。今頃 本社そっちでは徹底的に
我が社員とも達に、殺られてる頃だろう。そしてこの
パークにいるウォールドの奴は、ジェリーノの奴が
殺っているだろう。そして… お前もすぐに、
同じところへ逝ける。この、俺の手によって… な…!

俺は懐から圧縮した得物を元の大きさに戻すと、
鞘から抜き、鋒を奴に向けた。いつもは
ボディーガードのザキュラに持たせてるが、
今回は休暇なものだから 俺が自分で持っている。
これぞ 俺の得物にして、オメガコネクト
最強の武器である刀、『妖刀 シャクザメ』。

「ひぇえっ!?や、やめ…」
「くたばりな…!」

涙目で怯えるクリス・ムナカッターを無視し、
俺はシャクザメを大きく振るうと、そのまま
縦一文字にその肉体を一刀両断した。ドロリと
血がそこら中に飛び散りながら、倒れていく
奴の死体。そしてその死体が 地に到達した瞬間、
奴は死体は大爆発した。俺は血特有の生臭さと
爆発の熱風を背に受けながら、その場を去っていく。

え?なぜ爆発するかって?一刀両断の際、奴の肉体に
強大なエネルギーを流し込んだんだよ。大抵の奴は 
生身でそれを喰らうと、肉体が耐えきれずに
爆発する。これはシャクザメのみならず
コズモルチーの連中の装備にいえることだ。
それにしても、アオイヤルの奴… 
なんだよ、あんなキラキラしかけて…!
何が自分らしくだ、何が変えられるだ、
ふざけるな。そんなことできるモンか。
できてたら、俺だってとっくにやってるんだよ…!

…まぁ、いずれわかることだ。お前の主張が
お前の名の通り、どれほど臭いかなんてな…。

俺は心の中でそう独り言ちながら、その場を去った。
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