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「因縁」
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夕方。聖堂寺光は真剣な趣で首長室にいた。数分後に作戦を開始するからだ。
この日に至るまで長い時間と準備がかかった。しかし、その労力は報われる時が来たのだ。
「首長。各班の戦闘員が現場に到着しました」
「わかりました」
光は職員から受け取った無線機に口元を近づける。
「皆さん。ここまで付いてきてくださりありがとうございます。これで最後の戦いにしましょう」
光の言葉が無線機を通して、戦士達に送られていく。
「総員。鳥籠殲滅作戦。開始!」
宣言とともに一斉に戦闘員達の叫びが湧き上がった。
「必ずやるぞ!」
「かかるぞ!」
無線機の向こうから戦士達の覇気がこもった叫び声が聞こえた。百年に登る因縁が今晩、終わりを迎えるかもしれない。いや、終わらせるのだ
戦闘員達を鼓舞し終えると、光は無線機を職員に切り手渡した。職員が部屋を出た後、懐から一枚の写真を取り出した。
そこに写っているのは今より若い十六の自分と当時自分が敬愛し、そして恋慕を抱いていた相手。綾川春華がピースサインを作っている。
「さて。私もそろそろ向かいますか」
写真を懐に入れるとノックが聞こえた。
「どうぞ」
光が返事をすると扉がゆっくりと開かれた。
首長室に銃声が響いた。
同時刻、聖堂寺本邸を後にした隼人と結巳はシライの運転する車内で揺られていた。
作戦が開始されていた。シライからの報告を聞いた時は肝を握られたような感じがしたが今は少し落ち着いている。
「それで結巳様。さっき話は本当ですか?」
「ええ。間違いありません。この本には忌獣は百年前に聖堂寺の血縁同士の争いで生まれました。つまり私達のせいです」
結巳が顔に影を作りながら、顔を伏せた。かつての聖堂寺家が行った悪行に責任を感じているのだ。
「それは違う。過去の聖堂寺の行いをお前が直接背負う謂れはない」
「その通りです。先代がずっと隠して来たのでしょう」
隼人とシライは結巳に励ましの言葉をかける。気のせいか少しだけ彼女の顔色はよくなった。
「それでこの本を公表すればいいんだな」
「聖堂寺の詳細が載った本だ。それを世間の連中にばらまいてやれ」
隼人はバックミラー越しでシライと目を合わせた。この情報を世間に流し、聖堂寺本邸にあるその他の書類を警察が目にすれば、さらに多くの悪行が見つかるだろう。
「なあ、聖堂寺。さっきの本の事なんだけど。大蛇って」
「ええ。私も考えていたわ」
結巳の真意をついたような鋭い目が隼人に向けられる。彼女も気づいていたのだ。夏休みに聞いた神社の話。
その話が即座に頭を駆け巡ったのだ。
「さあ。隼人。結巳様。現場はもうすぐです」
「おう」
「はい」
数キロ先で戦闘員達が鳥籠の構成員や忌獣と死闘を繰り広げているのだ。肺いっぱいに空気を送り込み、心を落ち着かせた。
「それじゃあ。二人とも。絶対に生きて帰ってくるように」
「任せろ」
「必ず戻ります」
シライにしばしの別れを告げると、隼人と結巳は血と叫び声が漂う戦場へと足を進めた。
この日に至るまで長い時間と準備がかかった。しかし、その労力は報われる時が来たのだ。
「首長。各班の戦闘員が現場に到着しました」
「わかりました」
光は職員から受け取った無線機に口元を近づける。
「皆さん。ここまで付いてきてくださりありがとうございます。これで最後の戦いにしましょう」
光の言葉が無線機を通して、戦士達に送られていく。
「総員。鳥籠殲滅作戦。開始!」
宣言とともに一斉に戦闘員達の叫びが湧き上がった。
「必ずやるぞ!」
「かかるぞ!」
無線機の向こうから戦士達の覇気がこもった叫び声が聞こえた。百年に登る因縁が今晩、終わりを迎えるかもしれない。いや、終わらせるのだ
戦闘員達を鼓舞し終えると、光は無線機を職員に切り手渡した。職員が部屋を出た後、懐から一枚の写真を取り出した。
そこに写っているのは今より若い十六の自分と当時自分が敬愛し、そして恋慕を抱いていた相手。綾川春華がピースサインを作っている。
「さて。私もそろそろ向かいますか」
写真を懐に入れるとノックが聞こえた。
「どうぞ」
光が返事をすると扉がゆっくりと開かれた。
首長室に銃声が響いた。
同時刻、聖堂寺本邸を後にした隼人と結巳はシライの運転する車内で揺られていた。
作戦が開始されていた。シライからの報告を聞いた時は肝を握られたような感じがしたが今は少し落ち着いている。
「それで結巳様。さっき話は本当ですか?」
「ええ。間違いありません。この本には忌獣は百年前に聖堂寺の血縁同士の争いで生まれました。つまり私達のせいです」
結巳が顔に影を作りながら、顔を伏せた。かつての聖堂寺家が行った悪行に責任を感じているのだ。
「それは違う。過去の聖堂寺の行いをお前が直接背負う謂れはない」
「その通りです。先代がずっと隠して来たのでしょう」
隼人とシライは結巳に励ましの言葉をかける。気のせいか少しだけ彼女の顔色はよくなった。
「それでこの本を公表すればいいんだな」
「聖堂寺の詳細が載った本だ。それを世間の連中にばらまいてやれ」
隼人はバックミラー越しでシライと目を合わせた。この情報を世間に流し、聖堂寺本邸にあるその他の書類を警察が目にすれば、さらに多くの悪行が見つかるだろう。
「なあ、聖堂寺。さっきの本の事なんだけど。大蛇って」
「ええ。私も考えていたわ」
結巳の真意をついたような鋭い目が隼人に向けられる。彼女も気づいていたのだ。夏休みに聞いた神社の話。
その話が即座に頭を駆け巡ったのだ。
「さあ。隼人。結巳様。現場はもうすぐです」
「おう」
「はい」
数キロ先で戦闘員達が鳥籠の構成員や忌獣と死闘を繰り広げているのだ。肺いっぱいに空気を送り込み、心を落ち着かせた。
「それじゃあ。二人とも。絶対に生きて帰ってくるように」
「任せろ」
「必ず戻ります」
シライにしばしの別れを告げると、隼人と結巳は血と叫び声が漂う戦場へと足を進めた。
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