44 / 115
「追跡」
しおりを挟む
夏休み。多くの生徒達が帰省し、家族や友人と時間をともにする中聖堂寺結巳はある一点に目を向けていた。
視線の先には松阪隼人。特徴的な銀髪を揺らしながら、道路を歩いている。
「お母様にはああ言われたけど、まさか本当にするなんてね。自分でも驚き」
自分自身を軽く自嘲しながらも、ターゲットである隼人から視線を離さないでいた。
全ては彼を理解するとともに、己の実力向上の鍵を掴むためだ。結巳は彼に大体の境遇について、話した。己の家。そして自分の目標。
しかし、隼人からの情報はほとんどない。唯一あるのが彼の祖父が対策本部の人間だったというだけだ。
「バレないように行こう」
結巳は電柱や道の角などを利用して、適切な距離から彼を追っていく。
「あれ? かわいいねえ。お姉さん」
隼人を追いかけて、数分後。早速トラブルが起こった。声のする方に眼を向けると二人組の男がいた。
一人は赤色のシャツ。もう一人はギラついたサングラスとピアス。見るからに輩っぽい人間だった。
「よかったら俺達と遊びに行かない? ほら、飯奢ってやるからさ」
「なっ、なんなんですか! あなたたちは! あっち行ってください!」
「おお! 気が強いね! いいじゃん!」
男の一人が結巳の手首を掴んだ。その瞬間、堪忍袋の尾が切れた彼女はそのまま、男を投げ飛ばした。
「このアマ。人が優しくしてやったらいい気になりやがって!」
そばにいた赤シャツの男が結巳に殴りかかろうとしていた。
「よう。聖堂寺」
聞き覚えのある声が耳に入り、視線を向けると隼人が立っていた。
「松阪くん!」
「あの、この子。俺の友達なんで失礼しますね」
「なんだよ。連れ待ちかよ。いこーぜ」
男の人が結巳を離して、もう一人を連れてどこかへと歩いて行った。最悪の事態にならずにホッと胸をなでおろした。
「手首、大丈夫か?」
「ええ。ありがとう」
「それで、なんで俺をつけていたんだ?」
「なぜそれを?」
「視線を感じて角曲がるときに鏡を見て、確定した」
隼人が路上に設置されている鏡を指差した。もう言い逃れはできない。
「あっ、あなたの後を追えば、あなたが戦闘員になりたがっている理由がわかるんじゃないかと思いまして」
隼人が目を丸くしていた。おそらく予想すらしていなかった内容だったのだろう。
「ほっ、ほら貴方。自分の事をあまり話さないじゃない」
結巳は隼人に突き刺さるようなまっすぐな瞳を向けた。
「分かった。ちょうど向かうところだったし。ついてこい」
隼人の言葉に従い、結巳は彼の後を追った。
松阪隼人は内心、少し驚いていた。クラスメイトである聖堂寺結巳が自身の後をつけていたからだ。
特に知られてはいけない事があるわけではないが、少し探られているように少し気が引けた。
自分の事を話さない。結巳が言ったその言葉は確かなものだった。しかし、それは彼自身が外交的であることに意味を見出していないからだ。
「あれだ」
隼人の目の前にある古い日本家屋。街中と隔絶されているからか、静けさが漂っている。
「爺ちゃん。いるか?」
隼人は声を上げると、奥から足音が聞こえて、引き戸が開いた。
「ようきたな。おや、お隣のお嬢さんは?」
「初めまして、松阪隼人の同級生。聖堂寺結巳と申します」
「お初お目にかかります。結巳様。松阪隼人の祖父。松阪シライでございます」
結巳が自己紹介をするやいなや祖父が丁重に頭を下げた。
「隼人! 聖堂寺の方が来ると言うのなら連絡の一つでも入れんか! 茶の一つも用意できんかったではないか!」
「良いんです。お祖父様。私も彼とは先ほどあったばかりなので」
隼人を咎めるシライを諭す結巳。彼女の言葉で納得したのか、シライは小さく頷いた。
「爺ちゃん。準備は出来ているんだろうな?」
「もちろん。ついてこい。結巳様もこちらへ」
シライに連れられるままに足を進めると、そこには綺麗な畳が敷かれている一室があった。
木の匂いがほんのりと漂う道場。隼人はここで何度もシライと剣を合わせた。
「道場?」
「ああ、今日はここで爺ちゃんに稽古をつけてもらう。良かったらあんたもやるか?」
「えっ?」
「それは良いな。結巳様も是非、一本どうですか? 今は前線から離れた身ではありますが後進に助言の一つは出せるとかと」
「分かりました。お願いします」
結巳が隼人とシライの提案を受け入れた。彼女自身、剣術は隼人に遠く及ばない。
その彼に剣を教えた師というなら様々な意見が聞けそうだったからだ。
「ルールは至ってシンプル。わしに一度でも当てる事が出来たらそちらの勝ち。二人に触れれば、ワシの勝ち」
隼人と結巳。二人が竹刀を持って一人の相手に眼を向ける。
「では初め!」
シライの合図とともに隼人と結巳が駆け出した。
「うおお!」
隼人は竹刀を打ち込んでいくが、シライによって悉く|《ことごと》受け流される。
結巳も同様に攻め込んでいくが、先読みされたと言わんばかりに防がれてしまった。
「全く剣が届かない!」
「必ず一本取る!」
隼人は意志を固めて、再度挑んだ。自身の刀身とシライの刀身が重なった。その隙に結巳がシライ目掛けて、水平で竹刀を振った。
「それっ」
「なっ!」
隼人は急にバランスを崩して、前のめりになった。シライが力を抜いた時に力を入れていたせいで、前に出てしまったのだ。
「隙あり!」
シライがその失態を逃さずに彼の刀身が一瞬にして隼人を取り、水平切りで態勢が崩れた結巳の頭頂部に軽く当ててきた。
この試合はシライの圧勝で終わった。
「また負けちまった」
隼人はため息をついて、尻もちをついた。彼自身、何度も祖父と剣を重ねてきたが、未だ超えられない。
「動きは悪くないが、所々に粗があるな。結巳様も筋は悪くありませんが、まだまだですな」
「ありがとうございました」
「さて、茶でも入れよう」
シライが持ってきた緑茶と菓子で隼人達は一息ついていた。
「懐かしい気分ですな。お父様が幼少の頃、こうして稽古をつけていたものです」
「父のですか?」
結巳が興味津々そうな態度でシライに耳を立てた。隼人も彼女の父については少ししか知らない。
「ええ。お父様とは生前、懇意の中でした。幼い頃には剣の指南にも携わっていました。私が引退したのは何十年も昔のことですがそれ以降の個人的な関わりはございましたね」
シライが楽しそうにそれでいて、懐かしむような口調で話しをする。
「シライさん。お聞きしたい事があります。隼人君が使っている異能。『影焔』あれは一体、なんですか? 家にある異能に関する書物を読んでも一つもありませんでした」
結巳が芯のあるような目をシライに向ける。隼人は菓子に舌鼓を打ちながらも、耳を立てていた。
「あれはワシが現役だった頃、親友から教えてもらったモノです。その親友も迦楼羅の手にかかり亡くなりましたが」
白井が遠い目を作った。その遠くを見つめる目は隼人によく似ている。
「そういえば隼人。今日はあそこにいくのか?」
「ああ。もちろん」
「あそこ?」
「俺が戦闘員になりたい理由知りたいんだっけ? なら一緒に来い」
「ええ」
隼人と結巳が向かったのは夕焼けに照らされた草花生い茂る丘。
街が一望出来るほどの高さで建物が山吹色になっていた。
隼人は丘の近くにある一本の木に足を進めた。よく見るとそこには文字が刻まれた少し大きめの石が一つあった。
「ここは何?」
「俺の親友が忌獣に食われた場所だ」
結巳の表情がひきつったように見えた。
「詳しく聞かせてもらって良い?」
僅かに震えた結巳の声。それに応えるように隼人は固く閉ざした己の過去をゆっくりと紐解いて行った。
視線の先には松阪隼人。特徴的な銀髪を揺らしながら、道路を歩いている。
「お母様にはああ言われたけど、まさか本当にするなんてね。自分でも驚き」
自分自身を軽く自嘲しながらも、ターゲットである隼人から視線を離さないでいた。
全ては彼を理解するとともに、己の実力向上の鍵を掴むためだ。結巳は彼に大体の境遇について、話した。己の家。そして自分の目標。
しかし、隼人からの情報はほとんどない。唯一あるのが彼の祖父が対策本部の人間だったというだけだ。
「バレないように行こう」
結巳は電柱や道の角などを利用して、適切な距離から彼を追っていく。
「あれ? かわいいねえ。お姉さん」
隼人を追いかけて、数分後。早速トラブルが起こった。声のする方に眼を向けると二人組の男がいた。
一人は赤色のシャツ。もう一人はギラついたサングラスとピアス。見るからに輩っぽい人間だった。
「よかったら俺達と遊びに行かない? ほら、飯奢ってやるからさ」
「なっ、なんなんですか! あなたたちは! あっち行ってください!」
「おお! 気が強いね! いいじゃん!」
男の一人が結巳の手首を掴んだ。その瞬間、堪忍袋の尾が切れた彼女はそのまま、男を投げ飛ばした。
「このアマ。人が優しくしてやったらいい気になりやがって!」
そばにいた赤シャツの男が結巳に殴りかかろうとしていた。
「よう。聖堂寺」
聞き覚えのある声が耳に入り、視線を向けると隼人が立っていた。
「松阪くん!」
「あの、この子。俺の友達なんで失礼しますね」
「なんだよ。連れ待ちかよ。いこーぜ」
男の人が結巳を離して、もう一人を連れてどこかへと歩いて行った。最悪の事態にならずにホッと胸をなでおろした。
「手首、大丈夫か?」
「ええ。ありがとう」
「それで、なんで俺をつけていたんだ?」
「なぜそれを?」
「視線を感じて角曲がるときに鏡を見て、確定した」
隼人が路上に設置されている鏡を指差した。もう言い逃れはできない。
「あっ、あなたの後を追えば、あなたが戦闘員になりたがっている理由がわかるんじゃないかと思いまして」
隼人が目を丸くしていた。おそらく予想すらしていなかった内容だったのだろう。
「ほっ、ほら貴方。自分の事をあまり話さないじゃない」
結巳は隼人に突き刺さるようなまっすぐな瞳を向けた。
「分かった。ちょうど向かうところだったし。ついてこい」
隼人の言葉に従い、結巳は彼の後を追った。
松阪隼人は内心、少し驚いていた。クラスメイトである聖堂寺結巳が自身の後をつけていたからだ。
特に知られてはいけない事があるわけではないが、少し探られているように少し気が引けた。
自分の事を話さない。結巳が言ったその言葉は確かなものだった。しかし、それは彼自身が外交的であることに意味を見出していないからだ。
「あれだ」
隼人の目の前にある古い日本家屋。街中と隔絶されているからか、静けさが漂っている。
「爺ちゃん。いるか?」
隼人は声を上げると、奥から足音が聞こえて、引き戸が開いた。
「ようきたな。おや、お隣のお嬢さんは?」
「初めまして、松阪隼人の同級生。聖堂寺結巳と申します」
「お初お目にかかります。結巳様。松阪隼人の祖父。松阪シライでございます」
結巳が自己紹介をするやいなや祖父が丁重に頭を下げた。
「隼人! 聖堂寺の方が来ると言うのなら連絡の一つでも入れんか! 茶の一つも用意できんかったではないか!」
「良いんです。お祖父様。私も彼とは先ほどあったばかりなので」
隼人を咎めるシライを諭す結巳。彼女の言葉で納得したのか、シライは小さく頷いた。
「爺ちゃん。準備は出来ているんだろうな?」
「もちろん。ついてこい。結巳様もこちらへ」
シライに連れられるままに足を進めると、そこには綺麗な畳が敷かれている一室があった。
木の匂いがほんのりと漂う道場。隼人はここで何度もシライと剣を合わせた。
「道場?」
「ああ、今日はここで爺ちゃんに稽古をつけてもらう。良かったらあんたもやるか?」
「えっ?」
「それは良いな。結巳様も是非、一本どうですか? 今は前線から離れた身ではありますが後進に助言の一つは出せるとかと」
「分かりました。お願いします」
結巳が隼人とシライの提案を受け入れた。彼女自身、剣術は隼人に遠く及ばない。
その彼に剣を教えた師というなら様々な意見が聞けそうだったからだ。
「ルールは至ってシンプル。わしに一度でも当てる事が出来たらそちらの勝ち。二人に触れれば、ワシの勝ち」
隼人と結巳。二人が竹刀を持って一人の相手に眼を向ける。
「では初め!」
シライの合図とともに隼人と結巳が駆け出した。
「うおお!」
隼人は竹刀を打ち込んでいくが、シライによって悉く|《ことごと》受け流される。
結巳も同様に攻め込んでいくが、先読みされたと言わんばかりに防がれてしまった。
「全く剣が届かない!」
「必ず一本取る!」
隼人は意志を固めて、再度挑んだ。自身の刀身とシライの刀身が重なった。その隙に結巳がシライ目掛けて、水平で竹刀を振った。
「それっ」
「なっ!」
隼人は急にバランスを崩して、前のめりになった。シライが力を抜いた時に力を入れていたせいで、前に出てしまったのだ。
「隙あり!」
シライがその失態を逃さずに彼の刀身が一瞬にして隼人を取り、水平切りで態勢が崩れた結巳の頭頂部に軽く当ててきた。
この試合はシライの圧勝で終わった。
「また負けちまった」
隼人はため息をついて、尻もちをついた。彼自身、何度も祖父と剣を重ねてきたが、未だ超えられない。
「動きは悪くないが、所々に粗があるな。結巳様も筋は悪くありませんが、まだまだですな」
「ありがとうございました」
「さて、茶でも入れよう」
シライが持ってきた緑茶と菓子で隼人達は一息ついていた。
「懐かしい気分ですな。お父様が幼少の頃、こうして稽古をつけていたものです」
「父のですか?」
結巳が興味津々そうな態度でシライに耳を立てた。隼人も彼女の父については少ししか知らない。
「ええ。お父様とは生前、懇意の中でした。幼い頃には剣の指南にも携わっていました。私が引退したのは何十年も昔のことですがそれ以降の個人的な関わりはございましたね」
シライが楽しそうにそれでいて、懐かしむような口調で話しをする。
「シライさん。お聞きしたい事があります。隼人君が使っている異能。『影焔』あれは一体、なんですか? 家にある異能に関する書物を読んでも一つもありませんでした」
結巳が芯のあるような目をシライに向ける。隼人は菓子に舌鼓を打ちながらも、耳を立てていた。
「あれはワシが現役だった頃、親友から教えてもらったモノです。その親友も迦楼羅の手にかかり亡くなりましたが」
白井が遠い目を作った。その遠くを見つめる目は隼人によく似ている。
「そういえば隼人。今日はあそこにいくのか?」
「ああ。もちろん」
「あそこ?」
「俺が戦闘員になりたい理由知りたいんだっけ? なら一緒に来い」
「ええ」
隼人と結巳が向かったのは夕焼けに照らされた草花生い茂る丘。
街が一望出来るほどの高さで建物が山吹色になっていた。
隼人は丘の近くにある一本の木に足を進めた。よく見るとそこには文字が刻まれた少し大きめの石が一つあった。
「ここは何?」
「俺の親友が忌獣に食われた場所だ」
結巳の表情がひきつったように見えた。
「詳しく聞かせてもらって良い?」
僅かに震えた結巳の声。それに応えるように隼人は固く閉ざした己の過去をゆっくりと紐解いて行った。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる