60 / 69
用間篇 第十三
【資料編】用間篇 第十三 読み下し文
しおりを挟む
孫子曰く、
凡そ師を興すこと十万、出征すること千里なれば、百姓の費え、公家の奉、日に千金を費ついやす。
内外騒動し、道路に怠り、事を操るを得ざる者七十万家か、相守ること数年にして、以って一日の勝を争あらそう。
而るに爵禄百金を愛みて、敵きの情を知らざる者は、不仁の至りなり。
人の将に非ざるなり、主の佐けに非ざるなり、勝の主に非ざるなり。
故に明君ん・賢将の動きて人に勝ち、成功の衆に出ずる所以の者は、先知なり。
先知なる者は、鬼神に取る可からず、事に象る可からず、度ど験みす可からず、必ず人に取りて、敵の情を知る者なり。
故に間を用うるに五有り。
因間有り、内間有り、反間有り、死間有り、生間有り。
五間倶に起こりて、其の道を知ること莫き、是を神紀と謂う。人君の宝なり。
因間とは、其の郷人に因りて之を用う。
内間とは、其の官人に因りて之を用う。
反間とは、其の敵間に因りて之を用う。
死間とは、誑事を外に為し、吾が間をして之を知らしめて、敵の間に伝うるなり。
生間は、反り報ずるなり。
故に三軍の事、間より親しきは莫く、賞は間より厚きは莫く、事は間より密なるは莫し。
聖智に非らざれば間を用うること能わず。
仁義に非らざれば間を使うこと能たわず。
微妙に非らざれば間の実を得ること能たわず。
微なるかな、微なるかな、間を用いざる所ところ無し。
間事未だ発せずして先ず聞こゆれば、間と告ぐる所の者とは皆な死す。
およそ軍の撃たんと欲っする所、城の攻めんと欲っする所、人の殺さんと欲っする所は、必ず先ず其の守将・左右・謁者・門者・舎人の姓名を知り、吾が間をして必ず索めて之を知らしむ。
必ず敵人の間の来たりて我を間する者を索とめ、因りて之を利し、導きて之を舎す。
故に反間は得えて用う可きなり。是に因りて之を知る。
故に郷間・内間得て使う可きなり。是に因りて之を知る。
故に死間誑事を為して、敵に告げしむ可し。是に因りて之を知る。
故に生間期の如くならしむ可し。
五間の事、主必ず之を知る。
之を知るは必ず反間に在あり。
故に反間は厚くせざる可からざるなり。
昔、殷の興こるや、伊摯、夏に在り。
周の興こるや、呂牙、殷に在り。
故に惟明君・賢将のみ能く上智を以って間と為す者にして、必ず大功を成す。
此兵の要にして、三軍の恃みて動く所なり。
凡そ師を興すこと十万、出征すること千里なれば、百姓の費え、公家の奉、日に千金を費ついやす。
内外騒動し、道路に怠り、事を操るを得ざる者七十万家か、相守ること数年にして、以って一日の勝を争あらそう。
而るに爵禄百金を愛みて、敵きの情を知らざる者は、不仁の至りなり。
人の将に非ざるなり、主の佐けに非ざるなり、勝の主に非ざるなり。
故に明君ん・賢将の動きて人に勝ち、成功の衆に出ずる所以の者は、先知なり。
先知なる者は、鬼神に取る可からず、事に象る可からず、度ど験みす可からず、必ず人に取りて、敵の情を知る者なり。
故に間を用うるに五有り。
因間有り、内間有り、反間有り、死間有り、生間有り。
五間倶に起こりて、其の道を知ること莫き、是を神紀と謂う。人君の宝なり。
因間とは、其の郷人に因りて之を用う。
内間とは、其の官人に因りて之を用う。
反間とは、其の敵間に因りて之を用う。
死間とは、誑事を外に為し、吾が間をして之を知らしめて、敵の間に伝うるなり。
生間は、反り報ずるなり。
故に三軍の事、間より親しきは莫く、賞は間より厚きは莫く、事は間より密なるは莫し。
聖智に非らざれば間を用うること能わず。
仁義に非らざれば間を使うこと能たわず。
微妙に非らざれば間の実を得ること能たわず。
微なるかな、微なるかな、間を用いざる所ところ無し。
間事未だ発せずして先ず聞こゆれば、間と告ぐる所の者とは皆な死す。
およそ軍の撃たんと欲っする所、城の攻めんと欲っする所、人の殺さんと欲っする所は、必ず先ず其の守将・左右・謁者・門者・舎人の姓名を知り、吾が間をして必ず索めて之を知らしむ。
必ず敵人の間の来たりて我を間する者を索とめ、因りて之を利し、導きて之を舎す。
故に反間は得えて用う可きなり。是に因りて之を知る。
故に郷間・内間得て使う可きなり。是に因りて之を知る。
故に死間誑事を為して、敵に告げしむ可し。是に因りて之を知る。
故に生間期の如くならしむ可し。
五間の事、主必ず之を知る。
之を知るは必ず反間に在あり。
故に反間は厚くせざる可からざるなり。
昔、殷の興こるや、伊摯、夏に在り。
周の興こるや、呂牙、殷に在り。
故に惟明君・賢将のみ能く上智を以って間と為す者にして、必ず大功を成す。
此兵の要にして、三軍の恃みて動く所なり。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる