どーも、反逆のオッサンです

わか

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サツキ公国編

第133話 どーも、公国を出るです

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前書き

前回のあらすじ

吹っ切れる主人公


本文


 ユリさんとネイレスさんの手作り料理を食べたり、武器を磨いたり、溜まった洗濯物をまとめて洗ったりなど疲労回復ついでに公国を出る支度を3日間かけて行った。

 「レストの野郎を始末出来なかったのが残念だったけどまだ時間は多くある。またいずれ表に出てくるだろうし、その時必ず潰す。」

 俺の言葉に頷く2人。特にネイレスさんの目がマジだ。遺恨はあるだろうけど今は抑えて欲しい。

 「それで?次はどこに行くのかしら?」

 俺はユリさんの目を見て告げる。

 「カンナ王朝。エルフの国、ユリさんを捨てた愚かな国だ。公国での失敗を活かし確実にそして...徹底的に殺る。これは決定事項だ。」

 ユリさんの目が細まり邪悪な表情に変わる。そして、抑えきれないのか、あえて抑えていないのか...視認出来るほどの真っ赤な魔力が舞い上がる。真紅の魔力が肌に触れるとチクチクして少し痛い。

 「ねぇ、ユリ?気持ちは分かりますけど、私たちの居場所がバレてしまいます。その魔力を今すぐ引っ込めてください。」

 「言われるまでもないわ。」

 ネイレスさんから注意を受けたユリさんはすぐ魔力を引っ込める。

 「ふふっ。やっと私を捨てた者たちへの制裁を下せる。胸が踊る……ケンさん、絶好の機会を作って下さいまし。」

 「はい、はい。分かってるよ。ネイレスさん、今日、公国を出るけどやり残したことはない?」

 「そうですね...今は、ないです。レストをこの手で殺す時まで我慢します。それに、今の公国には魅力も興味も価値もありません。」

 「そう...分かった。短いようで長い間、この国に居たんだな。あまり日数を気にしていないけど公国もまた経済、食料生産が低下し破滅していく。」

 目を閉じ腕を組み俺の言葉の続きをユリさんが紡ぐ。

 「国を作るのは人間、壊すのも人間。」

 腕を身体の後ろで組み笑顔でユリさんの後の言葉をネイレスさんが紡ぐ。

 「壊れるのは早い、直すのはかなりの時間を労する。つまり、この国、公国はこの先数100年、暗黒の時代です。もしくは、過去の遺物になるのか...人が居なくなれば私たちの土地に出来るのですがね。」

 俺とユリさんはネイレスさんの方を見て、天啓を受けたかのような驚いた顔になる。

 「待て待て、ネイレスさん。今の言葉が本当に実現出来るのであれば、わざわざ島などを探さなくてもいい。最高だよ!最高のアドバイスだよ!」

 俺は嬉しさのあまりネイレスさんに抱きつく。抱きしめられたネイレスさんは、言葉に出来ない顔になっている。つまり察しろ。見せられない顔ってやつだ。

 「今回ばかりはネイレスに譲るわ。とてもいい提案よ。崩壊した国、崩壊させた国、街...良いわね。必ず手に入れましょ。私たちの居場所を。」

 「すーはー、すーはー。くんかくんかくんか。ペロ。」
 
 「おい、変態。やめろ。」

 安定の変態行動をおこすネイレスさんを突き飛ばし、乱れた服を整える。まったく、隙あれば変態行動をするネイレスさんには...いや叱っても嬉しがるだけか。一体どうすればいいんだよ。
 俺は、窓から外の様子を見ると荷物をまとめて移動する住民がちらほらいる。俺たちと同じ結論にたどり着く人も当然いる。前の世界みたく安全に移動できるとは限らない世界でよく決断したなと感心する。そんなことを思っていると、ふとカンナ王朝まで道のりがかなり面倒で大変だと思考が切り替わる。

 「サツキ公国からカンナ王朝まで遠いよね?この世界の形状って丸いの?」

 2人に問いかけると、世界の形状を考えたこともなかったとのこと。宇宙圏内からこの世界を把握した者はいないらしい。もしくは、いるかもしれないが2人は聞いたことがないと。

 「ケンさんが前にいた世界はどうだったの?」

 「球体、円形らしい。俺が知っている限りではね...」

 「ケンさんは、前の世界に戻りたいですか?」

 ネイレスさんの問いに俺はすぐ口に出来ず考える。前の世界の記憶が次々と頭の中でうかぶ。どの記憶も楽しいものではなく嫌なものばかり。ストレス世界、不安や不満があって希望が少ない社会。生きるために金を稼ぐ。心からの笑顔が出来ない前の世界より...

 「ユリさんとネイレスさんが隣にいるこの世界の方がいいかな。ふっ...おかしいな。帰りたいはずなのに帰りたくない。よく分かんねぇ。」

 「初めてみたわ。穏やかに笑うケンさんを。ふふっ、嬉しい...」

 「尊い...です...」

 「ネイレスさん、それは違うと思うんだけど。ふっ、ははははは。道中、俺がいた世界のことを話そう。せっかくの旅だ。復讐の旅だけでなく楽しもうぜ。」

 満面な笑顔で返事をするユリさんとネイレスさん。

 「さぁ、行こうか。新たな国へ。」


後書き

次回 新たな門出
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