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our song (完結)
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「ねぇ、覚えてる?私たちの歌。」
大学に入り新生活を始めた僕は、そこで友達を作り、新しいコミュニティを楽しんでいた。
第一、高校時代は友人なんてほとんどいなかった。
学校以外で友人と遊んだことすらなかった。
だから、元クラスメイトから同窓会の誘いが来た時は驚くとともに複雑な気持ちになった。
「はぁ…。どうしようかな…。」
別に行かない理由は無い。
だけど、行っても話す友達もいないしな。
「「かんぱーい!」」
結局来てしまった。
大学の友達に勧められたからだ。
周りでは修学旅行やクラスでの思い出話をしている。
もちろん、僕は1人でジュースを飲んでいる。
「どうせ、僕はボッチですよ!」
僕は呟いた。
すると、
「いたいた!探してたのよー。」
僕が声の方へ向くと、そこには元生徒会長が立っていた。
彼女は美人で成績優秀、おまけに運動も得意とまさに完璧という言葉がふさわしい人だ。
当時は学年の男子生徒の多くが惚れていた。
「久しぶり。元気にしてた?」
彼女は僕の隣に座って話しかけた。
めったに女性と話さないので、緊張してしまい、
「えっ、、、まぁ、元気にしてたよ。」
きょどってしまった。
あちゃー。大学生になっても、こんなんだから彼女ができないんだよ。
すると、元クラスメイトの男が、
「会長!久しぶり!やっぱ、可愛いねー!」
と間を割って彼女に話しかけた。
「ええ、久しぶりね。」
彼女は僕に、
「後で話しましょ。」
と言って、男の方へ行った。
向こうで話してる声が聞こえる。
「会長って何でもできるよねー。本当に完璧な女ってかんじ。」
さっきの男が彼女を褒めている。
「卒業式の歌まで作っちゃうんだもんね。」
あっ。それは…。
「ちっ、違っ…。」
彼女は何かを言いかけた。
しかし、男が遮る。
「さすが会長!俺、今でも歌えるぜー!」
彼女が言いたかったことを僕は知っている。
僕が通った高校では、卒業式の最後にその年の卒業生が作った歌を歌うという伝統があった。
当時、ピアノを弾くことができたのは僕だけだった。
それを黙っていたが、会長に見つかり結局作曲を担当することになった。
作詞は彼女が担当した。
僕は彼女が作曲したことにして欲しいと頼んだ。
もちろん、反対された。
しかし、僕は目立ちたくなかった。
結局、歌の後で先生は、
「作詞作曲は生徒会長でした。」
と紹介した。
それでよかった。
「待って!私が作曲したわけじゃないの!」
珍しく取り乱した様子で、男に訴えかけた。
そして、僕の方を見て、
「彼が作ってくれたのよ。」
「「えええーー!?」」
周囲は驚きを隠せなかった。
「おいおい、あんな陰キャが作った曲だったのかよ。どおりで、陰気臭かったんだよな。」
男は笑った。
すると、彼女は
「黙りなさいっ!私たちの歌をバカにするなんて!」
大声で叫んだ。
男は驚いて、
「べっ、別に会長の作った歌詞を馬鹿にしたわけじゃないよ。」
しかし、彼女の怒りは収まらなかった。
そして、男の胸ぐらを掴み、
「許さない!」
周りは、驚きすぎて固まっていた。
「ちょっと、会長。僕のことは別にいいよ。そんなに気にしてないし。」
気がつけば、僕は彼女に話しかけていた。
とりあえず、この場を丸く収めたい。
それだけだった。
すると彼女は僕の方を向いて、
「あなたはそれでいいの?自分の、いいえ私たちの歌を馬鹿にされて。」
彼女の目には涙が浮かんでいた。
「私は辛かった。あなたの作った曲を奪ってしまったような気がしてたまらなかった。
私はあなたの曲が心から好きなの。だから、辛いの。」
彼女は続ける。
「あなたはあの時からそうだった。自分の能力に自信がないからって逃げてばっかり。
私は嬉しかった。あなたと一緒に歌を作れたから。」
僕は最低だ。
逃げてばっかで、周りに迷惑をかけて。
そして、彼女を泣かせた。
彼女の言葉が僕に突き刺さった気がした。
「おい!」
僕は男を指差して叫んだ。
「あれは、僕たちの歌だ!だから、馬鹿にするなっ!!」
男はとても驚いた様子だった。
めったに怒らない僕が、キレたんだから。
彼女は僕の手を握り、
「ありがとう。」
と呟いた。
彼女は泣いていた。
しかし、笑顔だった。
「こちらこそ、ごめん。自分のことばかり考えて、会長のことを全然考えてなかったよ。」
僕は謝った。
「ううん。私は、あなたが守ってくれたから嬉しい。
私たちの歌を」
2人は見つめあいながら、笑顔で泣いていた。
大学に入り新生活を始めた僕は、そこで友達を作り、新しいコミュニティを楽しんでいた。
第一、高校時代は友人なんてほとんどいなかった。
学校以外で友人と遊んだことすらなかった。
だから、元クラスメイトから同窓会の誘いが来た時は驚くとともに複雑な気持ちになった。
「はぁ…。どうしようかな…。」
別に行かない理由は無い。
だけど、行っても話す友達もいないしな。
「「かんぱーい!」」
結局来てしまった。
大学の友達に勧められたからだ。
周りでは修学旅行やクラスでの思い出話をしている。
もちろん、僕は1人でジュースを飲んでいる。
「どうせ、僕はボッチですよ!」
僕は呟いた。
すると、
「いたいた!探してたのよー。」
僕が声の方へ向くと、そこには元生徒会長が立っていた。
彼女は美人で成績優秀、おまけに運動も得意とまさに完璧という言葉がふさわしい人だ。
当時は学年の男子生徒の多くが惚れていた。
「久しぶり。元気にしてた?」
彼女は僕の隣に座って話しかけた。
めったに女性と話さないので、緊張してしまい、
「えっ、、、まぁ、元気にしてたよ。」
きょどってしまった。
あちゃー。大学生になっても、こんなんだから彼女ができないんだよ。
すると、元クラスメイトの男が、
「会長!久しぶり!やっぱ、可愛いねー!」
と間を割って彼女に話しかけた。
「ええ、久しぶりね。」
彼女は僕に、
「後で話しましょ。」
と言って、男の方へ行った。
向こうで話してる声が聞こえる。
「会長って何でもできるよねー。本当に完璧な女ってかんじ。」
さっきの男が彼女を褒めている。
「卒業式の歌まで作っちゃうんだもんね。」
あっ。それは…。
「ちっ、違っ…。」
彼女は何かを言いかけた。
しかし、男が遮る。
「さすが会長!俺、今でも歌えるぜー!」
彼女が言いたかったことを僕は知っている。
僕が通った高校では、卒業式の最後にその年の卒業生が作った歌を歌うという伝統があった。
当時、ピアノを弾くことができたのは僕だけだった。
それを黙っていたが、会長に見つかり結局作曲を担当することになった。
作詞は彼女が担当した。
僕は彼女が作曲したことにして欲しいと頼んだ。
もちろん、反対された。
しかし、僕は目立ちたくなかった。
結局、歌の後で先生は、
「作詞作曲は生徒会長でした。」
と紹介した。
それでよかった。
「待って!私が作曲したわけじゃないの!」
珍しく取り乱した様子で、男に訴えかけた。
そして、僕の方を見て、
「彼が作ってくれたのよ。」
「「えええーー!?」」
周囲は驚きを隠せなかった。
「おいおい、あんな陰キャが作った曲だったのかよ。どおりで、陰気臭かったんだよな。」
男は笑った。
すると、彼女は
「黙りなさいっ!私たちの歌をバカにするなんて!」
大声で叫んだ。
男は驚いて、
「べっ、別に会長の作った歌詞を馬鹿にしたわけじゃないよ。」
しかし、彼女の怒りは収まらなかった。
そして、男の胸ぐらを掴み、
「許さない!」
周りは、驚きすぎて固まっていた。
「ちょっと、会長。僕のことは別にいいよ。そんなに気にしてないし。」
気がつけば、僕は彼女に話しかけていた。
とりあえず、この場を丸く収めたい。
それだけだった。
すると彼女は僕の方を向いて、
「あなたはそれでいいの?自分の、いいえ私たちの歌を馬鹿にされて。」
彼女の目には涙が浮かんでいた。
「私は辛かった。あなたの作った曲を奪ってしまったような気がしてたまらなかった。
私はあなたの曲が心から好きなの。だから、辛いの。」
彼女は続ける。
「あなたはあの時からそうだった。自分の能力に自信がないからって逃げてばっかり。
私は嬉しかった。あなたと一緒に歌を作れたから。」
僕は最低だ。
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そして、彼女を泣かせた。
彼女の言葉が僕に突き刺さった気がした。
「おい!」
僕は男を指差して叫んだ。
「あれは、僕たちの歌だ!だから、馬鹿にするなっ!!」
男はとても驚いた様子だった。
めったに怒らない僕が、キレたんだから。
彼女は僕の手を握り、
「ありがとう。」
と呟いた。
彼女は泣いていた。
しかし、笑顔だった。
「こちらこそ、ごめん。自分のことばかり考えて、会長のことを全然考えてなかったよ。」
僕は謝った。
「ううん。私は、あなたが守ってくれたから嬉しい。
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2人は見つめあいながら、笑顔で泣いていた。
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