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41 婚約あるある
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戦況報告を聞きに来た私は、笑顔が固まった。
え?
なに?
結婚?
ヴァレリー王太子と?
「お詫びなんてとんでもないわね。そうじゃないわ。陛下と私がヴァレリーとの結婚を望んでいるのよ」
ヴァレリー王太子も「あ」の口のまま、思わぬ展開に言葉を無くしている。
大公様もお父様も、部屋にいる全ての人が「あ」の口だ。
もしくは「はぁぁぁ!?」の口か?
「とととと、とんでもございません!」
「あら、色好い返事ね」
王妃様はにっこり笑った。
え?
私、何か言い間違えたかしら?
「そ、そうではありません。王太子と結婚など、私のような立場の者にはあり得ない事です」
今度こそハッキリと断りの言葉を述べる。
「うふふ。ルイーズ、あなたの立場だからこそ、お互い申し分のない結婚相手じゃないの」
うわーん。
通じない!
何で!?
ヴァレリー王太子、お父様、と助けを求める視線を送るが、何を考えているのか解らない王妃の言葉に、お二人も対抗の仕様が無い様子だ。
「だって、考えてもみなさい、皆さん」
王妃は部屋にいる皆に話しかける。
「ルイーズは公爵家。身分に不足はない。それに八年かけて王妃教育を完璧修了した、今季のデビュタント一位の優秀な令嬢よ」
そんな事もありましたね。
遥か昔の事のようです。
「そんなこの国一番のご令嬢が、都合の良いことに相手被疑者の婚約破棄をされたのよ! ルイーズは何っにも悪くない。悪いのは相手。テオドリックも王族だけどここは置いておいて」
いや、そこ、大事じゃない?
置いちゃっていいの?
「今回の件で騒動を起こしたのはリリア妃。リリア妃はルルヴァル王国の公女。許可無くルルヴァル兵で私兵を組んだのもリリア妃。そしてヴァレリーの婚約者はルルヴァルの姫でリリア妃の姪。と言うことは……」
リリとかルルとか、何が何だか解らなくなってくる。
「つまり、ヴァレリー、あなたの婚約はなくなったということよ!!」
ビシィッとヴァレリー王太子を指差して立ち上がる王妃。
「あああ!?」
と驚くヴァレリー王太子。
ノリが良いな。
「そういうことか。私はたった今、婚約者を失くしたのか」
いや、ノリではなく、本当に驚いていたようだ。
確かに、こんな問題を起こした王国の姫君とは結婚など出来ないだろう。
「おお!」
「なるほど!」
と周囲から納得の声が上がる。
「いやですわ! 私、一度婚約破棄をされた身の上ですし、なんと言ってもお相手は殿下の弟君ですのよ! 弟が駄目なら兄なんて、許されるわけ」
私は話の流れを変えるために声を上げる。
そんな事、倫理上よろしくない。
「いや、ある。あるあるだ」
大公様が私の顔を見てニヤニヤ笑いながら言う。
「あ、あるんですか!?」
私はこうとなっては一番信用出来るお父様に助けを求める。
しかしお父様は渋い顔で言った。
「……まま、ある。すまん」
ええーーーー!!
え?
なに?
結婚?
ヴァレリー王太子と?
「お詫びなんてとんでもないわね。そうじゃないわ。陛下と私がヴァレリーとの結婚を望んでいるのよ」
ヴァレリー王太子も「あ」の口のまま、思わぬ展開に言葉を無くしている。
大公様もお父様も、部屋にいる全ての人が「あ」の口だ。
もしくは「はぁぁぁ!?」の口か?
「とととと、とんでもございません!」
「あら、色好い返事ね」
王妃様はにっこり笑った。
え?
私、何か言い間違えたかしら?
「そ、そうではありません。王太子と結婚など、私のような立場の者にはあり得ない事です」
今度こそハッキリと断りの言葉を述べる。
「うふふ。ルイーズ、あなたの立場だからこそ、お互い申し分のない結婚相手じゃないの」
うわーん。
通じない!
何で!?
ヴァレリー王太子、お父様、と助けを求める視線を送るが、何を考えているのか解らない王妃の言葉に、お二人も対抗の仕様が無い様子だ。
「だって、考えてもみなさい、皆さん」
王妃は部屋にいる皆に話しかける。
「ルイーズは公爵家。身分に不足はない。それに八年かけて王妃教育を完璧修了した、今季のデビュタント一位の優秀な令嬢よ」
そんな事もありましたね。
遥か昔の事のようです。
「そんなこの国一番のご令嬢が、都合の良いことに相手被疑者の婚約破棄をされたのよ! ルイーズは何っにも悪くない。悪いのは相手。テオドリックも王族だけどここは置いておいて」
いや、そこ、大事じゃない?
置いちゃっていいの?
「今回の件で騒動を起こしたのはリリア妃。リリア妃はルルヴァル王国の公女。許可無くルルヴァル兵で私兵を組んだのもリリア妃。そしてヴァレリーの婚約者はルルヴァルの姫でリリア妃の姪。と言うことは……」
リリとかルルとか、何が何だか解らなくなってくる。
「つまり、ヴァレリー、あなたの婚約はなくなったということよ!!」
ビシィッとヴァレリー王太子を指差して立ち上がる王妃。
「あああ!?」
と驚くヴァレリー王太子。
ノリが良いな。
「そういうことか。私はたった今、婚約者を失くしたのか」
いや、ノリではなく、本当に驚いていたようだ。
確かに、こんな問題を起こした王国の姫君とは結婚など出来ないだろう。
「おお!」
「なるほど!」
と周囲から納得の声が上がる。
「いやですわ! 私、一度婚約破棄をされた身の上ですし、なんと言ってもお相手は殿下の弟君ですのよ! 弟が駄目なら兄なんて、許されるわけ」
私は話の流れを変えるために声を上げる。
そんな事、倫理上よろしくない。
「いや、ある。あるあるだ」
大公様が私の顔を見てニヤニヤ笑いながら言う。
「あ、あるんですか!?」
私はこうとなっては一番信用出来るお父様に助けを求める。
しかしお父様は渋い顔で言った。
「……まま、ある。すまん」
ええーーーー!!
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