どーも、反逆のオッサンです

わか

文字の大きさ
2 / 145
転移

第2話 どーも、スマホの能力です

しおりを挟む
前書き

前回のあらすじ

主人公 異世界転移からの森の中で遭難


本文


どーも、どこでもいるオッサンです。
今からスマホの能力の確認をしていこうと思います。まだ夜だし寝てそのままモンスターに食われて死んでいたとか嫌だからね。周囲の警戒しながらスマホを確認。分かっていることは、写真で鑑定出来ることだけ。あとはなにが出来るのか...

「カメラの機能はこれだけじゃない。動画を撮影してみるか」

カメラを起動させ動画を撮影する。

「お?暗闇が明るく見える。暗視機能が備わっているのか、ズームするとどうなる?おおー、よく見えるな。なるほど、なるほど。うーん、これはスマホがないと無理じゃね?」

生きていくにはスマホがないと無理。
絶対無理。
この世界にどんなことがあるかわからない。
そう、俺の生命線はこのスマホだけ。

「おいおい、マジでキツい。これはあれか?テンプレのスローライフって感じ?いやないな。サバイバルだよ」

俺はただ普通がいいんだ。普通の人生...普通ってなんだろうかって考えながら生きてきたのに、いきなりこれかよ。ふざけるな。

「転生ならまだしも転移とかないわ。小説のテンプレこいよ。MPとか鑑定ででたし、魔法とか使えるんじゃないの?なにか、なにかあるはず。スマホに眠りし力が...」

怒りが声になってあらわれている中、スマホの機能を操作していると、

「あれ?そういえばこの世界の文字って日本語なのか?鑑定した感じだと翻訳されている?この世界の人と話す時はどうなんだ?」

疑問点はすぐメモ帳に書いて保存。忘れる前にこの習慣は必ず身につけないと。
スマホからネットが繋がってないことくらい分かっているけど、いつもの習慣でネットに繋がるサイトをタップすると、その画面には習得できるスキル一覧が映し出されている。

「えっと、現在習得可能スキルは生活魔法と隠密と身体能力向上だけ...そもそもどうやって習得するんだ?」

うーん、周囲に誰もいないから詠唱してみるか。昔考えた魔法の詠唱...俺の黒歴史。手のひらを前にかざし、短い詠唱をする。

『炎よ』

ボワッ。

「あ、火が出た。マジか、マジで火が出たよ。たまには黒歴史が役に立つ時があるだな。あはははは」

心の中で消えろと唱えると火が消える。インカメラを起動させて自分を鑑定。MPが1消費されて残り49になっている。生活魔法だからだろうか、消費MPが少ない。これも、メモだな。少し気持ちが楽になってくる。

「なるほどねー、これはありがたいスキルだ。なんとか生きるための手段がありそうだ。生活魔法はたぶん生きていくために必要な最低限度のことしかできないだろうし。MPは寝ると回復するのか、レベルが上がったら回復するのか、分からないことだらけだ。とにかく、今分かる範囲で模索するかない」

『水よ』

ジャッ。

手のひらから水が流れている。空になった水筒にその水を移し飲んでみる。

「常温の水。味もしないし普通の水だな。隠密は暗闇の中静かに行動しているから習得出来たのかも」

俺は推測し、何度か実験をしてみる。
一つ、目を閉じ周囲の音を拾うことに集中
一つ、音を立たずにワイバーンに見つからないよう動いてみる
一つ、あらゆる単語を発してみる

その結果、習得可能スキルに索敵が追加された。単語についてはクリーンとライトの2つの発動が確認できた。

「あとスマホの機能は...なにもないか。可視化されるだけでもありがたいと思うしか無さそうだな。レベルが上がるにつれ習得スキルが増えるのか鍛錬が必要なのか...どっちも必要と思って行動するか」

カバンの中から帰り道コンビニで買ったおにぎりとお茶を取り出し遅い夕食にする。これで日本食は最後になるかも...なんか寂しい。食べながらスマホをいじりながらメモ帳に単語を書き込んでいく。魔法が発動する単語をとりあえず書き込む。

「これが最後の晩餐にならないといいな。タバコはカートンで買っておいて良かった。この世界にもタバコあるといいな」

このままじゃダメだ。憂鬱になる。何かしないと。考えろ俺。魔法を習得するのに実体験も必要かもしれない。木の枝で手の甲を切って唱えてみるか。

近くの木の枝で手の甲を切る。いてぇ。自傷行為とかあんまりしたくないだけど、これもスキル習得の為。

治癒ヒール

「うお、少しずつだけど傷が塞がってきている。でも、なんか頭がくらくら...魔力が継続的に流れている?それなら説明がつく。さっきの火は数秒しか出していない。そういうことね。魔法の威力や継続する時間によってMPの減少がある」

習得可能スキルに治癒が追加されていることを確認して次にライターで軽く指を当てる。あちぃ。じわじわ痛くなる。

治癒ヒール

痛みが少しずつ治まってきている最中に意識が途絶える。


朝日が刺し目を開け周囲を確認。

「あぁ、朝か?あのまま寝てしまったのか?こんなところで意識がなくなるとかヤバいだろ。MPがなくなって意識がとんだのかもしれない。鑑定、鑑定。あれ?MPが5増えている」

空を見るとワイバーンがいなくなっており周囲には風の音しか聞こえない。

「動画モードで周囲を確認。ズームしてっと...なにもいないな。腹減るまえに何か食い物探さないと。あとこの森から出ないといけないのか?まぁ、モンスターの縄張りとかの危険地帯じゃなければなんとかなる」

なんとかなる、便利な言葉だな。なんとかしないといけないんだよ。さて歩くか。どんな世界が待っているのやら。




後書き

次回 散策
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

俺が追放した役立たずスキルの無能女どもが一流冒険者になって次々と出戻りを希望してくるんだが……

立沢るうど
ファンタジー
 誰もが憧れる勇者を目指す天才冒険者『バクス』は、冒険者パーティーのメンバーである無能少女三人に愛想を尽かせ、ある日、パーティーリーダーとして追放を決意する。  一方、なぜ自分が追放されるのかを全く自覚していない彼女達は、大好きなバクスと離れたくないと訴えるも、彼にあっさりと追放されてしまう。  そんな中、バクスのパーティーへの加入を希望する三人が、入れ替わりで彼の前に現れ、その実力を見るために四人でモンスター討伐の洞窟に向かう。  その結果、バクスは三人の実力を認め、パーティーへの加入で合意。  しかし、それも長くは続かなかった。モンスター討伐を続ける日々の中、新加入三人の内の一人の少女『ディーズ』が、バクスとの冒険に不安を訴えたその翌日、なぜか三人共々、バクスの前から忽然と姿を消してしまう。  いつの間にかディーズに好意を寄せていたことに気が付いたバクス。逆に自分が追放された気分になってしまい、失意に暮れる彼の元に、追放したはずの『コミュ』が出戻り希望で再アタック(物理)。  彼女の成長を確認するため、自分の気持ちを切り替えるためにも、バクスが彼女と一緒にモンスター討伐に向かうと、彼女は短期間でとんでもない一流冒険者に成長していた……。  それを皮切りに他の二人と、かつての『仲間』も次々と出戻ってきて……。  天才冒険者の苦悩と憂鬱、そして彼を取り巻く魅力的な女の子達との笑顔の日常を描くハートフル冒険者コメディ。是非、ご一読ください!

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。 それは、最強の魔道具だった。 魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく! すべては、憧れのスローライフのために! エブリスタにも掲載しています。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

異世界サバイバルゲーム 〜転移先はエアガンが最強魔道具でした〜

九尾の猫
ファンタジー
サバイバルゲームとアウトドアが趣味の主人公が、異世界でサバゲを楽しみます! って感じで始めたのですが、どうやら王道異世界ファンタジーになりそうです。 ある春の夜、季節外れの霧に包まれた和也は、自分の持ち家と一緒に異世界に転移した。 転移初日からゴブリンの群れが襲来する。 和也はどうやって生き残るのだろうか。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

処理中です...