チート異世界転生したら火炙りになってま死た。

旺璃

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オープニング

研修天使ラブリエル②

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 冷たくも心地いい床から立ち上がる。そこで自分が裸である事にようやく気付いた。土下座ばかりに気を取られていたからだろう。ラブリエルいわく"ぐっちゃぐちゃ"だった身体は何事もなかったように存在している。少なくとも擦り傷や打ち身程度はあったはずの身体は、それどころか、年々増えていくシミや手首の傷も、ついでにムダ毛もわき毛も消え去っていた。そしてパイパンだった。これはどちらの趣味なのだろうか。血色がよく、長年の冷え性で死体のようだった指先まで、きちんと血液が循環している実感さえある。

「ほとんど一から作り直すキャラクリエイトみたいなもんだったので~、多少いじれる範囲は僕好みにしちゃいました!預かった資料ではぼさぼさのおじさんだったのでモチベーションもクソもって感じだったんですけど~…ちゃんとすれば割と好みの顔だったんで結果オーライ、ですね!」

 人命が軽い。いや、元の世界でもそう重いものではなかったように思うが。何か羽織るものでもないかと訊ねるも、これからすぐに転生するからいらないと男が言った。

「さて、貴方のこれからについての説明でもしましょうか~。ここは異世界転生課ですので、姿形は基本的にそのまま……まあ担当によっては赤ちゃんからスタートしたり、性転換やモンスター化したりもするのですが、せっかくなのでそのままの身体で行ってもらいましょう!」
「性転換」
「ダメです」

 即答。異世界転生ジャンルは今や熾烈な争いになっていると聞く。並大抵の転生ではインパクトに欠けるが故に、魔王になったり、スライムになったり、悪役令嬢になったりもしたと記憶しているが、オレはそうはならないらしい。どうせなら華々しい第二の人生をと思ったが、このままの見た目では期待も持てないだろう。三流作家の描く平々凡々な異世界転生なのも無理はない──

「ただし、まあ、こちらの落ち度で人生終了ゲームオーバー&続投不可ノーコンティニューとなってしまいましたので、チート能力を差し上げますね!」

 ──事もないようだ。強くてニューゲーム。チート異世界転生もそれなりに覇権を握っていると聞くが、その枠にあっさりと入れるというのは意外だった。

「これから貴方が転生する先は『大樹の都』と言います。元々いた世界に蘇る事はないので、というか、拾いきれなかった紅葉おろし部分やらパーツやらで既に死亡扱いとなったようなので~…、まあ、終了クリア条件は特にありません!そもそも貴方は主人公ではありませんので、いわゆるスローライフゲームみたいなものだと考えて、好きに生きてください!あ、メニューの開き方とかは別途説明チュートリアルしますね~」
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