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「買い出し」
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休日の公園。雲ひとつない晴天を隼人はベンチから眺めていた。
「お待たせ」
少し駆け足組で結巳がやって来た。眼鏡をかけて、普段下ろしている後ろ髪を三つ編みにしているからなのか、普段より落ち着いた雰囲気が漂っている。
「よし。行くか」
彼女の私服姿に少し、胸が跳ね上がったのを感じながら、隼人は目的地に足を向けた。
しばらく歩くと目的地のショッピングモールに着いた。休日という事もあってか、周囲は買い物客でごった返している。
「やっぱり多いな」
「ええ。さっさと買っちゃいましょう」
二人は早速、店の方に進んだ。買い物を進めて行く中、隼人の心臓は定期的に激しく鼓動していた。
彼女の私服姿は何度も見たはずなのに何故か、響き方が違うのだ。初めての経験だった。
「お持ちいたしますよ。お嬢様」
「ええ。では宜しくお願いします」
小芝居を打って買い物袋を手に彼女の右側を歩いて行く。次々と買い物を済まして行くと、時刻は十二時になっていた。
ショッピングモールにあるフードコートで食事を取ることにした。お昼時もあってか、多くの人でごった返している。
隼人はミートスパゲッティで結巳はグラタン。別々のものを頼んで食事を取ることにした。
「もう買うべきものは買ったのか?」
「ええ。これらで全部よ」
「そっか。思った以上に早く終わったな」
目的は早々に完遂したが、それに伴い予想以上に時間が余っている。このまま、帰るというもの一つの手だ。
しかし、せっかくの機会だ。このまま家に帰るのも忍びない気もしていた。
「このあと、時間あるか?」
「ええ。買い物のために一日あけていたから」
「ならせっかくだし遊ぶか」
「そうね。こんな機会もあまりなかったしね」
結巳の反応は良好だった。二人で遊ぶ。思えばそんな機会はなかった。以前の海は同級生達もそばにいたため、今回が初めてだ。
早速、隼人は結巳を連れてゲームセンターに来た。独特の機械音が店内中から聞こえる。
「これがゲームセンター」
「これが? まさか来るの初めてか?」
「ええ。家族とも来たことがなかったわ」
箱入り娘とは知っていたが、まさかここまでとは思いもしなかった。しかし、それなら全てが新鮮で楽しめる。
早速、隼人は彼女と色々なもので遊んだ。 シューティングゲーム。ホッケー。UFOキャッチャー。定番の娯楽を次々と堪能していく。
彼女は初体験の数々に目を輝かせたり、声をあげて笑っていた。かなり楽しんでいるようだ。
ほぼ全ての娯楽を周った時、ふと携帯に目を向けた。時刻は夕方四時になっていた。
「もう四時か。そろそろ行くか」
「そうね。行きましょうか」
隼人は結巳とともにショッピングモールを出ることにした。外に出るとどこまで広がる茜色の空が隼人達を出迎えた。
「ゲーセンも結構、時間潰せるもんだな」
「ええ。初めてだったけどかなり楽しめたわ」
「じゃあ、また行くか」
友人がいなかった彼女にとってはあらゆるものが新鮮だった。隼人自身もかつていた親友としか、時間を共にしていなかった。
対策本部の仲間として、同じ学び舎で過ごす友として彼女に持って寄り添い達と思った。
「そう、ね」
結巳が歯切れの悪い返答をした。納得していないのかと心配したが、彼女の表情は満更でもないように見えた。
寮の一室。結巳は白く長い髪を櫛で研きながら、今日のことを思い出していた。
一応、普段下ろしている髪を編み込んだりしてみたが、彼から何かを言われる事はなかった。
慣れているはずなのに、妙な憤りを感じた。
「なんで、私怒っているんだろう?」
把握しきれない感情の動きに思わず、ため息がこぼれる。
彼とは友人。それ以上でもそれ以下でもない。以前、彼が屋上で告白されていた際に彼はそういう対象として見ていないと言っていたのだ。
それでもゲームセンターで過ごした時間はとても楽しかった。
『また行こう』彼はそう言った。以前の彼を思えば考えられもしなかった言葉だ。
確実に彼との心の距離は近づいている。それだけでも彼女にとっては嬉しかった。
「今、何していかな」
携帯に手を伸ばそうとしたが、止めた。今はただ、この胸の内にある幸福感に浸っていようと思った。
「寝よ」
結巳はそのまま、布団に潜り込んだ。しばらく今日の出来事を脳内で巡らせていると五感が闇に落ちた。
「お待たせ」
少し駆け足組で結巳がやって来た。眼鏡をかけて、普段下ろしている後ろ髪を三つ編みにしているからなのか、普段より落ち着いた雰囲気が漂っている。
「よし。行くか」
彼女の私服姿に少し、胸が跳ね上がったのを感じながら、隼人は目的地に足を向けた。
しばらく歩くと目的地のショッピングモールに着いた。休日という事もあってか、周囲は買い物客でごった返している。
「やっぱり多いな」
「ええ。さっさと買っちゃいましょう」
二人は早速、店の方に進んだ。買い物を進めて行く中、隼人の心臓は定期的に激しく鼓動していた。
彼女の私服姿は何度も見たはずなのに何故か、響き方が違うのだ。初めての経験だった。
「お持ちいたしますよ。お嬢様」
「ええ。では宜しくお願いします」
小芝居を打って買い物袋を手に彼女の右側を歩いて行く。次々と買い物を済まして行くと、時刻は十二時になっていた。
ショッピングモールにあるフードコートで食事を取ることにした。お昼時もあってか、多くの人でごった返している。
隼人はミートスパゲッティで結巳はグラタン。別々のものを頼んで食事を取ることにした。
「もう買うべきものは買ったのか?」
「ええ。これらで全部よ」
「そっか。思った以上に早く終わったな」
目的は早々に完遂したが、それに伴い予想以上に時間が余っている。このまま、帰るというもの一つの手だ。
しかし、せっかくの機会だ。このまま家に帰るのも忍びない気もしていた。
「このあと、時間あるか?」
「ええ。買い物のために一日あけていたから」
「ならせっかくだし遊ぶか」
「そうね。こんな機会もあまりなかったしね」
結巳の反応は良好だった。二人で遊ぶ。思えばそんな機会はなかった。以前の海は同級生達もそばにいたため、今回が初めてだ。
早速、隼人は結巳を連れてゲームセンターに来た。独特の機械音が店内中から聞こえる。
「これがゲームセンター」
「これが? まさか来るの初めてか?」
「ええ。家族とも来たことがなかったわ」
箱入り娘とは知っていたが、まさかここまでとは思いもしなかった。しかし、それなら全てが新鮮で楽しめる。
早速、隼人は彼女と色々なもので遊んだ。 シューティングゲーム。ホッケー。UFOキャッチャー。定番の娯楽を次々と堪能していく。
彼女は初体験の数々に目を輝かせたり、声をあげて笑っていた。かなり楽しんでいるようだ。
ほぼ全ての娯楽を周った時、ふと携帯に目を向けた。時刻は夕方四時になっていた。
「もう四時か。そろそろ行くか」
「そうね。行きましょうか」
隼人は結巳とともにショッピングモールを出ることにした。外に出るとどこまで広がる茜色の空が隼人達を出迎えた。
「ゲーセンも結構、時間潰せるもんだな」
「ええ。初めてだったけどかなり楽しめたわ」
「じゃあ、また行くか」
友人がいなかった彼女にとってはあらゆるものが新鮮だった。隼人自身もかつていた親友としか、時間を共にしていなかった。
対策本部の仲間として、同じ学び舎で過ごす友として彼女に持って寄り添い達と思った。
「そう、ね」
結巳が歯切れの悪い返答をした。納得していないのかと心配したが、彼女の表情は満更でもないように見えた。
寮の一室。結巳は白く長い髪を櫛で研きながら、今日のことを思い出していた。
一応、普段下ろしている髪を編み込んだりしてみたが、彼から何かを言われる事はなかった。
慣れているはずなのに、妙な憤りを感じた。
「なんで、私怒っているんだろう?」
把握しきれない感情の動きに思わず、ため息がこぼれる。
彼とは友人。それ以上でもそれ以下でもない。以前、彼が屋上で告白されていた際に彼はそういう対象として見ていないと言っていたのだ。
それでもゲームセンターで過ごした時間はとても楽しかった。
『また行こう』彼はそう言った。以前の彼を思えば考えられもしなかった言葉だ。
確実に彼との心の距離は近づいている。それだけでも彼女にとっては嬉しかった。
「今、何していかな」
携帯に手を伸ばそうとしたが、止めた。今はただ、この胸の内にある幸福感に浸っていようと思った。
「寝よ」
結巳はそのまま、布団に潜り込んだ。しばらく今日の出来事を脳内で巡らせていると五感が闇に落ちた。
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