勘違いから始まる反逆王

わか

文字の大きさ
9 / 59
開拓

第9話 道中

しおりを挟む

 行軍。軍とは言えないが、85人が一斉に最果ての地エタンセルを出るために歩き出す。

 エタンセルと名付けたのは、我らではない。最果ての地でキメラを狩っている時、洞窟を見つけた。そして、その洞窟の中を進むと人が住んでいた形跡があったと報告を受けた。

 「まさか、昔、最果ての地に小さいが国があったなんて、見た時は驚いたな。」

 「ねー!この地に国があったなんてー、凄いよねー!どんな国なのか随分調べたけど、キメラ生み出して自滅したのが笑えるねー!」

 「こら、キィ。ナイン様に馴れ馴れしいわよ。」

 ノーラさんがミィちゃんに注意しているが、俺は気にしていない。それよりも、普段通り接してくれると嬉しいんだけど……。

 「えー?ナイン様に、いつも通りに接していいと言われたもん!」

 「そ、そうだけど。本当にいいのかしら……。どうしても、私は神聖視してしまうから難しいのよ。」

 「ノーラ姉は、不器用だなぁ。あははははっ!」

 「ミィも、ナイン様のこと神様って言っていたでしょ?」

 「それは、それ。これは、これ。あははははっ。」

 ノーラさんとミィちゃんの話しを聞いていると、少しおかしい内容があったが気にしない。これも何度も注意したけど治らないから諦めた。

 「古代文明…未知がいっぱい...。とても楽しかった…。」

 たどたどしく話すのは、白猫耳のイレーナさん。この世でも珍しいアルビノ。全てが白い。とても内向的だけど、人一倍勉強熱心である。魔道具の解明は、イレーナさんのおかげ。

 「イレーナさんは、まだエタンセルに居たかった?」

 挙動不審になるイレーナさん。俺から話すといつもこうなる。少しショックではあるけど、人それぞれだから仕方ない。

 「い、いえ......。あ、あ、あの、私も復讐、楽しみ…です。そのためにいっぱい、勉強して研究...した。サリーと一緒に…いっぱい魔道具を…作った……です。」

 「もー、イレーナったら、褒めないでよー!サリーにかかれば魔道具なんてちょちょいのちょいだよ!武具も武器をちょちょいのちょいちょいだよー!」

 凄く元気いっぱい、ちっこい熊族の獣人のサリーちゃん。お調子者ものだけど腕は確か。熊族にしては、しっぽが丸いくらいでほとんど人間と変わらない姿。
 イレーナさんとサリーちゃんの2人は、生活基盤を大幅に改善させた。これからも皆を支えてくれる頼もしい存在である。

 「キメラやよく分からない魔物のおかげで素材は腐るほどあるけど、街に着いたら売るの?」

 「サリーは、売るつもりなんてないよー!サリーたちの素材は、サリーたちのもの。絶対売らないよ!サリーたちから奪うだけのクズ共には絶対に...。」

 「あはは、そうだね。これからは俺たちが奪う側になるからね。因果は巡るってやつだね。楽しみ、楽しみ。」

 もう、何も失わないせないし、奪わせない。
 愚問だったな。今度は、俺たちが奪う側だ。

 斥候が戻ってきて報告を受ける。この先に村があるそうだ。彼女たちが立ち寄ろうとした時、悪意をもって追い出した村との事。最果ての地に近い村であり、食糧を求めていたのに身体を差し出さないければ渡さない。その位しか価値がないと。
 なんて残酷なヤツらだろうか。身体を許すわけにはいかないとアリエスさんが断ったらしいけど...。

 「どうなさいますか、ナイン様?」

 「アリエスさん...、君たちはどうしたいんだ?」

 口角を上げ、目尻を下げニタッて笑うアリエスさん。

 「殺りましょう。徹底的に...、そして何人か逃がして恐怖を積ませて絶望の染めましょう。くふふふふっ。」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

黒に染まった華を摘む

馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。 高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。 「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」 そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。 彼女の名は、立石麻美。 昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。 この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。 その日の放課後。 明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。 塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。 そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。 すべてに触れたとき、 明希は何を守り、何を選ぶのか。 光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~

紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。 そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。 大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。 しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。 フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。 しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。 「あのときからずっと……お慕いしています」 かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。 ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。 「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、 シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」 あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

処理中です...