5 / 59
開拓
第5話 衣
しおりを挟む食事を済ませたあとは、食休みにひと休憩入れてから、清潔作戦を決行する。
やましい気持ちはないぞ!決してありませぬ。
ともかく、清潔にしないと病気になる可能が高くなる。こちらの世界で風邪を引いたら、どう対処していいか分からない。市販の薬が効けばいいけど、予防は大事だと思う。
「えっと、アリエスさんとエマさんたちは、替えの服持っている?」
2人とも顔を横に振り、今着ている服しか持っていないと教えてくれた。
次は、衣食住の衣だな!っと思いつつ、服を大量に用意するのは簡単ではない。男性物なら何とかなるが...女性の服となると全然分からん。下着とかどうするのさ。
「服については、何でも良ければ、私が用意するけど...その前に、タオルと石鹸、それとシャンプーにリンス。あと桶。これは1人1つずつ渡すから配って下さい。使い方は...そうだなぁ、あとで、ミィちゃんを借りるね。」
困惑している2人に、物だけ渡して配ってもらう。その間に汲んでもらった水をどう温めるか考える。素人な考えだとその日しのぎにしかならん。
「うーん、うーん。ダメだ、思いつかん。」
「どうしたの?ナイン様?」
ミィちゃんが心配そうな顔で覗き込んで聞いてくる。
「うーん、お風呂を作りたいんだけど、中々アイデアが浮かばなくてね。」
驚くミィちゃん。ミィちゃんの周りに集まる子供たちもお風呂と聞いて驚いた声を上げる。
「お風呂なんて、お金持ちしか入れないよー?皆、水浴びだよ!!」
水浴びが当たり前な世界なのか?それともこの世界の人たちは強靭な肉体を持つのか?分からん。全く分からん。
「ナイン様。子供たちからお風呂のお話を聞いたのですが...もしよろしければ、何かお手伝い出来るかもしれません。何なりとお命じ下さい。」
アリエスさんが、子供たちの声を聞き取ったのか、すぐ俺の近くに寄ってきた。何者なんだこの人。
「そう?それなら手伝ってもらおうかな。エマさん達もいいかな。」
「はい、もちろんです。」
この世知辛い世の中で笑顔になれるなんて凄い。少し羨ましいよ。
日本とこの世界では時間の流れが違うことは、さっき分かったから、安い服や下着になるけど大量注文しておこうかな。ついでに、スコップとかも買い足して...
「それじゃ、エマさんたちには、ゆっくりでいいからこの紐を木に巻き付けてもらってもいいかな。そして囲うように木と木を結んで欲しいんだ。外敵から身を守る為に、しっかり張って欲しい。」
はい、喜んで!っという返事と共に、作業に移るエマさんたち。アリエスさんには、大まかな種族と人数を教えてもらう。さり気なく、下着や服についても聞く。
「獣人60、その内20が子供。ハーフエルフが私含めて25、その内5名が子供です。下着は、その...つけていませんし、履いていません。も、もちろん、以前は履いておりました!ですが道中、直ぐに用を足すことが求められていたので...あのぅ。うぅ。恥ずかしいです。」
顔を真っ赤にしているアリエスさんに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「こちらこそ、ごめんなさい。でも、清潔を保ちたいから、どうしても聞きたかったんだ。下着や服のサイズが分かれば、何とかなるんだけど...とりあえず色々揃えてみるよ。また少し離れるけどいいかな?」
「あ...、はい、もちろんです。またすぐにお戻りになりますか?」
「心配しないで。ちゃんと戻って来るから。」
アリエスさんに手を振ってから日本に戻り、某ファッションアプリから下着や服を大量注文。金はまだあるけど、金策しないといけないかも。定番ではあるけど、日本の物を売って、向こうの世界の金に変える必要があるな。
「問題が山済みだな、こりゃ。とりあえず、着替えの服くらい、ションピングセンターに売ってるだろうし、買いにいくかー。あとは、ホースとか...また往復だな。頑張れ俺!」
自分にムチを打つ訳では無いが、気合いを入れ直し、ショッピングセンターやホームセンターに買い物に出掛けにいく。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
黒に染まった華を摘む
馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。
高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。
「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」
そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。
彼女の名は、立石麻美。
昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。
この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。
その日の放課後。
明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。
塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。
そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。
すべてに触れたとき、
明希は何を守り、何を選ぶのか。
光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる