どーも、反逆のオッサンです

わか

文字の大きさ
121 / 145
サツキ公国編

第121話 どーも、心の一部です

しおりを挟む
前書き

前回のあらすじ

主人公 ユリさんとネイレスさんのアレの日を知る


本文


どーも、何かと喧嘩していた原因の1つがアレだと分かって今後も起こりうるだろう喧嘩の日にちには、2人から距離を置こうと思ったオッサンです。

「日々勉強だね。うん、これも人生の醍醐味なのかも」

小声で呟き、2人に声をかける。

「もう、今日はMPがあまり残っていないから休むよ。この家の住人が帰ってこないけど、念の為、時間を決めて睡眠を取ろうか」

「そうね、お風呂...は、なさそうだから、布で身体吹いてからクリーンの魔法を使いましょ」

ユリさんの提案に同意の意味を込めて頷く。
ネイレスさんも頷き、順番に空いている部屋で身体を綺麗にしていく。

「ふぅー。サッパリ。ユリさんとネイレスさんは先に寝て回復に専念して。俺は、見張りついでにこの部屋にある物全てマジッグバッグにしまって捨ててくる」

ネイレスさんが心配した顔で手伝いを申し出るが、お断りする。

「断る理由は、ただ1つ。ユリさんとネイレスさんの今の状態だと死ぬから。魔法が使用できないと戦闘で負ける可能性が高い。分かったなら、はよ寝なさい」

心配な顔から険しい顔になるユリさんとネイレスさん。

「そんなにハッキリ言わなくても良いじゃない...ケンさんの服貸して。それ着て寝るから」

「私も貸して下さい。心身リラックス出来て回復が早まります」

どんな根拠があって言っているのか分からないけど、服を貸すことに抵抗は無いため、言われた通りもしくは望んでいるであろう着ていた服を渡す。

「今日は素直に貸してくれたわね。ふふ、すぅー。ケンさんの匂い...」

「ふふふ。溜まりませんね。癒されます。すぅー、はぁはぁ」

適当な場所にベッドを配置して、ユリさんとネイレスさんを先に寝かせる。
余程、喧嘩という名の殺し合いで疲れたのか、すぐに眠りについた。

「今日も色々あったな。朝からユリさんの血を飲んで、漫画を朗読して、天ぷらを処滅させられ、喧嘩が勃発して、神官などと戦闘になった。あれ?思ったより苦に思っていない自分がいる気がする」

占拠した部屋にある物をマジッグバッグに放り込みながら、今日の出来事を振り替えていく。
自分勝手に生きていこうと思っていたけど、振り回されている自分もいて、それに対してユリさんとネイレスさんだから別にいいやと許している?言葉が適切か分からないけど、心を許している自分がいると客観的に見て思った。

「マズイな...この生活に慣れると、失った時に激しく心が乱れる。いや、マズイと思う程でもないかな?でも、この世界は、命の価値がとてつもなく低い。覚悟は、常に持っていた方が精神的に良さそう」

占拠した部屋は、恐らく女性が使用していたと思われる。クローゼットに入っていた服が全て女性物。

「ユリさんとネイレスさんが着るには少し小さいかも。全部破棄だな。先の戦闘に巻き込まれて死んだか知らんけど、俺たちの寝床になってくれて助かったよ。名も顔も知らない女よ」

もし生存していて、この部屋というか家に帰ってきたらどうしよう。
その時は、お金か食糧を与えて...いや、敵にお金や食糧を与えてもプラスにならないな。
答えは、殺す。これ一択。

「でも、こんな夜中なのに帰宅しないということはクーデターに参加しているか死んでいるかのどっちかだな。はぁ、どうでもいいけど、服多すぎ。ここで燃やせたらどんなに楽なんだろうか」

テーブルやソファー以外の全てをマジッグバッグに入れ終わるまで5時間費やした。

「疲れた...あと、クリーンの魔法をかけて。ほい!」

ホコリなとを浄化したのか分からないが、クリーンの魔法で部屋が清潔になり、余計な物が無いため開放感が出来た。

「少し休憩してから朝食の準備と保存食の調理をしよ。保存食は何が良いかな…ぁ!米があったな。おにぎりを大量に作ろう。あと肉料理も」

ユリさんとネイレスさんの口に合うか分からないため、パンの保存食も用意しておこう。
窓を締め切りご飯が狙われないように対策をしてから調理を始める。
調理から3時間後、ユリさんとネイレスさんが起き、無言でテーブルに乗っているご飯を食べ始める。

「美味しい...」

「幸せです...」

「ありがとう。米食べているけど平気なの?」

意外なことに、おにぎりを沢山食べている2人。
サンドイッチも用意していたけど、おにぎりを片手にフォークで野菜炒めを絡めて食べる。

「見たことの無い食べ物をケンさんが用意したら、初めに食べようと決めているの。ネイレスに全部食べられることは断固拒否」

「ユリと同じで、ケンさんの用意してくれた食事なら何でも食べます。あと、ユリ、一言余計です」

「おにぎりって言うんだよ、それ。美味しい?」

「美味しいわ。おにぎりの中に焼き魚が入っていてそれを包んでいる塩が効いた海苔。最高の組み合わせ。まるで私たちみたいに調和が取れているわね」

「公国の食材で、これだけの物が出来上がるなんて捨てたもんじゃないですね。あと、ユリ、その調和に私も入っているのですか?」

「もちろんよ。ネイレスはアクセントの塩ね。米がケンさんで焼き魚と海苔は私よ」

「はいはい。嫌悪な空気にならないの。美味しければそれで良いじゃない。あと、これ作るの簡単だから今度教えるよ」

俺はおにぎりを2つ食べ、歯を磨いてからベッドに入りすぐ眠りにつく。
ユリさんとネイレスさんがベッドの方へ来るのを感覚で察知するが無視して寝る。



※ユリ視点

「ふふふ、ケンさんが安心して寝ているわ。この寝顔をずっと見ていたい」

私の言葉に対してネイレスは険しい顔をしている。

「ねぇ、ユリ。私たちケンさんに依存し過ぎではありませんか?優先的に寝かせてもらって、食事も用意してもらっています...」

「ネイレスの言いたいことは分かるわよ。私たちが負担になっているのでは?でしょ?」

驚いた顔になったネイレスを見て、私は笑いが込み上げる。

「なに、笑っているのか分かりませんが、ユリも同じことを考えているなら少しは考えて下さい」

「ケンさんは、変わったわ」

「それは、どういうことですか?」

「私と初めて会った時言われたの。偽善をするなって。以前のケンさんなら、今の私たちを見捨てることに躊躇しなかったはず。でも、その気配が全くない」

「偽善ですか...確かに、今の私たちも上面だけの人間はお引き取り願いたいです。ユリ、貴女は...」

初めてケンさんと出会った時のことを思い出しつつ、ネイレスとの出会いも思い浮かべる。

「私たちは、ケンさんの心の一部になっているわ。貴女も薄々分かっているのではなくて?なんだかんだで、助けてくれる。守ってくれる。本当のケンさんは、とても優しくて強くて...カッコイイわ」

「そうですね。全くその通りですよ、ユリ。だから、ケンさんの為に死ねないし、ケンさんの邪魔をする者や出来事は、私たちが排除しなくてはいけません。ユリ、先に行きますか?」

ケンさんが眠りについてすぐに周囲の警戒の為に、龍眼化スキルを発動させていた。
ネイレスも同様に龍眼化のスキルを発動している。
ネイレスが言う排除とは、私たちが居る家を取り囲むようにいる愚かな人間ども。

「何度も言っているけれど、今回は貴女がリーダーよ。貴女の指示に従うわ」

「そうてすか...ならこの部屋に戦闘の音を聞こえないようにして下さい。この寝顔は死守するべきです」

ネイレスがケンさんの頬にキスをして外に出る。
私は精霊魔法で風の結界を展開して、ケンさんの眠りを妨げないようにする。

「ネイレスだけずるいわよ。私も...」

ネイレスがキスした反対側の頬にキスをする。
優越感に浸りつつ、ケンさんの眠りの邪魔をしに来た愚者に腹を立てる。

「ネイレス、ケンさんが起きるまで頑張って...」

私は、ケンさんのお腹を撫でつつ、ネイレスの帰りを待つ。



後書き

次回 最終決戦へ
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』 見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装… 俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。 突然の事で戸惑うクラスメート達… だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。 「またか…」 王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。 そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。 そして俺はというと…? 『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』 「それよりも不知火君は何を得たんだ?」 イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。 俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。 その場にいた者達は、俺の加護を見ると… 「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。 『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』 王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。 まぁ、その方が気楽で良い。 そして正義は、リーダーとして皆に言った。 「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」 正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。 「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」 「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」 「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」 「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」 「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」 「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」 「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」 俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。 「その…鎧と剣は?」 「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」 「今迄って…今回が2回目では無いのか?」 「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」 俺はうんざりしながら答えた。 そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。 いずれの世界も救って来た。 そして今度の世界は…? 6月22日 HOTランキングで6位になりました! 6月23日 HOTランキングで4位になりました! 昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°. 6月24日 HOTランキングで2位になりました! 皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜

月城 蓮桜音
ファンタジー
仕事に日々全力を注ぎ、モフモフのぬいぐるみ達に癒されつつ、趣味の読書を生き甲斐にしていたハードワーカーの神木莉央は、過労死寸前に女神に頼まれて異世界へ。魔法のある世界に召喚された莉央は、魔力量の少なさから無能扱いされるが、持ち前のマイペースさと素直さで、王子と王子の幼馴染達に愛され無双して行く物語です。 ※この作品は、カクヨムでも掲載しています。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

異世界で家をつくります~異世界転移したサラリーマン、念動力で街をつくってスローライフ~

ヘッドホン侍
ファンタジー
◆異世界転移したサラリーマンがサンドボックスゲームのような魔法を使って、家をつくったり街をつくったりしながら、マイペースなスローライフを送っていたらいつの間にか世界を救います◆ ーーブラック企業戦士のマコトは気が付くと異世界の森にいた。しかし、使える魔法といえば念動力のような魔法だけ。戦うことにはめっぽう向いてない。なんとか森でサバイバルしているうちに第一異世界人と出会う。それもちょうどモンスターに襲われているときに、女の子に助けられて。普通逆じゃないのー!と凹むマコトであったが、彼は知らない。守るにはめっぽう強い能力であったことを。 ※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...