稀有ってホメてる?

紙吹雪

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第2章 覚悟と旅立ち

取得と習得と体得 #5

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「ドロップで稀に取れる魔石あるだろ?あれを大量に使った。沢山持ってるから折角だしってことでルシノにお願いして空間魔法をこれでもかって組み込んでもらって建てたんだ。10の部屋の隣にある浴室も中で性別ごとに別れられるように、脱衣所と浴室のセットが…確か6つだったかな?」

『もしかして部屋以外に他にも?』

「カウンターキッチンの裏の食料保管庫とか倉庫とか、地下には訓練所とかいろんな部屋があるよ。前にクロトが話してくれたクロトのいた世界のもので再現できそうなものは片っ端からルシノと相談しながら作ってみたけど今日は行く所があるからまた今度見せるよ。まだ完成してない部屋もあるし。」

『それは楽しみだなぁ。やっぱすげぇな…。』


 クロトがルシノに感心したところで続々と皆が部屋から出てきてそれぞれ感想を言ってくれた。アキリムは『あれも凄い、これも凄い、全部凄い。』と最終的に凄いしか言えていなかったが熱意が凄かった。ニーナは部屋の模様替え装置に気がついたらしく、早速自分好みに部屋を改造したと嬉しそうに話してくれた。この模様替え装置というのはルシノが作り出したものだ。それを聞いたときに、もし家を作るとしたらという話になってそれが切っ掛けでこの家を作ることになった。

『そうそう!それも凄いよね!模様替えだけで楽しめそうだったから壁とかの色を変えるだけにしておいた。集合って言われたの思い出して出てきたんだよ。』

『あたしは着替えやすいように家具の配置を少し弄ったよ!壁紙も家具の色ももう少し触りたいんだけどね。』

『俺はクライの部屋との間にドアを作ってきた。姿が見える方が良いみたいで開けっ放しだけど。』

<番が見える方が安心するのは当たり前だ。>

『そう見たいだね。あたしのパパとママは同じ部屋にいる事が多かったよ。』

 クライが『そうだろう。そうだろう。』という感じで大きく頷き、ジャックも微笑ましそうなのでまあ満足していると思う。

「それじゃ、遊びに行くか。とりあえず風飛膜を身につけて外に出るぞ。」



 風飛膜を身につけた一行が庭に出ると広い芝生が広がり、奥に小さな小屋とガラス張りの建物が見えた。リミルはそれには見向きもせず、裏門の様な所を開けると出ていった。リミルが門を通り過ぎた瞬間、リミルの姿が見えなくなる。

『消えた?』

<ただの結界だ。気にせず行け。>

『おっけー。』

 アキリム、クロト、ニーナ、クライと続き、ジャックが門を閉めながら外へ出るとそこは渓谷を臨む展望デッキだった。

『うわ、高けー!』

『凄ーい。風が気持ちいいわ。』

『あれ?下に何か見えるよ?』

『風飛膜ってことはもしかして下に行くのか?クライはどうするんだ?』

「クライは俺がおんぶして飛ぶよ。慣れてるから。クライはジャックにおんぶして欲しいのかもしれないけど…。」

<いや、俺の下敷きになってはジャックが見えなくて心配だ。リミルの背中からなら問題なくジャックを見つめていられる。>

「そうか。なら問題ないな。」

『お…おう。』

 リミルは早速飛ぶ準備をし始める。アキリムが乗り気でニーナも楽しげである。クロトは楽しみ半分不安半分と言った感じだ。ジャックはクライを見やすいように、クライが見やすいように、リミルから少し離れた位置で準備を始めた。

『着地ってどうするんだ?パラシュートもないし、風飛膜だけで大丈夫なのか?』

「飛膜のある生き物を見た事は?」

『一応テレビで映像としてなら。』

「そいつらはパラシュートととやらを使ってるのか?」

『いや、飛膜だけだな。』

「そんな感じだ。陸地も一応有るが怖いなら水の中に降りても大丈夫だ。どうせ後で入るしな。陸地にはセラリアのギルド管理者が1人は必ず居るからその人が必ず魔法で助けてくれる。安心して飛ぼう。そこの上昇気流に行けばゆっくり上昇するから陸が近づいて怖いなら慣れるまで出入りを繰り返せば良い。それかクライの上に乗って降りるか?俺が下に近づいたらクライはジャンプで陸地に降りるから多分1番安全な降り方だけど。」

 クロトは悩んだ末、興味が勝り、自分で降りることにした。皆が展望デッキの手すりに乗り上げ一斉に飛んだ。
 クロトとニーナは上昇気流とそれによって出来た下降気流の間を飛んで上手くゆっくりと降りていく。アキリムは興味かリミルに着いてきた。ジャックはクライに寄り添うように近くを飛んだ。
 リミルはいつも通り、楽しみながらヒラヒラと舞う紙の様に右へ左へ移動しながら降りていった。
 地面近くになりクライが背中から降りると速度が幾分か遅くなり、リミルはゆるっと陸地へ降り立った。アキリムは着陸は諦めて着水し、ジャックは着水直前にクライが拾った。ニーナとクロトが遅れて着水し、川から3人が陸へ上がると服だけが乾いた。

『毛も一緒に乾けばいいのになぁ。《温風ドライアー》。』

 ニーナは獣人なため、尻尾と耳が濡れて気持ち悪い様で、髪の毛も一緒に乾かしていた。それを見てうんうんと頷くクロトは心做しか口元が緩んでいる。



 飛んでいる間、谷底の陸地からリミル達を見ていた人物が近づいてくる。

『いらっしゃい。リミルちゃん。今日は大勢で来たのね。楽しんでいってね。』

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