どーも、反逆のオッサンです

わか

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シーワーズ帝国復讐編

第41話 どーも、聖剣です

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前書き

前回のあらすじ

主人公 姫さまたちと合流する


本文


どーも、姫さまたちと合流したオッサンです。
昨日は、激動の一日だったな。皆、地上の警戒をせず爆睡してしまった。ユリさんが一番に起きていたみたい。

「ユリさん、おはよう」

「ケンさん、おはようございます」

「地上を見てくるよ。ユリさんは、彼女たちが起きるまで側に居てあげて」

「分かりました。お気をつけて」

俺は、地上にそっと出ると、瓦礫の隙間から水が落ち顔に当たる。外は雨のようだ。ローブを深く被り、前に進み塞いだ入り口付近に足跡がないか確認する。

「特に以上はないな。ここに罠を仕掛けられたら楽なのに…そんな都合の良いものなんてないか。神龍眼で周りを見てみるかな」

布を捲り、左目を開ける。水滴が落ちる速度がすごく遅く見える。情報量が少ないのか、今は負担が掛かっていない。

「魔力感知...特に反応なしか。あるとしたら地中。地下室にいる者たちだな。違和感バリバリだな、この目。神龍眼のことも含めて姫さまたちに話さないといけない」

左目に布を被せて、地下室に戻る。

「まだ寝ているみたいだね、余程疲れたのか」

「そうだと思いますよ。ケンさん、地上はどうでしたか?」

「特に異常はなし。外は雨が降っていたよ。あの雲は、一日降る感じだった。今日は、情報の擦り合わせをしたいから良い休養日になるな」

姫さまたちが起きる頃には、温かいご飯が出来上がっていて貪り尽くすように食べ始める。

「お前たち、どんだけ成長期なんだよ。ったく...ほれ水だ。しっかり食べて、今日の活力変えろよー」

心の整理の時間を与えた方が良いか?それとも新たな問題を提示して、少しでも嫌な記憶を思い出させるのを減らすか...うーん、分からん。帝国についてあまり知らないし、姫さまたちからの発言待ちだな。

「ごちさま!ケンさん美味しかったよ」

元気で可愛い笑顔なモイラちゃん。それに続いて一言ずつコメントを頂き皆がご飯を食べ終わる。

「よー、食ったな。後で洗うから、各それぞれ食器は桶の中に漬けといて。あと、この地下室に別室があったからそこにお風呂を準備した。サッパリしておいでー」

「えっ、別室ですか!!?」

アルテさんが驚いた声で反応を示し、他の者も驚いた表情をしている。

「えっ?知らなかったの?ユリさんが魔力の反応があるって言うから確認したら引き戸があったぞ。魔力の反応は、多分封印の類だと思うけど。魔力を解放して強引に開けちゃった。てへぺろ」

「えええっ、僕たちでも知らなかった事実をそんなにあっさり...しかも、お風呂場なんて。相変わらずだね...」

ボクっ娘のハルさんが驚き疲れたような感じで非難の目を向けてくる。やだ、やめてよ。31歳のオッサンのてへぺろは流石にないか...

「ケン殿に嘘が発見されませんでした...姫さま、王家に伝わる隠し部屋というのは、もしかしてケン殿がお風呂場に変えてしまった部屋では?」

「いや、そんなまさか!帝王さえ、未だ発見出来てないのですよ?勇者が作った隠し部屋を!!」

「あー、それでか!納得したよ」

「なに?教えて!」

セクシーなお姉さんことケイアさんに聞かれて、俺は部屋に案内する為に立ち上がる。

「付いてきて。見れば分かるよ」

ユリさんと一緒に見た時、まさかと思ったんだよね。


ズ、ズズズッ


「この部屋の次の部屋に、勇者が使っていたと思われる剣というか武器がありましたー。パチパチパチパチ」

「ちょーっと!!聞き捨てられない言葉が、今あったぞ!!」

「まぁまぁ、落ち着いてカーラさん。この地下室には、部屋が5つあるんだ。まずは俺たちがご飯を食べたところね。そして引き戸を開けた先の部屋、ここが第二の部屋だね。この世界にはオーバーテクノロジーだね。魔法というより魔術に関する物が多かったかな。この部屋を見て思うことはあるかい?」

「大ありです。まるで研究室みたい。この紙に書かれている文字が読めません」

「姫さま正解。この部屋は、そこの紙に書いてあったが魔術と薬品の研究書類。その文字は、俺が転移する前の世界で使われていた文字だ。研究内容までは、まだ読んでいないが日記帳は見つけて読んだ。中々傑作だったよ」

「聞きたい、そんな面白そうな単語出されたら聞きたくなる。ケンさーん、後で私だけ内緒に教えてー、ね?」

「ぐへぇぇー。なんで俺を殴るのさ、ユリさん。狙ってやったモイラちゃんが悪い!」

「そこ、ふざけないでください。ケン様、次の部屋をお願いします」

「あとは、寝室とお風呂と武器倉庫の3つだよ。武器倉庫以外は姫さまたちでも開けられるよ。どの部屋もやたら頑丈だし。保存の魔法がかけられていて清潔だ」

廊下の上を歩いて突き当たりの部屋に到着。

「あれ?私では開けられない?」

「その部屋の扉は、魔力解放のスキルがないと開けられないと思う。現にユリさんもスキルを習得していないから開けられなかったし。魔力解放!!」

俺の周囲から離れてもらい、魔力解放スキルを発動させる。相変わらずドス黒い魔力だな...
相当な分厚い扉に魔力解放をぶつけながら手前にひく。めちゃくちゃ重たい。


ズズズ、ズッ


「はぁ、はぁ、はぁ。やっと空いた...どんだけ重たいんだよ、この扉。この部屋に勇者たちが装備していた武器がある」

「勇者たち?勇者は1人ではないのですか?」

「ユリさんもその事について疑問に思っていたから、姫さまにも同じ解答をするよ。勇者...と呼んで良いのか分からないけど、日記帳に書かれていた人数は8人いる。当時は英雄と呼ばれていたそうだ。その1人がここに隠し部屋を作ったと記載されている」

「で、では私たちが知る勇者とは何ですか?」

「この国の初代帝王が事実を捻じ曲げ、書物などの記録に残る物に勇者は1人と記した。欲深い人物だとこの日記帳に書かれている。要するに初代帝王は勇者の1人っていう訳。この日記帳を書いた人物は、最後のページにこう書いてあったよ」


"願わくば、影なき英雄たちの無念を晴らしてくれ。異世界から来た者、どうか聖剣を破壊して..."


「ケンさん、聖剣とはどれを指すのですか?」

「それは、姫さまが詳しいんじゃないか?」

「はい、帝国の秘宝の一つである龍聖剣のことだと思われます。建国当時からあり代々帝王もしくは、帝国最強の者だけが持つことを許されている聖剣です」

「ケンさん、疑問があります。何故その初代帝王を残りの勇者?たちは止めなかったのですか?」

「日記帳によると、初代帝王に殺されたと書かれている。龍聖剣だっけ?その力が強力で太刀打ちできなかったらしい。難を逃れた1人が、いずれ現れるだろう異世界人に託す為にこの部屋と武器やら研究書類を用意したってさ」

「ケンさんはどうされるのですか?」

「うーん、この日記を書いた奴の意思を尊重する気はないな。ただ、龍聖剣とやらが危険なものであれば破壊する予定」

一旦、俺は話をやめ部屋を出る。
考えを整理したい。色々な情報があってややこしい。



後書き

次回 隠し部屋の隠し部屋
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