地味で根暗で残念ですが、直視できないくらいイケメンで高スペックな憧れの先輩に溺愛されそうなので、全力で逃げています。

藤 慶

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第1章 シンデレラはガラスの靴をk点に向かって全力で投げた

逃げても、避けても、忘れても。<79>

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「今日、千波と来たの?」



帰りの車の中。

二人が車で帰ってすぐ、押し込む様に私を車の後部座席に乗せて、冬野さんは車を走らせ始めた。




「はい」

「何で俺じゃなくて、千波ばっか頼るかな? 俺の存在、3日で忘れたとか?」




どんな健忘症患者だよ。

メモリーカードの入ってない容量のないスマホじゃないんだから、記憶がない訳がない。





なんで?



冬野さんにしては、少し恨みがましい口調。顔は涼しげだけど、ちょっと意地悪な言い方だ。





「覚えてますよ。別に頼ってないですよ」




「でも、俺とじゃなくて、千波と行こうと思ったんだよね?」







何か絡み口調。



冬野さんも人に絡む様な物言いするんだ。




「してないですよ。私、ちなとアドレス交換だってしてないんですから」

「は? ちなって誰?」



しまった。

つい、あだ名で呼んじゃった。



「千波君、名字初めて見た時、ちなみくんって呼んじゃって、それからついつい」

「え、俺の事は全然気軽に名前も呼ばないのに、千波とは随分仲良いよね」

「だって3年も付き合って来たんですよ、飲み会の度に」



ん、私、今、何か誤解と言うか、盛大に説明が必要となる爆弾発言したような。




「は?……付き合って来たってどういう事」

「ど、どうって、飲み会の後、後ろから付いてきて、お茶飲みに行って……」





ちなの家に泊まってた。

年に4,5回。

最初に泊まった時に買ったテキーラのフルボトル。

前回で全部飲み切る程。



「この前、みたいに泊まってた訳。……俺の店に一度も来てくれなかった理由って千波と一緒に居たかったからな訳?」



ん?



どういう事?



「え、別に冬野さんのお店、関係無いじゃないですか?」



「もう、ごめん。ちょっと黙って。運転集中できなくなりそうだから」



「はい」




冬野さんは黙り込んでしまって、私ももう静かにしているしかなかった。

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