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第1章 変化の始まり
生活の変化 #1
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目前に広がるのは緑と茶色のグラデーション。
木や草が生い茂っている様だ。
ここはリミルが育った場所、リンドの森。
リミルは生まれた場所は知らない。
親も知らない。
物心ついた頃からここにいた。
リンドの森には様々な魔物がいる。
弱いのも強いのも、たくさん。
種類も生息数も多い危険地帯であり、冒険者の狩り場でもある。
冒険者とは、文字通り冒険をする者を指すが、この世界の広義的な意味ではギルドと呼ばれる組織に所属する者を総称する言葉でもある。その中でも魔物の狩りを主に行う、戦闘系の職業を持つ者達を畏敬を込めて"プレイヤー"と呼ぶ。冒険者のほとんどがこのプレイヤーであるため、総じて冒険者と呼ぶようになったと言われている。
この世界での"プレイヤー"とは"立ち向かう者"若しくは"闘う者"を意味する言葉である。
リミルはその冒険者だ。
だが彼は狩りに来た訳では無かった。
リミルはクライと出会った事やこれまでにあった色々な出来事に思いを馳せていた。
育った故郷に別れを告げて旅に出てしまおうと考え、魔物が住み着いて仕舞わないように拠点を片し終えた所だった。
旅立ちを考えたきっかけは高位冒険者としてギルドに認められたこと、成人年齢である24歳をいつの間にか越えていたこと、クライが進化したことで背に乗れるようになったことなどが挙げられる。
「そろそろ行くか…」
<ああ、そのうちまた来ればいいんだから、そう感傷に浸るなよ。ホームポイントなんだからいつでも《転移門》で来られるだろ>
クライは呆れた様子でリミルを見る。
「良いだろ、ちょっとくらい!雰囲気楽しんだって!」
引越しのときって少し物悲しさがある、と誰かが話していたのを聞いたことがあった。それを体験したっていいじゃないか、とリミルは思った。
<ま、イイけどよ?どこに向かうのかは決めてんのか?>
「ああ、とりあえず、イレアの街から街道沿いに西に向かう」
アランシア大陸、北東部に大きく広がるリンドの森。その南に位置する巨大な要塞都市、イレア。
森から幾らか距離を置いた場所にあるその街は、外周を囲む防壁が八角形の形をしており、大人2,3人分ほどの間隔を開けて内側に、もう2周、防壁がそびえ立っている。
一番内側の防壁内部だけで生活できるように設計されており、万が一、森からモンスターが溢れかえったとしても篭城戦はお手の物、といった様子だ。
イレアの街は上空から見下ろせば蜘蛛の巣のような見た目になっていて、中央から壁8箇所に向かって真っ直ぐに大通りが伸び、それらを幾つもの道が繋いでいる。
内側の防壁にはそれぞれ8箇所、門が設置されているが、外周の防壁には東西南北の4箇所にしか門がない。その分護りやすくなっている。
そんなイレアの北門をくぐり抜け、二人は街の中央にあるギルドへと向かう。
数年前にギルドに登録してからちょくちょく来ているが前にも増して視線を感じる。
「すっかり注目の的だな、クライ?」
<珍しいものに進化したからな、仕方ない。だが相変わらずリミルを見ているやつもちらほらいるぞ?>
クライは当然だとばかりに涼しい顔をしている。
表情を変えずに注意を促す。
「ああ、大丈夫だ。何人かは前からずっと警戒している奴らだ。増えた奴らはまた覚えるだけだ」
顔さえ覚えれば避けるのは容易い。リミルは喧嘩のような争い事は出来るだけ避けることにしている。アンリエットという、昔世話になった女性との約束だ。
警戒はしつつ二人は喋りながら中央広場へと歩く。
<ギルドに行くのか?>
「ああ、ギルドマスターには挨拶しておかないとな」
<そうだな、言わずに出るのは不味いな>
ギルドにはギルド管理者と呼ばれる者達がいる。
ギルド管理者になるにはある特定の条件があり、一つの街に複数いるが人数は街の規模によって変わる。
その複数いるギルド管理者をまとめるのがギルドマスターだ。
ある特定の条件というのが、魔神もしくは鬼神になることだ。これらは魔族の頂点であり、なろうと思ってなれるものではない。魔神や鬼神になるための条件が幾つもあるからだ。
魔族というのは人種の内の一つで、他に、獣人族、竜人族、小人族、妖精族、木人族などがいる。
魔族はさらに魔人族と鬼人族に分かれるが、"魔人"と"魔神"や"鬼人"と"鬼神"がごっちゃにならないように種族は魔族と名乗る。鬼人族には鬼人族特有の角があるので直ぐに見分けがつくため魔族でまとめても支障はない。
鬼神というのは鬼人族が進化した姿で、魔神と違ってめったに現れない。魔神は魔人族が進化した姿でギルド管理者及びギルドマスターの殆どがこれだ。進化条件は魔神も鬼神も同じ。ただ、鬼神はギルド管理者にはならず、ギルドマスターになる。その希少性と鬼神になった者への信頼度の高さゆえの措置だ。
魔神や鬼神になった者は種族を魔族とは名乗らず、魔神、若しくは、鬼神、と名乗る。
**
今後の事を話しているうちにギルドに着いた。
木や草が生い茂っている様だ。
ここはリミルが育った場所、リンドの森。
リミルは生まれた場所は知らない。
親も知らない。
物心ついた頃からここにいた。
リンドの森には様々な魔物がいる。
弱いのも強いのも、たくさん。
種類も生息数も多い危険地帯であり、冒険者の狩り場でもある。
冒険者とは、文字通り冒険をする者を指すが、この世界の広義的な意味ではギルドと呼ばれる組織に所属する者を総称する言葉でもある。その中でも魔物の狩りを主に行う、戦闘系の職業を持つ者達を畏敬を込めて"プレイヤー"と呼ぶ。冒険者のほとんどがこのプレイヤーであるため、総じて冒険者と呼ぶようになったと言われている。
この世界での"プレイヤー"とは"立ち向かう者"若しくは"闘う者"を意味する言葉である。
リミルはその冒険者だ。
だが彼は狩りに来た訳では無かった。
リミルはクライと出会った事やこれまでにあった色々な出来事に思いを馳せていた。
育った故郷に別れを告げて旅に出てしまおうと考え、魔物が住み着いて仕舞わないように拠点を片し終えた所だった。
旅立ちを考えたきっかけは高位冒険者としてギルドに認められたこと、成人年齢である24歳をいつの間にか越えていたこと、クライが進化したことで背に乗れるようになったことなどが挙げられる。
「そろそろ行くか…」
<ああ、そのうちまた来ればいいんだから、そう感傷に浸るなよ。ホームポイントなんだからいつでも《転移門》で来られるだろ>
クライは呆れた様子でリミルを見る。
「良いだろ、ちょっとくらい!雰囲気楽しんだって!」
引越しのときって少し物悲しさがある、と誰かが話していたのを聞いたことがあった。それを体験したっていいじゃないか、とリミルは思った。
<ま、イイけどよ?どこに向かうのかは決めてんのか?>
「ああ、とりあえず、イレアの街から街道沿いに西に向かう」
アランシア大陸、北東部に大きく広がるリンドの森。その南に位置する巨大な要塞都市、イレア。
森から幾らか距離を置いた場所にあるその街は、外周を囲む防壁が八角形の形をしており、大人2,3人分ほどの間隔を開けて内側に、もう2周、防壁がそびえ立っている。
一番内側の防壁内部だけで生活できるように設計されており、万が一、森からモンスターが溢れかえったとしても篭城戦はお手の物、といった様子だ。
イレアの街は上空から見下ろせば蜘蛛の巣のような見た目になっていて、中央から壁8箇所に向かって真っ直ぐに大通りが伸び、それらを幾つもの道が繋いでいる。
内側の防壁にはそれぞれ8箇所、門が設置されているが、外周の防壁には東西南北の4箇所にしか門がない。その分護りやすくなっている。
そんなイレアの北門をくぐり抜け、二人は街の中央にあるギルドへと向かう。
数年前にギルドに登録してからちょくちょく来ているが前にも増して視線を感じる。
「すっかり注目の的だな、クライ?」
<珍しいものに進化したからな、仕方ない。だが相変わらずリミルを見ているやつもちらほらいるぞ?>
クライは当然だとばかりに涼しい顔をしている。
表情を変えずに注意を促す。
「ああ、大丈夫だ。何人かは前からずっと警戒している奴らだ。増えた奴らはまた覚えるだけだ」
顔さえ覚えれば避けるのは容易い。リミルは喧嘩のような争い事は出来るだけ避けることにしている。アンリエットという、昔世話になった女性との約束だ。
警戒はしつつ二人は喋りながら中央広場へと歩く。
<ギルドに行くのか?>
「ああ、ギルドマスターには挨拶しておかないとな」
<そうだな、言わずに出るのは不味いな>
ギルドにはギルド管理者と呼ばれる者達がいる。
ギルド管理者になるにはある特定の条件があり、一つの街に複数いるが人数は街の規模によって変わる。
その複数いるギルド管理者をまとめるのがギルドマスターだ。
ある特定の条件というのが、魔神もしくは鬼神になることだ。これらは魔族の頂点であり、なろうと思ってなれるものではない。魔神や鬼神になるための条件が幾つもあるからだ。
魔族というのは人種の内の一つで、他に、獣人族、竜人族、小人族、妖精族、木人族などがいる。
魔族はさらに魔人族と鬼人族に分かれるが、"魔人"と"魔神"や"鬼人"と"鬼神"がごっちゃにならないように種族は魔族と名乗る。鬼人族には鬼人族特有の角があるので直ぐに見分けがつくため魔族でまとめても支障はない。
鬼神というのは鬼人族が進化した姿で、魔神と違ってめったに現れない。魔神は魔人族が進化した姿でギルド管理者及びギルドマスターの殆どがこれだ。進化条件は魔神も鬼神も同じ。ただ、鬼神はギルド管理者にはならず、ギルドマスターになる。その希少性と鬼神になった者への信頼度の高さゆえの措置だ。
魔神や鬼神になった者は種族を魔族とは名乗らず、魔神、若しくは、鬼神、と名乗る。
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今後の事を話しているうちにギルドに着いた。
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