地味で根暗で残念ですが、直視できないくらいイケメンで高スペックな憧れの先輩に溺愛されそうなので、全力で逃げています。

藤 慶

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第2章 人の人生を変えるなら、人に人生変えられるかくご位してやがれ

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「お待たせ。何か飲む?」



冬野さんは、バスルームから戻ると冷蔵庫からペットボトルの炭酸水を取り出した。



「いえ、大丈夫です」



私は炭酸水を飲む冬野さんの隣に並んだ。



「どうしたの?」

「あ、ちょっと近くに居たいなと思ってつい」



冬野さんは目を丸くして、私に顔を近づけたが、今日はキスしてくれなかった。





「……そろそろ、寝る?」

「そうですね。ユキさん、明日のご予定は?」




私、何かしただろうか?




冬野さんがキスしたくなくなる様な何か?




どうして……。





「そうだね、セイが良ければ、午後は一緒にジムに行きたい」

「私も、行きたかったです。走るのも好きですけど、泳ぐのも」





まだ一度もキスしてくれない違和感は、意識し出すと止まらない。



でも、自分から言い出すなんて出来ない。




「もちろん。午前中は少し、片づけモノがあるんだけど」

「私、冬野さんと一緒に過ごせるなら、何でも。一緒に居てお邪魔じゃなければ」




冬野さんと寝室へ、今日は私は歩いて冬野さんの寝室に入った。



冬野さんが先にベッドに上がると私に手を差し伸べて来るので、私は右手を差し出した。



私の手を取ると、冬野さんは私をベッドに引き上げ、私は冬野さんの胸の上にうつぶせに倒れた。



冬野さんの胸の上で、冬野さんのに柔らかい香りに包まれ、背中を両手で抱きしめられた。



「何か違うシャンプーの匂い、もしかしてシャンプーも買って来たの?」

「はい、冬野さんが使っているの、いつも使ってたら、すぐなくなっちゃうので、普段使っている奴を買ったんですけど? お嫌いでした?」

「いいや、普段のセイの匂い、嫌いじゃないよ。別に気にしなくて良いのに。これ、何の香りだろ? 」

「洋ナシの香りです。南国っぽくないですか?」

「確かに、嫌いじゃないよ。時々、似た匂い嗅いだ事あったから、気になってたんだけどね」




私も、私が時々冬野さんの匂いだって実感するような感覚を、冬野さんに同じように感じさせる事があるんだ。



そう思うと、照れくさかった。



嫌いじゃないのは、せめてもの心の救いだ。




「冬野さんは、バニラっぽい薔薇の香りがして好きです」

「バラの香りか」

「でも、赤じゃなくて、白の薔薇」

「こだわるね」

「何かイメージで浮かぶのが大輪の白い薔薇なんです。変なの」

「……そんな事ないよ。セイって不思議だよね? 俺、時々、驚かされるよ」






「私は、冬野さんの顔が近づく度、心臓停まりそうになります」
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