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「閉じられた過去」
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静けさと荘厳な雰囲気が漂う首長室。そこに二人の人物がいた。一人は忌獣対策本部の最高責任者である聖堂寺光。
それと対するように対策本部最強と謳われた北原ソラシノが机一つを挟んで立っていた。
「ご用件は? 首長殿」
「少し興味深いものがあったので是非、お見せしたいと思いまして」
「興味深い?」
光が温もりを感じない笑みを浮かべると机の引き出しから、クリップで挟まれた何枚かの書類が机に置いた。
「これは?」
「以前、聖堂寺家が管理する研究所のデータを調べていたときに出てきたものです」
「ご自身の出生についてどれくらいご理解を?」
「試験管ベイビーとして人工的に造られた。あとはあんたも知っている通り、実験施設で訓練を受け続けて、十四歳の時に戦場に駆り出された」
「そうですか。なら今、目を通してもよろしいかと」
ソラシノは目を疑った。そこには北原ソラシノの出生について書かれていたのだ。
「一体、どういう事だ?」
「書類に記載されている通りですよ」
その書類には試験管ベイビーなどの情報は記されていなかった。ただ一つ、彼の元となった父と母の情報が書かれていた。
父は聖堂寺輝。母は星野奏。ソラシノは驚愕した。実の父が光、結巳と同じ。
つまり二人とは腹違いの兄弟だったのだ。
そして、母である星野奏。彼女とも面識があった。金剛杵学園の教師であり、最近、シライや玉男と共に対策本部を変えようと手を組んだ同士の一人だ。
「何故、今になってこれを」
「今回の作戦は大規模な作戦です。歴戦の猛者である貴方ですら生きて帰ってこられるか。だからせめて今、知って置いて欲しかったのです」
光が目を細めて、ソラシノに目を向けた。その目は困惑する彼の心を見透かしているようだった。
星野奏は動揺していた。長年、秘密にしていた事を他者が知っていたことに驚いたのだ。
「何故、それを」
「聖堂寺輝氏。元対策本部首長とは大変、仲良くさせていただきましたので彼から直接。他言を命じられていましたがいつまでも隠し通すわけにもいかないでしょう」
シライが流し目でため息をついた。おそらく彼自身も言う事を躊躇っていたのだ。
「今回の戦いは大規模になります。北原君もどうなるか分かりません」
奏の言葉が詰まった。シライの発言もそうだが、自分の中にある大きな葛藤が彼女の喉から言葉が出るのを塞きとめているのだ。
「手遅れなる前に貴女の口から」
「私は」
奏は脳内がかき混ぜられるような感覚に陥った。いつかこんな日が来るとは分かっていた。
恐ろしくて言えなかった。遠くから息子の姿を見る。それが彼女に出来る唯一の事だった。
しかし、そんなものは甘えだ。罪悪感を覚えている以上、清算の時は必ず来る。
「彼と話します」
小さく震えた声で目の前の穏やかなそうな老人に告げた。彼の安堵を覚えたような笑みは彼女の心にも安心感を与えてくれた。
それと対するように対策本部最強と謳われた北原ソラシノが机一つを挟んで立っていた。
「ご用件は? 首長殿」
「少し興味深いものがあったので是非、お見せしたいと思いまして」
「興味深い?」
光が温もりを感じない笑みを浮かべると机の引き出しから、クリップで挟まれた何枚かの書類が机に置いた。
「これは?」
「以前、聖堂寺家が管理する研究所のデータを調べていたときに出てきたものです」
「ご自身の出生についてどれくらいご理解を?」
「試験管ベイビーとして人工的に造られた。あとはあんたも知っている通り、実験施設で訓練を受け続けて、十四歳の時に戦場に駆り出された」
「そうですか。なら今、目を通してもよろしいかと」
ソラシノは目を疑った。そこには北原ソラシノの出生について書かれていたのだ。
「一体、どういう事だ?」
「書類に記載されている通りですよ」
その書類には試験管ベイビーなどの情報は記されていなかった。ただ一つ、彼の元となった父と母の情報が書かれていた。
父は聖堂寺輝。母は星野奏。ソラシノは驚愕した。実の父が光、結巳と同じ。
つまり二人とは腹違いの兄弟だったのだ。
そして、母である星野奏。彼女とも面識があった。金剛杵学園の教師であり、最近、シライや玉男と共に対策本部を変えようと手を組んだ同士の一人だ。
「何故、今になってこれを」
「今回の作戦は大規模な作戦です。歴戦の猛者である貴方ですら生きて帰ってこられるか。だからせめて今、知って置いて欲しかったのです」
光が目を細めて、ソラシノに目を向けた。その目は困惑する彼の心を見透かしているようだった。
星野奏は動揺していた。長年、秘密にしていた事を他者が知っていたことに驚いたのだ。
「何故、それを」
「聖堂寺輝氏。元対策本部首長とは大変、仲良くさせていただきましたので彼から直接。他言を命じられていましたがいつまでも隠し通すわけにもいかないでしょう」
シライが流し目でため息をついた。おそらく彼自身も言う事を躊躇っていたのだ。
「今回の戦いは大規模になります。北原君もどうなるか分かりません」
奏の言葉が詰まった。シライの発言もそうだが、自分の中にある大きな葛藤が彼女の喉から言葉が出るのを塞きとめているのだ。
「手遅れなる前に貴女の口から」
「私は」
奏は脳内がかき混ぜられるような感覚に陥った。いつかこんな日が来るとは分かっていた。
恐ろしくて言えなかった。遠くから息子の姿を見る。それが彼女に出来る唯一の事だった。
しかし、そんなものは甘えだ。罪悪感を覚えている以上、清算の時は必ず来る。
「彼と話します」
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